●首相「話せば分かる」と歳入法案の月内通過断念 嘆き節も

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080124/plc0801242301011-n1.htm



これでいよいよ政局は、緊迫してくるものと思います。



しかしながら、私は、あまり関心が持てない、というか感心できません。

あまりに政局=権力闘争に寄っていると思われるからです。




●私は安倍前首相の辞職以降、政界再編しかない、という見解を常に訴えてきました。


再続・安倍首相辞任: 福田さん?
http://ameblo.jp/tanuma/entry-10047322674.html

保守の結束の可能性について
http://ameblo.jp/tanuma/entry-10043172425.html

参院選を振り返って
http://ameblo.jp/tanuma/entry-10041874718.html

年金問題、政党のあり方、参議院戦
http://ameblo.jp/tanuma/entry-10038683331.html




この問題が今後どういう決着となるのか、今後を見ていくしかありませんが、

どちらの政党も本質的な、大切な議論をしていないように思えてなりません。

これも、ねじれた政党、政治的信条の戦いではなく単なる権力闘争に、政治がなってしまっているからでしょう。



●戦いに意識が向きすぎると、確かにどうしても、差別化や、安易な迎合、短期的な効果に目が向かいます。

企業がその最たるものです。

特に株式会社は、株主や資本市場に応える要請が、常にあります。



●それでもビジネス界が、政界と違って混乱・低俗化しないのは、消費者の目が更に厳しいため、淘汰されるからです。

ゆえに、戦いの中でも、品格や、長期性、ルールは守りお互いを讃える精神などが、残るのだといえます。



●そう、ビジネスと政治の決定的な違い。

それは、やっぱりあくまでも消費者・市場に目を向けて、長期的な成功を描いていることです。



●ひるがえって今の政党は、有権者・国民に目を向けて、長期的本質的な公益を描いているでしょうか?





●まず野党民主党。

「ガソリンが高いから、暫定税率を廃止して25円値下げする」

こ、これは、、、!? 政策といえるのでしょうか? そんな短期的な一時しのぎで、税を扱ってよいのでしょうか。



●近年急に、原油価格が、欧米の投機によって、高騰しました。

しかし「たまたま原材料が値上がりしたから、たまたまかかっていた税金を下げる」というのは、極めて場当たり的な発想です。問題の本質である、原油高騰への対応策になっているのでしょうか?

未来に借金を残さないことは、忘れられてしまったのでしょうか。



●確かに国民は7割が「暫定税率を廃止すべき」と答えています。誰だって、いま高いガソリン代が下がるのは、うれしいに決まっています。


しかし一時の喜びにうつつを抜かして、大事な長期的投資の機会を失ってしまっていては、日本のためとは言えません。私はそこが確認できない限り、安心して税廃止を支持できません。


本当に長期的なお金の使い方を考えた上で「暫定税は値下げしても大丈夫」と見越して言っているならよいのですが、どうも具体的にそうとは見えません。



●たとえば藤本参院議員は、言います。

http://fujimoto-web.seesaa.net/article/80542687.html

「25円の値下げは、ある意味結果論であって、事の本質はそんなことではない」

「これまでの日本の構造を徹底的に見直すまたとないチャンス」

それゆえ、ガソリン値下げなのだそうだ。



●まず、いま、本当に、減税すべきなのか? マクロ経済政策として。

そして、政府の無駄遣い見直しのために、無理やり収入を減らすということだが、妥当なのか? というよりも、収入を減らしたときに、本当に全ての部署・当局が、破綻せずにやりくりできるのか?

その具体的な金額・部局・方法を、責任を持って描かないまま、「埋蔵金」などと言ったところで、現実感がないし、実際現実的な解になっていないでしょう。

政権担当能力に疑問がつくのも、自業自得です。



大衆迎合的な、そして政局狙い的な感じをぬぐえないのが、正直なところです。




●与党自民党。

「「必要な道路」を造るという合意から、ほぼ暫定税率維持&道路特定も維持」

こ、これは、、、!? 小泉・安倍の構造改革との連続性はどうなってしまうのでしょう?

