去年の終わり頃だったかな・・

定点が1を超えたので、

インフルエンザが流行域に入ったとテレビが騒ぎ始めました。

 

この類のニュースを聞くには、「定点の数字」の意味を知っておかないと、

コロナ同様にテレビに操られ、あたふたとすることになります。

 

「定点の数字」とは何を表すのか・・・

以下のことは、どこを見ても同じ内容のことが書いてありますので、

平易な言葉で書いてあるものを転載しました。

 

全国にはインフルエンザ患者数を報告する医療機関が、

5,000ヵ所(中略)存在します。

定点当たり報告数とは、

「このうち1つの医療機関が1週間で、何名のインフルエンザ患者を診療したか」

を表す数字です。

この数字が1以上ならその地域は流行域に入ったこととされ、

10以上なら注意報、30以上なら警報ということになっているわけです。

 

たとえば、5000ヵ所の医療機関のうち、ある県では50ヵ所だったとします。

50ヵ所の医療機関でインフルの診療したのが1週間合計で50人だったとすると、

その県の定点数値は50人÷50ヵ所で「1」ということです。

 

流行域突入って、まるでどうってことのない状況であることが分かると思います。

だって、1週間で1医療機関一人ですよ!

 

では、現在の状況はどうなのか見て行きましょう。

厚労省Press Release 2023.1.13

インフルエンザの発生状況について

https://www.mhlw.go.jp/content/001036675.pdf

 

上より転載。

令和 5年第 1週(令和5年1月2日から令和5年1月8日まで)分

のインフルエンザの発生状況を別紙のとおり取りまとめましたので、

お知らせいた します。

 

1月2日から8日までの定点当たりの報告の表を貼付しますが、

小さくて見えないでしょう・・・

なので定点当たりの数値の大きい県と小さい県、全国平均をまずは転載します。

 

北海道5.49、京都5.45、大阪8.26、愛媛7.39、福岡9.62、佐賀10.08、

長崎7.11、熊本5.46、大分5.14、宮崎12.37、鹿児島6.58、沖縄17.77

 

岩手1.70、宮城1.80、秋田1.20、山形0.77、福島2.66、栃木2.36、

新潟2.33、岐阜2.70、島根2.11、広島2.40

 

全県平均は4.73で、注意報(10以上)となるのは、佐賀、宮崎、沖縄県だけです。

 

(昨年同期0.01という数値は、まるで信頼性がない去年のインフル・・

こんなものは無視ですね)

 

定点当たりの数値が、1以上ならその地域は流行域に入ったことになり、

10以上なら注意報、30以上なら警報となるとのことですが、

これ、1医療機関当たり週間での数値ですよ!

これまでのインフル流行年流行時期では、

この数字が30(警報)を超えていたなんてざらにあったのではないかと思い、

上と同様の時期の週について過去値(2018-2019シーズン)を調べてみました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou_00006.html

 

・平成30年(2018)12月24日から平成30年12月30日まで

定点当たり報告数は 11.17となり、

前週の定点当たり報告数8.05より増加した

都道府県別では北海道(32.07)、愛知県(30.45)、岐阜県(20.33)、熊本県(14.53)

三重県(13.68)、福岡県(13.59)、長野県(12.78)、東京都(11.53)、

高知県(11.23)、神奈川県(11.21)、大阪府(11.01)、 長崎県(10.47)、

埼玉県(10.02)、滋賀県(9.98)の順となっている。

 

・平成30年(2018年)12月31日から平成31年(2019年)1月6日まで

2019 年第1週の定点当たり報告数は 16.30となり、

前週の定点当たり報告数 11.17 より増加した。

都道府県別では岐阜県(49.12)、愛知県(46.42)、北海道(33.57)、

高知県(30.10)、沖縄県(28.53)、 福岡県(25.33)、滋賀県(23.67)、

熊本県(21.96)、茨城県(20.65)、長崎県(19.40)、長野県(18.59)、

鹿児島県(18.15)、秋田県(17.75)、静岡県(17.66)の順となっている。

 

・平成31(2019年)1月7日から1月13日まで

2019 年第 2 週の定点当たり報告数は 38.54となり、

前週の定点当たり報告数 16.30 よ り増加した。

都道府県別では、愛知県(75.38)、熊本県(58.79)、岐阜県(53.94)、

鹿児島県(52.34)、静岡県(52.22)、福 岡県(51.87)、高知県(50.19)、

長崎県(48.66)、佐賀県(46.18)、宮崎県(44.43)、福井県(43.89)、

長野県 (43.87)、沖縄県(41.76)、埼玉県(41.33)、千葉県(41.33)、

三重県(40.15)、滋賀県(39.79)、茨城県(39.41) の順となっている。

 

 

今年の1月2日から8日の1週間、全国での定点は4.73でしたね。

 

2018-2019シーズンの同時期では、

2018年12月24日から12月30日の週で11.17、

2018年12月31日から2019年1月6日の週で16.30

2019年1月7日から13日の週で38.54なのです。

 

インフルが普通に流行るときって、こんなものです。

・・・こういうことを知っておかないと、

テレビの言う大変なことになるという煽りを真に受けて、

妥当な判断を出来なくなるわけです。

 

インフルが流行った過去のデータに比べ、

今年のインフルは、

まるで流行ってはいません。

少なくとも現段階では。