どうもです(^_^)v竜馬です

 

長らく応援いただきました

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運営会社・フォレストページさんのサービス終了に伴い

2024年8月27日を持ちまして閉鎖となってしまいました。

 

長くの応援、ありがとうございました_(_^_)_

なお今後は

後継のフォレストページ+さんにて

新しくアカウントを開設いたしておりまして

そちらで創作活動をしていきたいと思います。

 

引き続きご声援賜りますよう

よろしくお願いいたします_(_^_)_

 

飛鳥 竜馬 (ひちょう りょうま)

 

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ぜひぜひ、遊びにお越しください_(_^_)_ お待ちしております

 

ではまた

ごきげんよう(^_^)/

どうもです(^_^)v竜馬です

 

今日は2025年30日。

あと少しで年越しです。

 

喪中につきまして

年始のご挨拶は控えさせていただきます_(_^_)_

 

今年も僕・飛鳥竜馬はじめ

娘たちの夢乃龍姫、姫乃彩華

ご声援いただきまして

まことにありがとうございました龍ニコニコにっこり

 

妻の隅田川杏樹さんは無期限活動休止中看板持ち元気にしてまーす

 

来年ものんびり更新ですが

のんびり・ゆっくり・まったり

更新続けていきたいと思いますので

 

みなさん

飛鳥家、来年もよろしくお願いいたします

 

ニコニコ爆  笑ニコニコ

 

それでは

良いお年をお迎えください。

 

ごきげんよう(^_^)/

 

 

 

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ではまた

ごきげんよう(^_^)/

あなたの幸せな時間は?

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どうも(^_^)v竜馬です

 

 
そう言えば今月は
僕だけ更新で
龍姫も彩華も更新なかったなぁと‥
 
みなさん
良いお年をお迎えくださいね龍By龍姫
 
はいっ
みなさん、良いお年をーニコニコBy彩華
 
 
今年もイロイロありまして
なんといっても物価異常高騰がキツイ。
 
お米も玉子も
なにもかも高すぎて
物に見合わない価格帯ばかりになってしまってます。
 
このうえ
パソコンやスマホも
大幅値上げが噂されてますし
我が家もパソコン買い替えなきゃいけないのに
それが叶わなくなったというか
 
僕は目が悪いのでデスクトップでないと見辛いので
どんなに安くても20万円台はしますからね。
 
なんでこんなに生活必需品になってるのに
安くならないんだろう?と思っていたら
逆に値上げされてくってガーン
 
いつになった正気に戻るんだろう地球
 
戦争したがってみたり
各国内向きになって
あれだけSDGsだの多様性だのと怒鳴っていた世界が
いまや差別・排外主義にまみれてしまって。
 
不安ばかりの年越しで
来年の展望といっても
気持ちは重く暗いまま。
 
それでも
人は
政治が思っているようにおバカさんではないので
なにかがおかしいと
なにかが間違っていると
すでに思っている人、気づいている人
多くいらっしゃいますから
 
「この地球をなめるなよ!」By動物戦隊ジュウオウジャー
 
来年から反攻の年にしたいと思います。
 
さて。
 
年末ですが
あまり観たいと思う番組なくて
唯一、楽しみにしていたドラマ「火星の女王」も
最終回の第3話見逃すやっちまった泣
 
あとはそうだなぁ。
今年末は音楽特別番組もまったく見なかった。
明日のレコード大賞は観ようかなぁ。
 
レコ大、紅白
照明だとか、そういうところを見るのも好きなんです。
 
なので、観ようかなニコニコ年明けCDTVスペシャルも
 
少しずつ年末モードに気持ちもなってきたかな?って感じ。
 
今日は何の日
12月29日は「福の日」
質問は「あなたの幸せな時間は?」
 
幸せな時間はもう決まってます。
 
杏樹さんであったり
伝助はじめ
龍姫や彩華たちと過ごす時間や
 
妹ズとその子たち(姪っ子ズ・甥っ子ズ)
そして母
 
大切な人たち、家族と連絡取り合ったりすること。
 
来年こそは
いろんな大変にいまだ遭い続けている子たちが
おかしな人間に執着されて絡まれて
抜け出せないままでいる子たちが早く解放されて
自身の道を人生を歩んで欲しいと
 
この前、お参りに行きまして
しっかりお願いしてきました富士山
 
 
なにやらこの前も
そのおかしな上司は喚き散らして
みんなに大きな迷惑かけたとのこと。
 
上司であり親類というのが厄介で
法的な手段で排除できないものか
イロイロと思案しているところです。
 
縁切りというものを
切に願ってます。
 
京都の有名なところってありますよね?
御札貼ったりするする
有名なところ。
 
あそこにお参り行けたらいいのにな。
 
ホント、心から縁切りしたいです。
一生ではなく次の世もまた次の世も
もう2度関わり合いたくはない
僕の大切な人にも関わってほしくない。
 
そんな心の闇を吐きましてー照れ
 
幸せな時間。
ついさっき、Xでもポストしたんですけどね
バタバタ年末の忙しモードな僕たち夫婦。
 
少し疲れて横になりました。
 
なんとなく手をつないでふたり
横になって見上げた窓のカーテン越しに
夕方の柔らかい日差しが見えて。
 
家の前に木がありまして
そこから漏れる日差しが
さらにカーテン越しなので
とても柔らかい光なんです。
 
つないだ手のぬくもりと
柔らかい光に包まれて
それが幸せな時間。
 
心からそう思いました。
 
不安はたくさんあって
怒りもたくさん抱えて
 
だけど
 
世界はそんな悪くない。
そう思える瞬間を
木漏れ日とぬくもりに感じた。
 
そんな福の日です爆  笑ニコニコ
 
それでは
みなさん、今年もお付き合いくださいまして
本当にありがとうございました。
 
喪中ということで
新年のご挨拶はできませんが
 
どうか良いお年をお迎えください。
来年もまた、お付き合いのほど
よろしくお願いいたします_(_^_)_
 
ではまた
午年にー(^_^)/ごきげんよう
 

どうも(^_^)v竜馬です

 

 

3日間に分けまして

お送りしました「赤鼻のトナカイ」

無事、終了となりましたしましたトナカイ

 

ありがとうございました_(_^_)_

 

いかがでしたでしょうか?

