新安倍内閣が組閣されました。
以前の投稿で、いまの政治はあまりにメディアがコントロールし過ぎだと指摘しましたが、相変わらず、その状況が続いています。

http://ameblo.jp/tanuma/entry-10041421683.html



そしていまはまだ、批判モードです。安倍さんも苦難続きで、同情を禁じえません。
最近のメディアは、度を越えて国民の意識と離れてしまっていると、感じます。



たとえば千葉日報。以下のような記事です。


(千葉日報)----------
●イメージ一新? 安倍改造内閣に厳しい意見次々 県民の声
http://www.chibanippo.co.jp/_inc/backnumber/news/shakai/070828.php

http://www.chibanippo.co.jp/news/shakai/kiji.php?id=shakai07082810154101


参院選で歴史的惨敗を喫した安倍普三首相は二十七日、内閣改造を行った。「お友達内閣」とやゆされ、政治とカネの問題や失言が相次いできた閣僚。今回は、政権批判の急先ぽうを登用する一方、大臣経験者で派閥の長といったベテラン陣も目立つ。自らは続投を選んだ安倍首相の“再チャレンジ”は信任を得られるのか。県民からは「キャリアのある人で固めたのは期待できる」との声も上がったが、「イメージが一新されない」「首相が評価できない」と厳しい意見も相次いだ。・・・
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つまり、「国民は新内閣に批判的だ」と言いたいわけです。
しかし、よく文を読むと、根拠がない。県民の声も、新内閣に厳しい意見だけを集めて載せているだけ。
つまり書き手の記者が、既に「新内閣批判で行く」ことをメッセージとして決めてしまっており、それに都合のよい情報を集めてきただけです。




その一方で、讀賣の記事は、以下のようでした。


(讀賣新聞)----------
●改造内閣支持率44・2%、参院選後比12・5ポイント増
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070828i313.htm


・・・ 改造内閣の支持率は44・2%で、参院選直後の7月30、31日に行った緊急世論調査(同)の31・7%と比べて12・5ポイント増加した。不支持率は36・1%で、23・8ポイントも減少した。
 改造前の内閣に比べて、新内閣は「期待できる」と答えた人は55%で、「期待できない」の28%を大きく上回った。・・・

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つまり、統計調査によると、「国民は新内閣に批判的ではない」ことがわかります。
千葉日報と讀賣新聞で、全く逆の結論になりました。
どういうことでしょう。



これは、ちゃんとした調査に基づいた報道であるかないかの差です。

もちろん統計調査にも、からくりがある場合もあります。注意は不可欠です。
しかし単なる数件のインタビューよりは、ずっと信用度が高いです。網羅性があります。

場合によっては、今回のように、全く逆の結果にまでなることすらあります。
基本的には私たち国民は、まずは統計調査を確認し、輿論の傾向を把握するべきでしょう。



特に最近は、暴走気味のメディアに翻弄されるリスクが高くなっていますので…





私の推測に過ぎませんが、特に最近のメディアは、迷っているように感じます。
たとえば「この内閣をどう評価すればよいか、、、」と。


仕事柄、メディアは、時間との勝負ですから、何かメッセージを持って伝えなければなりません。
そして最近は、安易に政治を批判する潮流に、多くのメッセージがなってしまっている。
そのことに私は警鐘を鳴らしたいと思っています。



結局、特に粗雑な調査や根拠であればあるほど、報道には主観が色濃く反映されるのです。
単なる主観を、客観的な衣をかぶって伝えられるから、たちが悪い。要注意です。

今回もその例のひとつと言えるでしょう。



そして主観の内容自体も、他と同じ、付和雷同的な見地ばかりになっていると感じます。オリジナルなメッセージが減ったことがその象徴です。他人に流されず自分の頭で考えて発したメッセージが、減ってきているように思います(もちろん私自身への警告を込めて言っております)。


どうせメッセージを用意しなければならないなら、しっかり問題の本質をとらえた、大局観のある批判や賛成をして欲しいですが、いまはそのような骨太な主張はメディアからは消え、目前の課題を矮小に批判することが多くなってしまっていると思います。


心あるメディア人・言論人の方も同感のようです。
メディア改革・再生も、いつか私が取組みたい、テーマです。



とりあえず今に生きる私たちは、公平なメディアなどは存在しない、ということを、肝に銘じながら、メディアに付き合っていきたいものです。
…というか、自衛していきたいものです。





参考までに、前幹事長、中川秀直氏のサイトのコメントを紹介します。
http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=612


「安倍総理の資質が問題」とよく言う人がいましたし、メディアでもそれが盛んに言われていました。

しかし輿論は違いました。

「自民党の敗因が安倍総理以外にある」の回答者は、なんと59%にも及んでいたのです。

これは複数の統計調査でも同じ傾向です。
少なくともこの数値を見る限り、安倍総理の続投を、輿論は択んだと見るべきでしょう。



やはり、単純な報道や、ありがちな主張には要注意です。
私も元経営コンサルタントとして、数字の重要性を、しっかり踏まえていきたいと思います。



※中川氏は、日経新聞記者らしく、非常に統計調査を引用してコメントすることが多いです。的確なものも多く、参考になると思われるため、紹介させて頂きます。
退陣か続投かについての調査へのコメントもあります。