昨日1月27日の参議院本会議で岸田首相は以下のような答弁を行った。
中小企業においても、賃上げを実現するため、
公正取引委員会や、中小企業における下請Gメンの大幅増員を行ったところであり、
取引適正化に向けた調査や執行を強化していく。
中小企業をめぐる取引適正化を政府が後押し、賃上げにつなげたい考えを強調した。
以下より。
この人の話には、いつも呆れてしまう。
自分の脳内が「異次元空間」を漂っているのではないかと思う。
続く話の前に、”下請Gメン”とは何だろう?
さらに、その前に、この人、日本の企業の99.7%が中小企業であり、
そこに雇用されている人は、
全雇用者の7割もいるということを知っているのだろうか?
大企業数は全体の0.3%で、雇用数は3割です!
こいつが、昨年年末に、物価上昇を超える賃上げをお願いしたいと言ったのは、
そんな話を政府からすること自体が狂っているとしか思えないが、
その要請の相手先は、現実的な話として、
企業数では0.3%、雇用数では3割の大企業に向かって言っている言葉にすぎない。
下請Gメンに話を戻します。
下請Gメンとは、中小&小規模事業者を中心とする下請の事業者をまわって、
親事業者との取引の問題点などについて、聞き取り調査を行う専門調査員のこと。
目的は、業界内の不適切な取引慣行などが明らかになった場合、
国や業界のルールに反映させるなど適正な取引に向ける取組をすること。
上のようなことは大いにやってもらいたいと思うけれど、
これによって、問題が一朝一夕に解決できるわけもなく、
下請Gメンの大幅増員が、今春の中小企業の賃上げに結びつくわけがないだろう!
要するに、
この人は根本的なことが
分かっていないのだ。
下請が多い中小企業が特殊例を除きなぜいつも貧しいのか?
元請(親企業)から搾取されているからで、
これは大昔からごく当たり前のこととして続いていることであって、
これを変えるには日本の経済態勢を政治の力で変えていかねばならないのだが、
これまで自民党政権者は、本格的には誰も取り組んでいない。
岸田が、
上のようなことを簡単に言ったところで、
ただの絵に描いた餅だ!
大企業は、自らがやると時間と労力が多く必要で、
人件費が高くなってしまうような手間のかかる仕事(作業)を下請に出す。
もちろん自分のところでやった場合にかかる金よりも、
大幅に低い金と短い時間の制約で・・・
或いは、大企業が受注した金額のたとえば6割くらいの金額で、
下請に丸投げする。
6割でも下請は、やっていけるのは、
元々人件費が安い、企業の諸々の維持費が大企業より小さいから。
しかし、利益は小さい。
それでも下請は存在するのは大企業のような受注力がないからだ。
とともに、大企業の下請を継続していることで対外的信用も得られる。
たとえば、
建設現場では「大企業建設」と「弱小建設」が、
組んで工事をしているケースが多い。
この場合、現場常駐の「大企業建設」の社員は現場所長くらいで、
実際に建設工事をするのは「弱小建設」とさらにその下の「無名建設」、
さらには、個人の職人・・・
「大企業建設」はぼろ儲け、以下、それぞれも一定の儲けはあるが、
下に行くほど儲けの割合はどんどん低くなっていく。
それでも、下請は生きていくために大企業の言うことを聞く。
言うことを聞かなければ切られてしまう。
こんな大昔からの慣行を、
下請Gメンの大幅増員で、
一朝一夕に解決できると思う頭は
アホとしか言いようがないよ。
或いは一時しのぎの口だけ答弁。
問題は他にも山積み状態!
こんなのが総理大臣やってたら日本は本当に壊れる。
早く何とかしなければね!