コメント欄あけずに質問するヤツ

 

まさかのタイムリープものだったので

書いていた当時、イロイロ計算しながら

矛盾点が出ないように四苦八苦したのを

今もはっきり覚えています。

 

でも数字に苦手意識強くあるので

たいへんだったですガーン

 

超ハイテクおでん屋台を作ったつもりが

おでん屋台型タイムマシンを作っていた伝助。

 

悲しい最期を迎えるはずだった男性を救うため

同じく悲しい別れを迎えるはずだった

男性の娘とともに救い

クリスマスイブ、聖夜前日にふさわしい奇跡の夜にしましたという

そんなお話です。

 

甘いとか、時間の流れを変えては云々

確かにそうも思いますけど

そんな辛いことは現実世界の中だけでじゅうぶん。

 

せめて創作くらいは明るく楽しく

ハッピーエンドであってほしいと

そうでなくてはならないと

僕は思うんです。

 

お話の流れで悲しい結末を迎えもします。

でもそれは、懸命に生きた結果の運命だった。

そこで終わってしまうのが現実世界。

ここから少しだけ力を貸してあげることで

救われる可能性も出てくるのが創作の世界。

 

せっかく物語を書いているのですから

出来得る限りの多くの人が笑顔になってほしいと

読んでくださるみなさんもちろん

物語の中にいる人たちにも

その想いは強くあります。

 

さて。

 

ちくわ。

どっちから食べる?

どっちから覗く?何が見える?

 

どっちから食べても

どっちから覗いても

 

ただ美味しい

ただ楽しい

 

それが人生なんでしょう。

 

僕たちはつい

こうしなきゃ

ああしておかないと

右へ左へその時々に様々に

自分が決めつけてしまった選択の答えに

動揺し、焦り、落ち込み傷つき、逃げるうずくまる立ち止まる。

 

そうじゃない。

 

選択したのだから

右なら右左なら左

突き進まなければいけないなんてことなくて

間違ったと思えばやり直したらいい

引き返してやり直す

それが出来るのは生きている間なので。

 

当然、手に入らないものありますよね

やり直すに苦労もしたりするでしょう

許してもらえない、受け入れてもらえない

そういうことだってあるかもしれない。

 

だけど。

 

それでもやり直したいことがあるなら

やり直せばいいんです。

成るか成らないか

それはわからないことだけど

動くことはできますよね。

 

自分がそうしたいと思うのなら

そう行動すればいいと僕は考えます。

 

そうしたいと思いながら

そうしない

そうできない

それで人生いいんですか?と。

 

後悔ももちろんありましょう

後悔のない人生なんてそうそう持ち合わせていないのが人。

 

それがあるからこそ

 

自分がしたいことをしたらいいんだと

どっちから食べたって美味しいに決まってる

どっちから進んだって自分の人生なんだから

美味しいと思えるように

楽しいと思えるように

自分が望む方へ進む引き返す

動いたほうがいいですよと

そういう想いを込めています。

 

間違いはホント多くて

そこを間違えたからこの結果になってしまって

取り戻したいと思ってももう取り戻せやしないと

諦め、嘆き、うつむいていく。

 

確かにもう取り戻せないことはありますよ

悲しいけれど。

でも、取り戻せやしないとわかってはいるけども

取り戻せやしないことを取り戻そうとジタバタはできるんですよ。

 

ジタバタするかしないかでまた

大きく違ってくると考えます。

 

だったらさ竜馬よ

物語の中でもっとしっかり

意図を伝えたほうがいいんじゃない?

 

そう言われかもですキョロキョロ

ごめんなさい_(_^_)_

それはホント僕の力不足です。

 

もっとビシッと名言名台詞で

多くの人の心をゆさぶれるほどの力が

僕にからっきしないためショボーン

 

ただですね

あそこで伝助にダラダラと説明させるのも

違う気はしてます。

 

ですがそうであるならそうのように

もっと伝える力を身に着けなきゃなのは

本当だと反省してますえーん

 

[くよくよすんなよ、たった一度の人生さ]

[楽しくやろうぜ、生きたいように生きようぜ]

 

そうも言えるのだろうけど

こうも言わせてよかったのだけど

 

それはそれで

そんな気楽に言ってよいとは思えない性格なので

言葉を変え、想いを込め

ちくわのお話にしてみたり。

 

「赤鼻のトナカイ」

 

人の暮らしは様々な形。

他方からみればバカだと思われても

本人にはいろんな事情あってそれが

理不尽なものもあれば理解できることもあり

人だからね、仕方ないよねって

思うことだってあったりする。

 

それをただ拒絶するのは簡単だけど

理解するとまではいえないけど

聞く耳は、心は

持っていたいと思っています。

 

許す許さない

許される許されない

それはまたそれからの話。

 

悪即斬が必要なときもあれば

考えることだって必要なんだよと

いつも心の中に留め置いてます。

 

僕がとても好きな歌がありまして

音楽、大好きなんですけど

中でもこれは人生の中で出会えた大切な歌って作品

きっとみなさんも数曲あるかと思います。

 

そんな大切な曲のひとつ。

 

「Arcana」Myukさん

 

作詞・作曲

Guiano(ぐいあの)さん。

 

Myuk(ミューク)さんは「熊川みゆ」さんが名前。

ソロプロジェクトが立ち上がり

Myukさんという名義で活動開始。

 

Myuk(ミューク)という名前の意味は

スウェーデン語で

「やわらかい」「やさしい」「心地よい」

を、意味する「Mjuk (ミューク)」と

本名である「熊川みゆ (Miyu Kumagawa)」を重ねた

造語なのだそうですニコニコ

 

「旅の話をしよう」

そうはじまるこの歌は

旅‥人生を想います。

 

天才と凡人。

絵にしても音楽でも

物語を紡ぐも演じるも踊るもスポーツも勉強も

才能の差というのは絶対的に存在していて

 

努力である程度補うことは否定しません。

だけど埋められない差というものは確実にありまして

 

ついつい人は

人を羨んでみたり

嫉妬、僻みを抱いてみたり

貶める、虐めてしまう

 

誰かを傷つけ

誰かに傷つけられ

怒り、暴れ

後悔の果て、逃げる。

 

間違いだらけの

過ちだらけの

そんな人生をおくってしまうことだってある。

 

過ちをおかしていない

間違えていない

完ぺきな生き方ができている人なんて

僕は神様・仏様以外にはいないのだろうと思ってます。

 

僕だってエラそうなこと言えない

聖人君子じゃない

ただの愚かな人間です。

 

多くの人を傷つけて

多くに傷ついて

それでも生きたいと

困難から逃げて逃げて。

 

後悔することばかりの人生。

 

逃げることが悪いとは思いませんよ

自分の人生から逃げさえしなければ

なんどだって逃げていい

生きるフィールド変えていいと考えます。

 

でも、でもね

 

「生きていくなら過ちも間違いではないぜ」

 

歌がそう言ってくれます。

犯罪だとかそういうことではないですよ

この令和

言っておかないとわかんないって人もいたりするので。

 