それに大切な議論が抜け落ちていないでしょうか?



●構造改革では、財政再建のためにも、一般財源化をしっかり議論していくはずでした。

記憶にあられる方も多いと思います。

なぜ、こんな重要な問題が、急に方針転換してしまうのか? いつのまに? なにをきっかけで?

・・・驚きです。

それこそ政局、つまり参議院に負けたから、必死に人気取りに迎合しているのではないでしょうか。



●国家を本当にどう救うのか・・・日本の危機解決・競争力強化のための、財政再建や産業構造改革はどうするのか・・・道路を作り続けるのかそれとも財政再建をするのか・・・

そういった長期的な、国の形を描くための本質的な議論が、すっぽり抜け落ちています。

しかも以前はその議論をしようとしていたのにもかかわらず、です。



●これこそ福田政権の「無方針主義=官僚お任せ主義」の、最たるものです。

少なくとも構造改革ではそれに立ち向かおうとした。

それが「小泉安倍は終わったからもうお終い」では、党としての一体性一貫性はない、政権交代がもう起きてしまったとしかいいようがありません。





●私は与野党を敵にしたいわけではありません。

そもそも私の不勉強や誤解もあるやもしれません。そう思ったら素直に訂正します。

しかしながら、あまりに短期的場当たり的無方針的な政治がなされているように思えてならないのです。

これが、いま危機にある日本を救う政治なのでしょうか。



いま、日本は、未来に希望が持てなくなっているのです。

大田大臣が言っていたように、既に日本は一流ではないのです。

これが危機の本質です。


財政は危機的な状況で増税は不可避、年金はどうせ返ってこない、生活は徐々に苦しくなってきている、教育・学力の低落は顕著、道徳の崩壊の結果信じられない家族内殺人事件まで起こる、若者は刹那的な生き方にすがり大人は子供の模範となれない、、、


いまほど、希望をもたらす政治が、求められているときはないのではないでしょうか。

「国家を救う」「新しい国の形を描く」という、長期的・本質的な議論から、この問題に対処すべきではないでしょうか。



●しかしながら、参院選で小沢絶対体制ができ、そして福田政権が成立して以降、

いうなれば「小福」以降は、「政局第一主義政治」が顕著です。


私はそれではいけないと思います。


民主党の「政局第一主義」、その裏返しである自民党の「政局対応主義」からの、脱却を、心から願います。



●しかし、、、正直に書きます。

書いていて空しくなってきました。

どうせできないだろうから、です。



このあいだのテロ特措法のときもそうでした。

自民党は無方針の「これまでやってきているから賛成」

民主党は意味のあいまいな「国連決議がないから反対」 しかも最後は政局に持ち込めないとわかると「重要な法案ではない」と言い出す始末

重要でなければ採決を欠席していいのでしょうか? 重要さが決まるのは、政局になるかではなく、国家の行く末に関わるかどうかではないでしょうか?



それで再議決となり、議論は終わってしまいました。もっと、そもそも憲法をどうするのか、国際社会における貢献の姿、集団的自衛権の境界についてなど、外交・国防に関する本格的な議論がなされるべきなのに、それも大してなされませんでした。そして、当分の間、この議論はされないでしょう。



メディアのことを「喉元過ぎれば熱さ忘れる」「毎年1回しか終戦や阪神大震災のことを思い出さない」と批判しますが、それを言える資格は、大半の議員にはないとおもいます。

(もちろんメディアも保護できません。言いたいことがたくさんあります。しかしそれは別途)




もう現在の政界の枠組みでは、ダメなのです。

いまの枠組みでは、どうしても政局第一主義になります。しかしそれでは危機に対応できない。

政界再編し、政局第一主義から脱却するしか、ないのです。



●暗黒時代です。

「小福時代」ですから、せいぜい、小さな福しかありそうもありません。


早くこの時代を抜け出し、本来するべき、骨太な議論と救国の政治をなすために、

一刻も早い政界再編が必要です。

危機において立ち上がる人を、私は求めたいし、私自身もそうあらねばと思っています。

既に「日本は一流ではない」のですから、、、!