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県議会の不思議 議事録――「録音なし」の要点筆記 /千葉

2007-02-22

 ◇都合悪い部分載せず?--都道府県では4県だけ
 06年3月24日の県議会本会議。先に開かれた健康福祉常任委員会で自民党県議が「障害児は障害に見合った特殊教育を受けるのが当然」と発言したかどうかをめぐって、「言った」「言わない」の大論争が起こった。

 本会議で、吉川洋県議(市民ネット・無所属市民の会)が、自民党県議の不見識な発言と指摘したことに、自民党が「不穏当だ」と猛反発。賛成多数で、吉川氏の発言は削除された。
 発言の有無の検証は一切なされなかった。委員会の議事録が概要だけを書きとめる要点筆記のため確認作業ができないからだ。

 委員会の記録は、なぜ、人の記憶による要点筆記に限られているのだろうか。
 県議会事務局は、要点筆記の根拠に、会議録は「概要」と記した県委員会条例24条を挙げる。録音機の採用に関しても「予算がかかる」と、後ろ向きだ。同事務局の調べでは、常任委員会で録音や速記がないのは、都道府県議会では千葉、和歌山、岡山、愛媛の4県だけだという。

 県内の市町村との比較でも、本来模範となるべき県議会が最も遅れている。「県市民オンブズマン連絡会議」が05年10月に実施したアンケートによると、県内33市のすべてが録音を採用。松戸市では、8会議で録音を採用していた。同市によると、4常任委員会は職員がテープ起こしを担当しており、費用は年約3000円(テープ代)。年1回の予算、決算の両委員会は、テープ起こしを外注しているが06年度(計7日間、テープ39本)で約46万円という。
 現在、議会運営委員会など12会議でテープ録音している木更津市の場合、会議録作成(11会議分)には約100万円をかけている。録音と並行して行う速記から記録作成していた本会議も「速記者を頼むよりテープの方が安い」(同市議会事務局)との理由で、07年度からはテープ記録に切り替えるという。

 同連絡会議の藤崎良次事務局長は「要点筆記では、都合の悪い部分は載せないことが可能だ。政務調査費の申請が領収書は未提出でいいのと同様、委員会もかなりずさんなやり方が通っている。本来、録音も開示すべきで、ちゃんと公表すれば議会のマナーも向上する」と話す。
 「開かれた議会を目指す会」顧問の小林弘和専修大学法学部教授は「実際に政策決定される場は委員会。主人公は県民であり、代表者たちがどう決めているかをオープンにし、透明化することは自治の基本だ。開かれた議会にするための前提として、(現行方式を)改める必要があるのではないか」と指摘している。

 06年の6月議会。県民有志から委員会の録音を求める請願が出された。しかし、自民12人、民主2人、公明2人で構成する議運委では「予算や人員確保など検討課題が多い」として不採択の結論を出した。「きちんと議論をしてほしい」との他会派の訴えは聞き入れられなかった。
 藤崎事務局長らは「録音だと都合の悪い議員がいるからだろう」と、録音記録が採用されない背景を推測する。言論の府である議会での発言を覆い隠すような旧弊を改めようとの機運は、県議会では依然乏しい。【中川紗矢子】

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 県民の意思を県政に反映するために選ばれる県議。政策を話し合い、決定する県議会。公に奉仕するとの建前とは裏腹に、何をしているのかは、県民にはわかりにくい面が多い。

 4年に一度の県議選が4月に実施されるのを前に、県議会の「不思議」に迫った。

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県議会の委員会議事録は、録音なしで、要点筆記のみ公開。

この状況は、都道府県では4県だけ、ということです。



田沼は、なんでもかんでも公開すべきとは考えていません。

民間企業も、取締役会などは、当然公開されません。企業戦略、競争戦略が含まれるためです。

政治においても、機密とすべき事項は、存在するかもしれません。



しかし、やはり、今の現状はおかしいと考えます。

理由は3点。


全国で4県だけが、要点筆記のみということは、他の43県は要点以外も公開しているということ。

そして問題が起きているとは耳にしません。

むしろ千葉県の県政への関心は、全国最低です。投票率がなんと全国最低です。(別投稿、参照)

千葉の県政に、関心を呼び起こすためにも、「ひらかれた県議会」をつくるべきときでは、ないでしょうか?


加えて、国政の委員会審議は、皆様ご存知の通り、テレビ中継すらされており、全く公開されています。

県政の審議が、国政以上に、機密事項があるとは、どうしても考えにくい。

なおさら、「要点のみ公開」である理由が、わかりません。


千葉県内の市町村は、県内33市のすべてが録音を採用しているとのこと。

模範となるべき県議会が、最も遅れている現状は、否めません。

国と比べて遅れているだけでなく、市と比べても遅れているのでは、県政がわかりにくいと言われても仕方ありません。




以上から、現時点の結論として、委員会議事録も、録音開示が必要と考えます。

仮に少々譲っても、全文速記です。

いったい、情報公開を訴える議員は、いないのでしょうか。あるいは、その議員は何をやってきたのでしょうか。まったく不思議です。

私がなにか決定的な情報を知らないだけでしょうか。ご意見頂ければ幸いです。




民間出身として、一般県民の代表者として、しがらみなしの人間として、

身近な県議会を作ってまいります。

「信頼できる地方政治を、創って参ります!」