人として

つい失敗してしまう

つい過ちをおかしてしまう

そういうことってあるものですよ。

 

でも生きるに

その過ちもけっして無駄ではないんだと

過ちだからこそ

そのまま無駄にしてしまえばホントに過ちのままで。

 

だからこそだからこそ

生きていくための力に変えましょうよと

 

過ちをしてしまったからこそわかる

正しさもあるものですよね。

 

間違えたから誰かに優しくできる

そういうことだってあるものですよ。

 

「生きていくなら過ちも間違いではないぜ」

 

そう言われたとき

許されたというのか

己が己にかけていた戒めから

解放されたというのか

とてもホッとした自分がいて。

 

「Arcana」を歌うMyukさんの声は

人生を歩き続ける僕たちへ差しだされる

コップの中に入った水だと感じます。

 

疲れた僕たちを潤してくれる

大切な力になってくれる歌です。

 

生きるために大切な声です。

 

この歌のように

傷つきながら逃げ惑いながら

生きている人たちが

 

「赤鼻のトナカイの」珠子さん親子のこれからを

幸せであるように

祈っていただけたらとても嬉しいです。

 

さて。

 

早く新しいお話を

書ければいいんだけど

やる気を出そうと思っても

持続力がないというか

集中力が乏しくなったと

とても感じる心筋梗塞後。

 

人にとって大切なエンジンだなぁって。

 

少しずつ少しずつ

準備してますけど

このペースでは書く前に命尽きてまうおばけくん

 

それでも願うのは

2026年はさらなるペースアップに挑みたいと思いますメラメラ

 

と、いうことで

イイワケだらけのあとがきでしたが

このあたりで_(_^_)_失礼

 

ごきげんよう(^_^)/おでん左おでん真ん中おでん右

 

総右衛門「いらっしゃいませ」

 

暖簾をくぐって男性がひとり座った。
 

伝助「いらっしゃい」


紺のジャンパー、くたびれたズボン‥ボロボロの運動靴。
ボストンバッグひとつに人生すべてが詰まっているような暮らしのおじさん。
 

男性「熱かんと大根、厚揚げ、じゃが芋と玉子‥もらおうかな」
 

伝助「へいっ」
 

テキパキと作業開始。
 

それからまた数十分‥男性も話しに加わり、片寄せあって飲んでいた。
 

男性の名は雄太郎。
日雇いの肉体労働を続けているが、老いてきたため仕事はほとんどなく
また、不況のせいで食うや食わずの日々をおくる。
 

今日は運よく仕事にありつけて、僅かでも給金を手にし

雪降る街を歩いていると
見かけた暖かそうな雰囲気の屋台。
その暖かそうな雰囲気に惹かれて入ってきたのだという。
 

珠子「へぇ、おじさんってさぁ、娘さんがいるんだぁ」
 

雄太郎「いいや‥いたといったほうが正しいかな」
 

伝助「どーゆーことでっか?」
 

雄太郎「うん‥」
 

声を飲み込む。
 

総右衛門「話せば楽になることもござりましょう。
飲み込むばかりが正解ではござりませぬ」
 

源左衛門「そうだな」
 

雄太郎は、そんな言葉に心もやわらいだのか‥ポツリポツリと語り始めた。


里に妻や娘を残して、出稼ぎに東京へ来たのがはじまりだった。
 

雄太郎「娘が生まれてきてから、いっそうに稼がなければなんねえで
オラは今までよりもなお、精を出して働いた‥来る日も来る日もの。
 

娘が学校さ行く年に近づいて、金も今まで以上にかかるようになって‥
仕事を増やせば帰ぇる日も延びる‥そんなことが続いてただども、
ようやく子供は学校さ上がった。
 

入学式にさえ出れなくてね‥子供のために働いてんだども、

その子供の成長をなしてこの目で見れねえんだ‥

そう思ったら、身体から力が抜けちまってな」
 

春になり、駅のホームで乗るはずだった帰りの列車を見送った。
それから‥金がかかるからと ずっと飲まずにガマンしていた酒を飲む。
久方ぶりにあおる酒‥だが、飲んでも浴びても酔うことは出来ず、
身体はどんどんと冷えていく。
 

冷え切った身体を引きずって街をさまよい、何ヶ月経っただろうか‥
温もりを求めて、夜に出会ったひとりの女性と深みに落ちる。
 

『あたしは子供が産めないから‥』寂しそうに笑う女性と
たとえ家族ゴッコだと人に後ろ指を差されても笑われても、
雄太郎はその温もりに満たされた。
 

数年後、その女性は雄太郎に看取られて幸せそうに息を引き取る。
以来、独りでねぐらを持たない浮き草生活。
 

仕事も無くなり、しわも白髪もうんと増え、
そろそろ人生の終焉も見えてきたと雄太郎は笑った。
 

雄太郎「そんでも‥今だってあの時、捨てちまった女房や娘を忘れたこともねえ。
オラに寄り添ってくれた女も忘れねえ‥
オラがバカだったから捨てちまった嫁こと わらしも、

オラをあったかく抱いてくれた女も
オラにしたら みんな 大事な家族だ」
 

珠子「家族? ハハハ‥じょーだんよしてよ」
 

珠子は、怒りもあらわに雄太郎に詰め寄る。
 

珠子「勝手にアンタが捨てて、よそに女作って‥何が忘れていないよ!
何がどっちも大事な家族よ!! 笑わせるんじゃないわよっ。
 

残された人の‥捨てられた人の気持ちなんて、

これっぽっちも考えてないじゃないっ。
 

そんなアンタが、家族だのなんだのと口にするんじゃないわよっ!」
 

雄太郎は球子の言葉を黙って聞いている。
 

源左衛門「許してくれよ、親父殿。
この子は過去に、父親から捨てられたことのある人だ。


湖の氷が解けるのを見ては今日帰るか、明日帰るかと喜び
花が咲くのを見るにつけて、帰ってきたらアレも言おう、コレも言いたいと‥
 

そんな春待つ日を何年も過ごすうち、
自身の身を温める春にも取り残されてしまった娘だ。
 

けっして、怒ってくれるな‥そして、この娘の気持ちもわかってやってほしい」
 

雄太郎はジッと黙ったまま。
 

総右衛門「ささ、娘御‥水でも飲まれよ」
 

泣いてる珠子にハンカチをわたし、水を飲ませて落ち着かせる。

 

伝助「酔っとるのもあるさかい、堪忍でっせ」
 

雄太郎「んんん、腹なんぞたててねぇ。

んだな‥オラが家族だなんのと口にすんのも、おこがかましいってもんだ。
なんの非もねえ、嫁こと わらしを捨てて
別の女のとこさ行っちまった勝手な男なんだからな

 

