本当に突然で、驚きました。
田沼はいつも、日本再生のために、安倍首相を応援すると明言しておりました。
自民党員ではありませんが、安倍首相を強く支援してきました。西村慎吾氏と同様です。
それゆえ、大変に、残念です。
戦後レジームからの脱却。
これは、日本を愛する人間であるならば、誰もが取組まなければならない、現代政治家の使命と考えております。
安倍さんはそのことに、正面から取組まれた、本当の愛国者であったと思っております。
実は、健康の問題のことは、ある総理に近い方から、耳にしていました。
もちろんそれは、どこまで深刻なのかはわかりません。これ一事をもって総理を弁護できるものでもないでしょう。
しかし私は、安倍首相が命を懸けてやっていることを、いろいろな言動や表情から感じ取っておりました。
おそらく総理大臣という職務は、大変に際どいバランス取りや求心力作りが必要な、孤独で重圧の強い、本当に厳しいポジションなのでしょう。
なにしろ、自分の後ろには、もう誰も責任者はいないのですから。
経営者に近い感覚と思われますが、その規模が日本国民全体です。いや、日本の過去の伝統や未来の可能性も含めると、その重圧は計り知れません。外野で我々が、安全な場所から批判だけするのと、実際に職務に当たるのとでは、その重みが全く違うものと考えます。
おそらく経営者の方々には、皆さんに上記同意いただけるのではないでしょうか。
安倍さんの心中、いかに苦しかったか、推察いたします。
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上記のような感想を持ったのは、ある本の衝撃が、背景にあります。
安倍さんの失策や参院選大敗は「チーム安倍が戦犯」と言い切る、おそるべき書です。
もう既に読まれた方もいるかもしれませんが、この本の内容が本当ならば、官邸は事実崩壊していたに近いでしょう。
もちろんその根本責任は、任命権者である安倍さんにあるのでしょうが、やはり周りを固めた「チーム安倍」のメンバーには、大きな責任があると言わざるを得ません。
Amazonのレビューで、ある方が「わたしは安倍首相に対してはむしろ応援していたのだが、周りがこれではあまりに可哀想である 」と書いていましたが、全く同感です。
官邸が崩壊していては、総理は続けられません。それが最後まで回復できなかったため、辞任に追い詰められた部分も大きいのかもしれません。
裏返して言えば、今回の辞任劇からは、官邸を強力に機能させるための打ち手を、教訓として引き出さねばなりません。
任命権者の心構え。すなわち、志も能力も高い人選をすること、鉄の結束をつくること。
それを阻むものは、非情であっても、切らねばならないということです。
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上記の本に限らず、最近は内幕もの、たとえば竹中平蔵氏の日記などを併読していたのですが、
本当に現場の奮闘は大変だと改めて感じています。
総理の立場の大変さがよくわかるとともに、政治家として身につけなくてはならない“闘う能力”がどんなものであるか、陥りやすい落とし穴が何か、良く見えてきて、大変勉強になります。
そしてもう一つ、これら内幕本を通じて非常に強く感じたのが、小泉純一郎前首相のすごさです。
飯島秘書官のおかげという部分も大きくあるのでしょうが、小泉さんがなぜあそこまで改革を進められたのか、なぜ郵政解散で圧勝できたのか。内幕本を読み進むにつれて、その原因が少しずつ見えてきており、これも大変に勉強になります。
いかに政治において、闘う信念が重要であるかを、身に沁みて感じます。「いまは甘い、戦国時代なら命懸けだ」と小泉さんが言ったのは、本心でしょう。私も肝に銘じなければなりません。
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何にせよ、安倍さんへの同情を禁じ得ません。
内にあっては健康問題、官邸は崩壊、閣僚は不祥事だらけ、党でも小泉チルドレンの反乱、
外にあってはメディアバッシング、野党とのねじれ国会、重要課題山積、、、
すべて安倍さんの責任、と一刀両断することもできるのでしょうが、私にはその資格はないと感じます。
自分の能力を省みた、正直な気持ちです。現場実態を知り、改めてそう感じています。
首相というのは本当に大変な職務だな、というのが、私の偽らざる第一感想です。
この貴重な、先輩の敗戦劇から、しっかり学んでおかねばならないと、私は思っています。
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ただし、上記のような、感傷的なことを言っていられるのは、他人事だからです。
もし私が安倍さんの立場であるならば、たとえ辞任するにしても、しっかりと自分の路線を継続してもらえるよう、楔を打つ策を考えます。
政治の現実はもっと具体的で冷酷です。「やるか、やられるか」なのです。同じ党員であっても、自分の政策を踏襲してくれると信じられるかわかりません。特に自民党のような大衆政党は、政策の幅が広過ぎます。
感傷に浸る暇は、引退までないのでしょう。
ゆえに政治家は、政局も大事と考えます。民主党などにはよく「政局より政策」と言う人もいますが、私は議会内での戦いも重要と考えます。派閥が果たした役割もよくわかっていなければなりません。
「頭がいいだけで人望がない」「人柄が良いだけで押しが弱い」という人は、やはり政治家としては半分なのでしょう。私も常に気をつけたいです。
(ちなみに民主党も大衆政党と思いますし、誰でも同一の政策が踏襲されるということはないと思います)
実際、小泉さんの強さの源泉は、政局の強さ、ケンカの強さにあったように思われます。
この点が、安倍さんと小泉さんで、決定的に差があったように思われます。今回の辞任の原因でもあるでしょう。
選挙が第1の戦いならば、議会内での駆け引きは第2の戦い、です。
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結論。
日本再生の待望だった安倍首相が辞任することは、大変に残念です。
日本の心の復活は、後継首相によりますが、大きく後退してしまうかもしれません。
これからも、安倍「美しい国」改革が、継続することを、願います。
そしてそのために、安倍さんが今しっかりと、策を打つことを期待します。
私は無所属。しがらみなしで、応援を決められますので、後継者をよく見極めたいです。
応援する相手がいないなら、やはり自分でやるしかない、という覚悟で、これからも戦います。
