1月下旬に義母との同居が始まり5月上旬まで、およそ3カ月半ほどですが、
状況的にも僕の気持ち的にも、
まったく前に進めていないことが、読み返すとよく分かります。
同じようなことを繰り返し書いているなと思います。
こんな状況、どのくらい続いたのだったろうなあ・・読み進めていこうと思います。
まだ3ヵ月半・・・義母との同居生活期間は、11年7カ月でした。
2013年04月21日 無理だ
義母がショートスティから戻って、二日続いた居間での昼食・・・。
今日は、三日目。
やっぱ、無理だ。
食事中、断念した。
険しい顔で、まるで同じことを延々と繰り返ししゃべり続ける。
妻が、同じことを、同じ口調で延々と返答している。
食べてる目の前で、大きな声でのそんな状況・・・。
食べているというか、飲み込んでいるといった感じになり、胃が気持ち悪くなってくる。
妻は、いかに実母とは言え、一日中、よく笑顔でここまで対応出来ると感心するよ。
ただし、当然のことながら、その分、他は後回しとなるというか、殆ど出来ない。
義母かかりきりの日々。
あ~もう限界だ。
冗談ではなく、まあまあ義母の機嫌のいいときは一緒にいられるが、そうでないときはこちらの気がおかしくなりそうになるよ。
ここは、自分の家なんだぜ・・・
なんで居間を使えないんだ、
なんで、あなたに、”あっちに行け”などと手ではらわれねばならないのだ・・・
なんて、思ってもしょうがないことを思ってしまう。
2013年04月21日 つるりん食
92歳で亡くなった僕の実父も、最後の数年は認知症だった。
始まりの頃は、まがりなりにも、父親として、また昔風に言えば家長としての威厳を保っていたが、最後の頃は、考える能力もほとんどなくなったようで、母の死も理解出来なかったしまわりの言うなりに動くだけだった。
食事をするとすぐ誤嚥で咳込み、一度、息が止まり一瞬だが意識を失ったことがある。
それ以来、医師の指示で、食べ物はすべて細かくし、名称は忘れたがつるりんと喉に入り易くするためのツルツルトロトロしたとろみ状のものを、すべての食べ物に混ぜ合わせてから食べさせるようになった。
もう、何でもかんでも、つるりん食だ。
味わいなんて関係ないね。
人間として、最後の楽しみである美味しさを感じるという楽しみさえも奪われ、ただ食べるだけの食事だ。
健康な状態で老いられないということは、
本人にはもちろん、まわりも侘しいものがある。
2013年04月29日 保育園とデイサービス
保育園・・・保護者が働くためにその間、預かってもらう施設。
デイケア施設・・・介護者が休息&家事のため、預かってもらう施設。
認知症老人の多いデイケア施設の日常は、保育園がしていることとよく似ている。
職員がいろいろ方法を考えて遊んでくれる。
保育園は、その遊びの中から幼いながらも社会性を覚えていく。
デイケア施設は、その遊びで少しでも頭を活性化させてあげようとする。
今日の義母のデイケアの遊びは、ちょうちょの歌の歌詞、白抜き部分があって、そこに何を入れればいいかを競うゲームだったらしい。
やってることは、まるで保育園や幼稚園レベルだね。
幼児は、そんな遊びをしながら、だんだん頭が働くようになり、対応力が成長していく。
認知症高齢者は、そんな遊びを楽しみつつも、それを仕事だと思っている。
今のことは、1分でも記憶出来なくても、昔、会社で働いていたことや家事を立派にこなしていたことは、はっきりと覚えている。
だから、自分は一生懸命やっていると思っているようだ。
仕事をして来たから疲れて寝る。
保育園と高齢者デイケア施設、よく似ていると思う。
けれど、保育園は自分の未来を切り開いていく方向へ向かう。
高齢者デイケアは、向かうところはない。
衰退を、なるべく遅らすところ・・・。
自分も、いつ御厄介になるか・・・いや、誰だって同じこと。
2013年05月02日 義母帰還
月2回、1回が2泊3日のショートスティから、
義母が、さっき帰ってきた。
義母の誤嚥のため、落ち着いて食べていられないため、無言で短時間で済ませてしまう夕食が、また13日間続くわけだ。
誤嚥は、高齢になれば仕方のないことだけど、でも現実として本来ならば団欒の夕食時、痰を絡んだようなゲホゲホを、しじゅう脇でやられたら、美味しく食事が出来ますか?