娘さん‥堪忍してくれの。
ただ‥オラの気持ちに偽りはねえんだ。
女が亡くなって、何度故郷に帰ぇろうかとも思っただ‥だとも、帰ぇれなかった。
 

あわせる顔がどこにある‥そんなの、イヤになるほどわかってたんだ。
なのにムクドリは、はぐれちまって帰ぇる場所を見失なっちまった‥
オラが臆病なのもあったんだろうな。
臆病でバカで‥どうしようもねえ男だ」
 

フッと悲しげに笑った。
 

雄太郎「娘さん‥アンタに言われて

なんだかオラの娘に叱られてるような気になっただ」
 

立ち上がり、ペコリとうつむいたままの珠子に頭を下げる。
 

雄太郎「騒がせちまっただな‥いくらになるべか?」
 

伝助「お代は、ええですよ」


雄太郎「それはいけねえだ‥騒がせて、イヤな思いもさせて‥
ごちそうにまでなるなんて。
払わせてもらわにゃ」
 

伝助「そうでっか‥うーん‥そやな‥ほな、500円ばかし いただきまひょか」
 

雄太郎「そんなに安く?」


源左衛門「それでいい‥親父殿、今夜は楽しかった。また会おう」
 

雄太郎「また‥か…そだな、また会えたら嬉しいな」
 

そう笑って500円玉を置くと、ボストンバッグを担いで外に出ようとする。
 

伝助「おっちゃん‥最後にひとつだけなんやけど」
 

雄太郎「ん? なんだい」
 

伝助「おっちゃん、今からでも遅ぉないと僕は思うんやけど‥」
 

雄太郎「何がだい」
 

伝助「おっちゃんの娘さん、きっとどこかで

元気に暮らしてはるんやと思うんです。
 

その娘さんにおうて、しっかりと謝って
やり直したらどないなんかなぁと思いますんや」
 

雄太郎「やり直すね‥ハハハ‥

こんなバカな老いぼれが突然会いに行ったって
迷惑かけるだけだよ。
 

身勝手な気持ちから、大切な娘を捨てる親なんて‥どこをどうしたって
やり直しなんかできないよ」
 

伝助「そうなんやろか?
あんな、このおでんの中にも入っとる竹輪のことなんやけどな‥
ちくわ‥おっちゃんは、どっち側から食べます?」
 

雄太郎「どっちからって‥」
 

伝助「右からですか? それとも左からですやろか?」
 

雄太郎「うーん‥」
 

伝助「答えはでんな‥
竹輪はどっちから食べても同じなんですわ♪」

 

雄太郎「そりゃそうだけども」

 

伝助「どっちから覗いてもなんも変わらへんし
どっちから食べても美味しいことに変わりはありしまへん。


せやから、大切なんは美味しいか美味しゅうないかやと思うんですわ。
 

それとおんなじで、大切なことは‥人生っちゅーもんを歩くのは、
たとえ はぐれてしもても、遠回りしても
どっちゃから進んでも変わらへんのとちゃいますやろか。

 

右から行こうが左から行こうが、そんなもん関係ない。

楽しいか楽しないか‥楽しいを見つけるのが大切なんやさかい

遠回りしてもどっちからむかったところで、かまやしまへんのや。

 

最後に美味しいへ、たどり着く先は楽しい、幸せ。

おっちゃんの人生、やり直しはきっと出来ると思いまっせ」
 

雄太郎「パンダくん‥」


伝助「伝助でおます」


雄太郎は、深々と頭を下げた。
 

伝助「夜も更けてますよってに、あんじょう気ぃつけてお帰りなはれや」
 

雄太郎「ありがとう‥娘がよく、とうちゃんの鼻は赤いから
赤鼻のトナカイさんだと笑ってくれたんですよ‥
ほんとに赤鼻のトナカイなら‥自分の足下をしっかり照らして
迷わずに歩けたのかもしんないね」
 

総右衛門「もし‥娘御のお名前はなんと申される?」
 

雄太郎「娘は‥珠のように美しく、大切に育ってくれとの想いさ込めて珠子‥
珠子と言いますだ」
 

そういって屋台を出る。
 

源左衛門「親父殿‥車に気をつけられよ。雪深い夜だ」
 

雄太郎は、源左衛門たちの言葉を背中に聞きながら歩き出した。
珠子はゆっくりと顔を上げた。
 

珠子「え?」


青森が故郷‥ムクドリと笑う出稼ぎの人‥娘がいて…名を珠子‥
父を赤鼻のトナカイだと笑う。
 

珠子「そんな‥でもっ」
 

総右衛門はラジオのボリュームを少し上げた。
 

DJ「さぁ、もうすぐクリスマス。
イブの夜をリスナーのみんなとすごした時間も、残りいよいよ2曲です。
放送がすんだら みんな、ちゃーんと寝てくださいね。
あんまり夜更かししていると、サンタさんが来てくれないかも‥」
 

珠子「イブの夜?」
 

伝助「今夜は12月24日‥クリスマスイブでんがな。
 

さっきも言いましたやろ?
竹輪はどっちから食べてもおんなじで、
どっちから覗いてもなんも変わらへんし
どっちから食べても美味しいことに変わりまへん。


はぐれてしもても、遠回りしたとしても‥見失ったとしても
どっちから食べても進んでも、なーんも変わりまへんよって。

 

美味しいを、楽しいを、幸せを感じたらええんどす。
まだまだ、やり直しは出来まっせ」
 

ニッコリ笑う伝助と、微笑む総右衛門、源左衛門。
 

珠子「それじゃあ‥今‥今の人…」
 

伝助「今度は はぐれてしまわんように、しっかりと掴まえててやりなはれ」
 

総右衛門「母上殿の墓前にも行きなされよ」
 

源左衛門「急げ‥時間がない」
 

ラジオから聞こえる『まもなく23時49分』の声。
珠子は、上着も着ずバッグも忘れて走り出した。

都内
 

雪が降っている‥ホワイトクリスマス・イヴ。
酒に酔っているのか、千鳥足で歩いていた男性‥雄太郎
歩きながら、ポケットから取り出す写真とハガキ。
 

色あせた写真に、薄汚れたハガキ。
写真にはリンゴのほっぺの幼い珠子。
 

ハガキには『げんきで はやく かえってきてね』と書いてある。
 

雄太郎「珠子‥ごめんな…」
 

後ろから『お父さん!!』と誰かの声が聞こえ、振り向こうとしたそのとき
冷たい風に吹かれて、手にしていた写真が舞い上がる。
 

『あっ』雄太郎は慌てて写真を取りに車道へ‥そこに1台の車が走ってきた‥
 

鳴り響くクラクション。
 

珠子「お父さぁぁぁんっ!!」
 

泣き叫ぶ珠子の横を駆け抜けて、雄太郎の横も走り去って‥
おでんの屋台が超特急で現れる。
 

キキーッ‥急ブレーキの音が響き
『バカやろう! 死にてぇのか』の怒鳴り声へ


『じゃかぁしんじゃいワレェっ、己も助かっとんのじゃっ

わかっとんのか、このアホンダラのボケナスのハゲぇぇぇ!!』と
鬼気迫る伝助の声が轟き、慌てて逃げ出す車。
 

そして‥
 

伝助「メリークリスマスやあぁぁぁ☆幸せな時をあなたに♪」
 

明るい声が聞こえたかと思うと
伝助が屋根に乗り、総右衛門と源左衛門が引く屋台は
空へと舞い上がって‥
『石やぁぁぁきぃぃ芋ぉぉぉ!お芋っ!!

