ソニーの樽型ラジオTR-1829 | じんけいの修理日記

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趣味とボケ防止を兼ねて古いラジオの修理を楽しんでおります。https://jinkei.sakura.ne.jp/

状態が悪いソニーのトランジスタラジオです。鳴るようになれば売れるだろうということで、これも骨董品屋からの依頼品。

 

 

 

 

 

 

スピーカが底面についており、電池(単三乾電池3本)も底面から装填します。

ほんらい、電池ボックスとスピーカは部分は勘合しており、外す必要はないのですが、本機は外れた状態でした。

 

 

さらに悪いことに、スピーカコードが引っ張られたのか、端子板が破損して黒色のコードがぶらぶらしており、今にもスピーカのコーンのところから出ている網線が切れそうな状態です。

 

 

 

 

 

幸いにもボイスコイルは断線していなかったので、この部分を手直ししました。

 

 

 

 

 

このスピーカの上に電池ボックスが取り付くのですが、電池ボックスの電極はかなり錆びています。

 

 

 

 

できるだけ錆び(緑青)をとり除きましたが完全にはとりきれません。まあ、何とか導通するようにはなりました。メッキもはがれたのでリン青銅の地肌が出ています。

 

 

 

 

 

 

結線が終わり、電池を装填、動作確認をしたところ、受信はしたのですが、ケースに収めようとすると音が出なくなることがあるのです。

ケースから引き出すとまた正常に戻ります。どこかで接触不良が起きているようです。

 

 

で、いろいろ調べて行くと、スピーカケーブルを動かすと音が出たりでなくなったりすることが判明。

スピーカへは白と黒の線で接続されています。基板側とスピーカ端子間をテスターで導通チェック、黒色の線が断線(半断線)していることがわかりました。

 

 

 

 

 

どのあたりで断線しているのか目星をつけてコードの被覆をはがしてみると、、、

銅線が腐食し、断線。ただ、複数本ある銅線の断線している場所が異なっていたため導通したりしなかったりという現象が起きていたようです。

 

 

 

 

緑色の線材に置き換えました。(もう一本見える黒色の線は電池ボックスからの線です)

 

 

 

 

 

これで安定受信ができるようになりましたが、音が絞り切れません。ボリュームの不良です。

 

 

 

このボリュームはネジで固定するタイプでスイッチ付きです。交換用VRはそう簡単には見つかりそうにないのと、音が絞り切れないといってもある程度は小さくなるので、それ以上に小さくしたければラジオ自体を回転させて感度が落ちる箇所を探せば小音量でも聞けるので、現状のままとします。骨董市で売るには大きな音が出たほうがよろしい(ほんまかいな)。