スティから戻って来て開口一番、何と言ったか?
「にいちゃんは、いないの?」
いいかげんにして欲しい!
あなたの面倒を看ているのは、あなたの娘=僕の妻、そしてうちら家族だよ。
あなたの誰よりも大事なにいちゃん(義兄)は、何一つ、なあんにもしちゃいないんだよ。
認知症だから仕方ないんだが、本当にむかついてくる。
徒歩1分のとこに住んでるにいちゃんは、まったく会いにもこねえのよ!
帰宅一番で、馬鹿らしくなって疲れるよ。
施設では、夜中は寝ずにベッドから抜け出して、歩けない足で、壁の手摺伝いにうろうろしているそうだ。
1ヶ月の間に、大腿骨を2回も骨折し、やっと立てるくらいにはなったと言うのに、どうにもしようがない。
こんど、転んだら、もう本当に、立ち上がることも困難になるだろう・・・。
もう、本当にいいかげんにしてもらいたいのだが、いくら言い聞かせても、なんの役にも立たないんだよ、認知症は。
認知症が、治る薬を作ったら、ノーベル賞まちがいないね。
2013年05月05日 胃が熱い
我が家で一番広い居間を一人で占領し、当たり前のように毎回のトイレの世話を娘にさせ、当たり前のように食事の用意を娘にさせ、当たり前のように食欲抜群でゲホゲホむせながらもぱくぱく食べおかわりをし、当たり前のように夜は娘に付添って寝てもらい、当たり前のように夜中に一人ででかい声でしゃべっていたり、当たり前のように、夜中のトイレで娘を起こす。
ショートスティは2泊だが、眠るべき時間になると這いずりながら徘徊し、職員に連れ戻されるが、それを繰り返しているとのこと。
朝っぱらから居間のテーブルに陣取って、ぐちゃぐちゃした声で、わけの分からない歌をでかい声で歌っている。
僕の不機嫌などまるで意に介していない。
自分の好き放題、すべて当然の如くに生きている。
人の不快な感情は、すべて相手が悪く、ときに憎々しげに或いは小馬鹿にしたように捨て台詞を吐く。
僕は、目を合わすことすら不愉快で、正直言って、いっときそばにもいたくない。
うるさい歌が聞こえてくる台所で、僕は、簡単な朝食をつくり、
狭い寝室のパソコンデスクに持っていく。
いらいらしながら、食べていると、だんだん胃が熱くなってくる。
義母が、デイケアやスティに行かない日は、外出時を除いて、僕の居場所は、狭い寝室のパソコンデスクの前だ。
昼食も、朝食と同じこと。
3LDKのマンションに住みながら、なんで僕はいつもパソコンデスクの前にいなければならないんだ!
いいかげん、腹が立ってくる。
居間に行けばいいのに?
とてもじゃないが、居られないよ。
いつも居間に居るのは、
テーブル前にすわっているか音量を大きくしたイヤホンでテレビをみているか、ベッドで寝ているかの義母と、見張り兼ご機嫌取り兼お世話係の妻がいるだけだ。
この状況、自分の立場をまるで理解出来ず、娘(妻)に何でもしてもらうのが当たり前と思い、娘の嫁ぎ先の旦那が、うんざり感で胃を痛くしていることなど、想像すらしていない。
しごく、それが当然であるが如くに、娘に一日中ご機嫌をとってもらって、自分だけは気分よく暮している。
あ~本当に、認知症はどうしようもない病気だ。
重症になってくると、尋常な精神では手がつけられなくなり、まわりが先に疲れ果ててしまう。