焼きとぉぉもろこしぃぃ♪おでんもあるよっ☆』と
楽しく騒々しい声と、ほうき星のような きらめきを残して去っていった。
 

あとには‥雪降る街角に雄太郎を抱きしめて泣く珠子の姿があり、
戸惑いながらも‥すべてを悟った雄太郎の姿があった。
 

その横に、ちょこんと珠子の上着とバッグと
愉快なおでん屋にわたした雄太郎の500円玉が置かれていた。

都内・12月25日・21時00分
 

街を見下ろす丘の上。
 

伝助「ただいまっと♪」
 

総右衛門「帰ってきたのはようござりましたが、
街ではなく丘の上に来てしまいました」
 

源左衛門「まだまだ調整不足といったところだな。

まぁいいさ‥しかし今回は慌てたな。

 

伝助が突然目覚めた趣味のおでん作りで、
味を追求するためにハイスペック屋台を開発し、
雰囲気も勉強しようと街角にだしてみたら、
 

そこに訪れた雄太郎さんが帰りの道で事故に遭い
医者に連れて行こうとしたら誤って猛ダッシュ、
 

しかも瀕死の雄太郎さんは途中で屋台から離れてしまって元の道路に倒れ
俺たちはそのまま勢いあまって時間までさかのぼってしまうとは」

 

総右衛門「そのおかげで娘御の珠子殿を寝ているすきにタイムワープさせ

無事、雄太郎殿をお救いいたすことができましてござりまする」

 

源左衛門「そうだな、結果的に珠子も救えてなによりだ」


伝助「まぁクリスマスやし、奇跡的な夜があってもええんとちゃう?」
 

源左衛門「フッ‥そうだな。
奇跡の夜というのは悪くない」
 

伝助「せやけど、まだ1日程度の時間移動やけど
これもっと開発したら時間旅行も出来るかも」
 

総右衛門「若、屋台から白煙やら黒煙やら出ておりまするが」
 

伝助「なんやてっ!? パンダ煙やてっ!?」
 

屋台をチェック。
 

伝助「アカン‥モーターがオシャカになっとる。
電気系統がアウトや。
しゃあないな‥また作り直して、いつかはタイムマシンを完成させたるっ」
 

源左衛門「おでん屋台を作るという目的から、タイムマシンを作るに変わったな」
 

伝助「夢はでっかく、心もでっかくや♪」
 

源左衛門「しかし、ハイパー屋台のおかげで時間移動という経験もできたし、
それに、ここから見る夜景は、まるでクリスマスツリーのようだ」
 

総右衛門「おおっ、まことにござりまする」
 

伝助「ホンマやぁ♪」
 

輝く夜景をしばし眺め‥
 

伝助「そうやっ!」
 

伝助はスマホを取り出してどこかへかける。
 

伝助「あっ、もしもし? 僕やけど

今な、夜景がやけに綺麗な丘の上に来てますねん。
 

せっかくやから、みんなを誘ぉてこっちに来ぃひん?
おでんが ぎょーさんあるよって楽しいと思うんやわぁ
 

あと、おはぎもおにぎりも石焼芋も焼きとうもろこしもありますねん。
そうそうそうそう

夜景がやけにヤケになってもまうくらい綺麗な丘の上やさかい
みんなでパァッとクリスマスおでんパーティーしまひょ♪」
 

総右衛門「夜景がやけに綺麗でヤケになるとは‥」
 

伝助「うん‥ケーキとシャンメリーだけ持ってきてな。
待っとるよ♪」
スマホを切る。


伝助「15分くらいでみんな来るって」
 

総右衛門「さようにござりまするか‥ならば」
 

源左衛門「おでんの追加の仕込みを大至急終わらせるか」
 

屋台に戻って作業を始める伝総源の3人。
 

クリスマス‥誰にも幸せが訪れる日。
ついてない、寂しい、苦しいも辛いもあるけれど

 

少しの間だけでも

恵まれてないと嘆かず、うつむかず

夜空を見上げてみたらいかがでしょうか。
 

誰しもが祈りを捧げる聖夜。
赤い鼻のトナカイに引かれたソリに乗って、
サンタクロースが忙しそうにしているのがみえるかもですよ。
 

すべての命に幸せを
すべての命に優しさを
すべての命に愛を
 

それが、サンタクロースの願いであり、プレゼントですから。
 

今宵、貴女に‥貴方に、幸せがもたらされ、優しさに満ちますように。
今宵、すべての命が、愛で満たされますように。
 

貴女の、貴方の

愛で自分を誰かを満たしてください。


誰だって、誰かのサンタクロースなのですから。
 

メリークリスマス☆
ハッピークリスマス☆

「赤鼻のトナカイ」完
 

都内
 

街から少し離れた道。
住宅街といってもいいこの辺りは、街中とは打って変わって静かな空間だ。
そう‥とっても静かなところで
 

『石やぁぁぁきぃぃ芋ぉぉぉ!お芋っ!!

焼きとぉぉもろこしぃぃ♪おでんもあるよっ☆』


珠子「そうそう、静かに轟音な石焼芋‥って、えええっ!?」

こんなところに屋台の
 

珠子「おでん屋だ」
 

石焼き芋、焼きとうもろこし‥おでんもあるよとは言ってたけど
 

珠子「けっきよく、おでん屋台じゃない」


ずいぶん、不思議な屋台だと思いながら、素通りしようとも思ったが
身体も冷え切っていたし、帰ってから食事のしたくも面倒だった。
 

珠子「ここで食べてこうかな‥」
 

どうせ明日は早いのだ

父であろう人の亡骸を身元確認のために
警察署を訪れなくてはならない。
 

顔もおぼえていない人の身元確認って‥気が重いだけ。
なにか やる気も出ない珠子は、おでんをつまみに酒でも飲もうかと

屋台の暖簾をくぐる。
 

『いらっしゃいませ』
 

珠子「あら‥」
 

思わず声が出た。
てっきり、おじさんの野太い声で『いらっしゃい』なんて言われると思ったのに
意外にも‥犬っ!?

