ソニーのCRF-320 | じんけいの修理日記

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趣味とボケ防止を兼ねて古いラジオの修理を楽しんでおります。https://jinkei.sakura.ne.jp/

デカい、重い、高い、と3拍子揃ったソニーのラジオCRF-320です。

短波のチューニングつまみが回転しないということでやってきました。320や330Kでよくある不具合です。

そのほかにも、タイマーモジュールの時刻設定つまみ(リング)がなくなっているので同梱のモジュールと交換希望、バックライトを明るくしてほしい、などのご要望があります。

 

 

 

 

今回の不具合でカウンターの数字が安定しないのが一番大変そうな問題のような気がします。

 

 

背後から見たところです。シリアル番号は20421、国内仕向けの320です。

 

 

 

 

リアカバーを外して内部を見たところです。パワーアンプ基板に付いているスポンジがきれいに取り外されています。以前の持ち主が内部をいじった(修理した)のでしょう。

 

 

 

 

 

 

正面を下に向けてテーブルに置いたところ、片足が浮いてガタガタします。

 

 

 

上の写真で右下の足が出過ぎているのです。これは電源モジュールを取り外すために足を固定している黒色のプレートを一度取り外し、再度足を取り付ける際、適当に付けたのでしょう。

 

 

 

フロントパネルを外したところです。

 

 

 

 

回転しなくなっている部分の修理をするためにダイアルを外すところなのですが、本来付いているはずのスプリングがなくなっています。分解した際なくしたのでしょうか。ただ、以前修理した個体にも付いていないものがあったので途中から付けた(あるいは途中から付けなくなった)のかもしれません。

 

 

 

 

どのようなスプリングかというと、下の写真のような恰好をしています。おそらく回転軸をグランド(アース)に確実に落とすためのものではないかと思うのですが、無くてもよさそうにも思います。

下の写真は別の320を以前分解した時に撮った写真です。

 

 

 

 

 

 

ギアのクラック修理は以前の記事で何度も掲載しているので、割愛し、今回の一番手ごわそうなカウンター表示の問題に移ります。クラックの入ったギアはとりはずしているのでこの状態ではつまみは回転し、受信周波数も変化しますが、カウンター表示は安定しません。

 

 

 

 

 

カウンター表示が安定しない原因はカウンターモジュール側にあるのか、カウンターモジュールに入力する基準クロックと局発からの信号が悪いのかのどちらかですので、これを切り分ける必要があります。

 

 

そこで、カウンターモジュールを取り出して、表示に必要な電源(5V)と基準クロック、および局発回路からの信号を想定した信号を入力し、所定の周波数が表示できればカウンターモジュール側はOKということになります。

 

 

ということでカウンターモジュールを取り外しました。

 

 

 

入力信号を加える2ピンコネクタはその周囲をエポキシボンドで固められています。以前の持ち主がやはり修理したようですね。

 

 

 

 

 

で、モジュールに電源と信号を加えてみると、

 

 

やはり、表示が安定しないことがわかりました。

 

 

 

 

どんな感じかわかるように動画を撮ってみました。

 

 
 
 
症状が安定して出ていれば回路を追って行けば何とかなりそうです。とはいえ、ICが壊れていたことも何度かありました。
 
 
 
 
 
反対の面です。
 
 
 
 
時間がかかりましたが原因は半田クラックでした。これで任意の周波数を安定して表示できるようになりました。
シールドケースを取り付ければカウンターモジュールの修理は完了です。
 
 
 
 
本日はここまで。
明日時間があればタイマークロックの載せ替え、FMフロントエンドの再調整、ムギ球の交換(LEDに置き換える)等です。