次に聞こえた『まいどっ』とは

小さなパンダみたいな子が言っていた。
 

珠子「気のせいかな‥ま、犬が喋るわけないか」
 

そのパンダみたいな子の後ろで
 

珠子「ウサギだ」


なぜか、ウサギがおでんのタネの仕込みをしていた。
 

主のパンダっ子は『まぁまぁ、お座りやす』と言った。
 

珠子は座り
 

珠子「えっと‥熱かん1本‥あとはね」
 

『すんまへん‥お酒は置いてへんのどす』
 

珠子は『えっ!?』と驚く。
パンダっ子はそう言った。
おでん屋に酒がないって
 

珠子「うそ‥珍しいわね」
 

『そんなことありまへんよ

北九州・小倉のおでん屋台には、お酒は置いてなかですたい。
そん代わり、あんこ・きな粉のおはぎとおにぎりが置いとるたいっ。
お酒の代わりに、お茶でよろしゅうおまっか?』
関西弁ベースで怪しい九州弁を喋る子だった。
 

珠子「そ、そうなんだ‥残念だな‥今夜は飲みたい気分だったのに」
 

そう言うと、ちっちゃな子は瞳をきらりんっ☆とさせて
『ほやったらしゃあないでんな‥よろしゅうおま、特別にお出ししまひょ』と
一升瓶を数本‥デーンっ♪
 

珠子「あるんじゃんっ!!」
 

と、思わずツッコミを入れてしまう。
横で犬がクスクスと笑っていた。
ちっちゃなパンダっ子はニヤリと不敵に笑って酒をコップに注いで暖めて
テキパキとした動作はしている。
 

『はい、熱かんでおまっ』
 

珠子「ありがと。えっとね…大根、コンニャク、玉子に厚揚げ‥」
 

『うちは関西風やよって、牛スジはありまっけど、ちくわぶはおまへんよ。
せやけど、ちくわはあります』と
パンダっ子はきらりん☆とした目で言う。


珠子「う、うん‥ホラ、コンビニおでんで牛スジはもうこっちでもポピュラーだし」
 

『ポピュラーでスリラーなゴリラさんはボイラーでフリーター。

それにつけてもドビュッシーさんの月の光はよろしゅうおますな』

 

パンダっ子は不敵に微笑みながら

大根、コンニャク、玉子、厚揚げを皿に取り出した。


珠子「え、えっと‥その‥あ、あと牛スジとちくわをもらおうかな」
 

さらに牛スジ、ちくわ、じゃが芋‥お皿に盛ると

 

『お姉さん、べっぴんさんよってサービスしときまっ』

 

珠子「あ、ありがとう」


『からしは前に置いてまっさかい』とパンダっ子。


からしを少しとって、コンニャクにつけて食べる。
 

珠子「熱、熱っ‥美味ひぃ」
 

そして、熱かんを一口のみ‥またまたおでんを食べては酒を飲む。
雪は‥少し強く降っていた。
 

どれくらい時間が過ぎただろう‥30分といったところか。
ハイピッチで熱かんを3杯飲み終える頃には、珠子はすっかり酔っていた。
4杯目はもう冷で飲んでいる。


『ほーん‥そうでっか‥ほしたら、おねえさんは青森の人でっかいな。
いやぁ、奇遇やわぁ』


すっかり酔った珠子の相手をしているパンダっ子。
 

珠子「そこのパンダ‥の、ぬいぐるもみたいな店主さん‥

名前はなんてゆーの?」
 

『通りすがりのおでん屋の可愛いイケメンパンダでええですよ』
 

珠子「パンダ? やっぱりキミはパンダなんかい?

ぬいぐるみなんかい?」
 

『い、いえ‥パンダによく似てるって言われるのでござりまする‥若は』

と、言っているのは犬(ぬいぐるみ)


もう酔っ払っているので、犬が喋ろうがどうってことない。
 

珠子「そうなんだぁ♪へんなのぉ」
 

『へんやおまへんよ。

パンダも喋れば犬も喋りまっ、

ぬいぐみなんか喋りまくりでんがな』

 

ケラケラ笑う珠子。


『それに僕は百獣の王・パンダによぉ似て

プリティーでキュートでイケメンでっさかい』


珠子はさらにケラケラと笑い
 

珠子「そっかそっかぁ♪

プリティーでキュートでイケメンのパンダ似の子なんかぁ。
 

それで、奇遇やわぁってパンダくんも青森かい」


ちっちゃなパンダっ子は『あっ、大阪です』と。
 

珠子「奇遇でもなんでもないじゃんっ」
 

手をクイっと下げて、またケラケラ。
 

『僕は伝助ってゆーんにゃわ。こっちは総右衛門、こっちは源左衛門』

パンダのぬいぐみが伝助

犬のぬいぐるみが総右衛門

兎のぬいぐみが源左衛門

 

珠子「伝助くんに、ワンちゃんの総右衛門、うさぴょんの源左衛門ね。

わたしは珠子っ、珠子ってゆーの」


自己紹介しながら冷酒をあおって
 

珠子「ねえねえ、もう1杯‥冷でいいよぉ」
 

源左衛門は優しい微笑でコップに酒を注ぐ。
 

珠子「えっと‥玉子と厚揚げと大根‥牛すじもらおっかなぁ」
 

源左衛門「んっ」
 

皿に温かなおでんが湯気を出して乗っている。


源左衛門「よく降るな」
 

珠子「ホントだね…」
 

犬も喋れば、そりゃウサギも喋るさともう珠子は驚かない。
 

珠子「でもね…私のふるさとはもっともっと雪深くてさぁ‥
寒さが痛いって感じるとこだった」
 

冬になれば雪は村を閉じ込め、仕事をしようにも仕事は無い。
畑も凍り、スキもクワもはね返す大地。
 

男たちは皆、冬が近づくと里へ降り‥東京や名古屋へと出稼ぎに行く。
そして、春になるとまた山の中の村へと帰ってくる。
 

珠子「なんかね…それをよく例えて言ってたんだけど‥なんだったかなぁ‥
鳥の名前だったんだけど」
 

伝助「コウノトリ」
 

総右衛門「違いまするっ」
 

伝助「ダチョウ」
 

総右衛門「いやいや、それもっ」
 

伝助「ヤンバルクイナ」
 

総右衛門「かなり違いまするぞ、若っ」
 

伝助「ドードー鳥」
 

総右衛門「1500年代に生き、1681年にイギリス人に目撃されたのを最後に
絶滅してしまった鳥ではござりませぬっ」

源左衛門「ムクドリ‥か」
 

珠子「あっ‥そうそう、それそれ」
 

源左衛門「昔、どこかで聞いた覚えがある。
冬になると山を越えて里へ降り、春になるとまた山を越えて戻ってくる
ムクドリの渡りを、出稼ぎに出る男集に見立てて言ったと」
 

珠子「冬になると村から男の人がいなくなる‥

厳しい冬の間、女が必死な思いで
家さ守って、父ちゃんや兄ちゃんが帰ぇって来んのを待ってるんだ。
ただひたすらに耐えて耐えて‥待ち続けての」
 

鼻が赤くなり、グシュグシュとすする珠子。
 

伝助「ほんで、おねえさんのおとんもドードー鳥やったんか」
 

珠子「そんだ‥ドードー鳥だったなや」
 

総右衛門「これこれ娘御、ドードー鳥は絶滅しておりまする。
ムクドリでござろう」
 

珠子「え? あぁ‥そんなのどっちでもいいわよ‥
ムクドリもドードー鳥もマダガスカル島もおんなじよぉ」
 

ケラケラ笑う。
 

源左衛門「鳥と島は完全に違うがな」
 

伝助「字はよぉ似てて、おしいんやけどな」
 

総右衛門「して、ご両親は‥青森に?」
 

珠子「ん‥うん…おかあさんはね…3年前に死んじゃったよ」
 

酒を飲む…
 

珠子「おとうさんは‥んー‥おとうさんって言えんのかなぁ…
20年前にいなくなっちゃってさぁ‥

そしたらクリスマスイブの夜に死んだんだってさ。
 

交通事故‥顔もハッキリ覚えてないのにさぁ、明日の朝一番に身元確認よ…
死んじゃった人にあって、いったいどーしろっていうのよ‥ねぇ?
ったく、じょーだんらないわよぉぉ」
 

コップの冷酒をあおり、
 

珠子「おかわり」
 

源左衛門「そんなに飲んでだいじょうぶか? 飲みたい夜もあろうが」
 

珠子「そーよ‥今夜は飲みたい気分なのよ…だからもう1杯っ」
 

源左衛門「‥そうか」
 

酒を注ぐ。
 

総右衛門「ささ、食べられよ」
 

おでんを数種類お皿に盛って出す。
 

伝助「当店からのサービスだすっ」


珠子「ありがとー♪」
 

ちくわ・大根・牛すじが入っている。

大根を箸で割ると、スッと割れてひと口

味かしみてて、何度食べても美味しい。
なにより、身体があたたまる‥凍えかけていた心まで温まれそうだった。
 

伝助「で、おねえさん。おとんやおかんとの思い出はないんでっか?」
 

珠子「えー‥聞くっ!? それを私に聞くっ!? 聞きたがりさんだねぇ‥ヒック…
おかあさんとはね‥けんか別れみたいなもんで、
病気になって入院したって知らせは来たけど‥ろくに見舞いも行かないまま
あっという間に死んじゃった。


さむーい台所で、帰ってくるはずない おとうさんをいつまでも待っている‥
今はもう、そんな姿しか覚えてないなぁ」
 

酒を飲み、大根を食べる。
 

珠子「おとうさんは‥そうだなぁ‥なんにも覚えてないや」
 

『なんにも』寂しげな表情で珠子は言った。
 

伝助「なんにもか? ほんまに? ほんまのほんまに、なんにも覚えていぃひんの?」
 

珠子「そぉよ‥なーんにもっ」
 

伝助「そりゃないわぁ‥そんなことあらへんと思いまっせ。
よぉっと思い出しなはれっ」
 

珠子「うーん‥」
 

しばしの沈黙。
 

総右衛門「おお、ラジオでも聞きましょうか」
 

スイッチを入れるとラジオから流れてくるクリスマスソング‥
『赤鼻のトナカイ』だった。
 

珠子「真っ赤なお鼻の‥トナカイさんは…赤鼻のトナカイだぁ♪
この歌、大好きだったんだぁ‥」
 

伝助「なんで?」
 

珠子「え?」
 

伝助「いやいや、なんでこの歌が好きやったん?」
 

珠子「なんでって‥なんでかな?」
 

しばらく考え込んでいた。
 

珠子「あっ…」
 

『おとうしゃんのお鼻、赤いもん♪』
 

たくさん土産が入った袋を背負って帰ってくる父に珠子はよく言っていた。
『季節はずれだけど、サンタさんじゃねえのか?』かと訪ねる父に
珠子は笑顔でそう言っていた。
 

赤鼻のトナカイさんは、来年の春になるとまた

鼻をすすりながら帰ってくるだろう。
 

帰ってくると疑いもしていなかったあの頃。
 

珠子は、そんなトナカイさんに、
『げんきで はやく かえってきてね』と‥いちばんほしいプレゼントを頼んでいた。
 

珠子「そうだ‥赤鼻のトナカイさんはおとうさんだったから‥」
 

源左衛門「コップ‥空だぞ」
 

珠子が差し出すコップに酒を注ぐ。
忘れていた…今の今まで、そんなことは忘れていたが‥
 

珠子「結局、帰ってこなくなったトナカイなんて‥」
 

と、また心を凍らせる。
 

伝助「トナカイさんも、道に迷ぉてしもたんやな」

 

雪は深々と降っていた。

 

 



『まっかな おはなのぉ、トナカイしゃんはぁ‥』


可愛らしい女の子の歌声が弾む。
白い肌にリンゴのようなほっぺたの、可愛らしい女の子。

今年、小学校に入学したばかり。
青森県の山奥の村、雪深い村にその子は住んでいた。
父へ手紙を書いている。
 

父はよく『まるでムクドリ』‥そう笑っては、疲れた笑顔を見せる。
冬になると山を越えて里に降り、春になると山へ帰ってくるムクドリ。
この子の父も冬が近づく季節に東京へ出稼ぎに行き、
春になり桜が咲く頃に村へ帰ってくる。
そんな生活はもう何年も続いていた。
寒さのせいか‥家族に会える嬉しさに堪えきれず涙が出るせいか…

赤い鼻のお父さん。
 

たくさん土産が入った袋を背負って帰ってくる。
季節はずれのサンタかと思えば、娘はそんな父を赤鼻のトナカイさんだという。
なぜだろう?‥父が訪ねると、ニッコリ笑って
『おとうしゃんのお鼻、赤いもん♪』と言った。
 

赤鼻のトナカイさんは、来年の春になるとまた

鼻をすすりながら帰ってくるだろう。
そんなトナカイさんに

『げんきで はやく かえってきてね』とプレゼントを頼んだ。

20年後

12月24日・23時50分

都内


雪が降っている‥ホワイトクリスマス・イヴ。
おでん屋の屋台から出てきた男性‥酒に酔っているのか、千鳥足で歩いていた。
しばらく歩くと交差点‥冷たい風に吹かれて、手にしていた写真が舞い上がる。
 

『あっ』男性は慌てて写真を取りに車道へ‥

そこに1台の車が走ってきて‥
鈍い衝撃音が辺りに響き、男性は血まみれで路上に倒れていた。
力が急速に抜けていく身体を動かし、落ちていた写真を握りしめると、
男性は仰向けになり雪の空を見つめた後

涙がひとすじ流れた目を、ゆっくりと閉じた。

12月25日

都内


ガタンゴトン、ガタンゴトン‥走る列車の振動。
帰宅ラッシュのすし詰め車両。
 

夕暮れのクリスマス‥街の風景が流れる中、
幸運にも座れた彼女は、いつのまにかコクリコクリと うたた寝をしていた。
 

座れた幸運と、過去からの不幸と‥慌ただしい1日だった。
年末の忙しい時期だというのに不満だけが胸に積もる。


それは、今日の昼になってのことだった。
 

都内の食品会社に勤めている彼女へ、1本の電話が入る‥警察から。
 

『もしもし、そちらに相田 珠子さんという方はいらっしゃいませんか?』
 

昨日深夜、交通事故で男性が亡くなったという。
持っていた荷物から判明したが

もとは青森県のとある村に居を構えていた人物らしい。
 

20年ほど前に行方知れずになった父ではないかと

身元確認に来てほしいとの連絡だった。
 

『とりあえず‥明日、朝一番にうかがいます』
 

体調も優れなくてと誤魔化して、そう伝えると受話器を置いたが
気が重い

今さら父に会ってどうなるのだろう。
ほんとに父なのだろうか‥

会ったとしても、見たとしても顔なんか覚えていやしない。
 

交通事故で死んでしまった、父とおぼしき人に対面して、なんの意味があるのか。
物言わぬ冷たい身体となった父に、

恨み言のひとつも言っても聞こえるはずもないし
それは虚しさばかりが残るだろう。
 

かといって、涙の対面をしたとしても‥

やはりもう動くことない魂の抜け殻と
どんな思い出を作れというのか。
 

珠子にとって、どちらにせよ無意味

父は自分を捨てたのだから。
そんな思いが胸につっかえていた。
 

『次は‥』

 

球子の降りる駅の名を告げるアナウンスが聞こえ、ハッと目を覚ます珠子。
ホームに列車が滑り込み、停車するとドアが開く。
満員の人ごみをかきわけ列車を降りて溜息ひとつ

珠子は改札を抜けて歩き出した。

街中
 

イヴと変わらぬ街のにぎやかさが、球子の心をいっそう重くさせる。
少し疲れ気味のサンタはティッシュを配っているし
ケーキ店は色鮮やかに輝いていた。
 

そんな街をあてもなく歩き、ホット缶のミルクティーを自販機で買うと‥
少し離れた場所に公園が見えた。

公園
珠子はベンチに腰を下ろした。
買ったばかりの暖かいミルクティー缶のプルトップを開け、ひと口。
 

『ふぅ』

 

また、溜息ひとつ。
 

珠子と父の思い出‥思い出って…


珠子「なーんにも覚えてないや」
 

覚えているのは、冷え切った台所で泣いていた母の姿だけ。
父が帰ってこなくなった年からその光景は続いていたっけ‥
そんな母も、3年前に病気がもとで永遠の眠りについた。
 

就職で上京していた珠子は母の葬儀を済ませると、青森の小さな家を売り払う。
母は冷えた台所で、入院するがするまで父の帰りを待っていたのだろう。
 

正直、そんな母が疎ましかった。
『私たちを捨てて、お母さんを裏切ったヤツをどうして待つの?』
そんな疑問をあけすけにぶつけて、母を泣かしたこともある。
 

珠子「あれは‥東京に出る何日か前のことだったなぁ」
 

今でも、あの時の泣き顔の母を思いだすと胸が苦しくなる。
父はどうして家を、私や母を捨てたんだろう

そして、この東京でひっそりと暮らし‥


珠子「死んじゃったんだって」
 

公園にある時計を見ると、19時40分と表示されていた。
今年の25日、クリスマスもあと少し。
冷えた身体に温いミルクティーを流し込み、珠子は冬の夜空を見ていた。
 

遠くで聞こえる石焼芋の売り声。
 

珠子はその声を聞いているうちに、つい‥ウトウトとしてしまった。
 

『ちょっと、ちょっとって! 起きなはれ‥起きなはれなっ
お味噌汁が冷めてまいますよぉぉぉ!!』
 

珠子「うるさいわねっ、私は朝はパンとコーヒーなのっ‥誰よ!?」
 

怪訝な目覚めの珠子だったが‥
 

珠子「あっ‥そうか‥公園だったっけ。
 

夢‥だったんだ、あのうるさい声…私、いつの間にか寝てた‥」
 

時計を見ると20時を少し回ったところ。
 

珠子「‥20分くらい‥寝てたんだ」
 

疲れてたんだな‥少しボーとする頭を軽く抑えていたら、
 

珠子「あっ‥雪…」


昨日、24日に降って

今日、25日は降らないと朝の天気予報でやっていたのだが
 

珠子「ハズレだね、今夜も降りだしたよ」


暗い空からハラハラと舞い降りる白い雪は、故郷を思い出させて

ちょっと嫌い。
寒くて、少し身震いすると、持ち物がなくなってやしないか点検してみる。
幸い、バッグの中身は無事で

ミルクティーの缶が冷え切っていたぐらいの変化。
 

けれど…
 

珠子「ん? なに‥これ?」


コートのポケットの中に違和感。

手を入れてみるとなにやら
小さいとても綺麗な白色のリボンがかかった、

どこか可愛い黒色のメッセージカード。
 

珠子「これ‥忘れ物‥とかじゃ、ないよね」

 

だいたい、人のコートのポケットの中に

入れたものを忘れものとは言わないだろうし
隣に人が座っていた風でもない、座る前にはこんなものはなかった。
 

すると、スルッとリボンがほどける。
 

珠子「あっ」
 

内心、少し焦る。
人の物だったらどうしよう‥心配になるものの、好奇心もあった。
そっとカードを開けてみる。


珠子「これって」
 

メッセージカードには
『めりーくりすますっ☆幸せな時をあなたに♪』と書かれている。
 

珠子「幸せなとき‥ねぇ‥ふーん」


そのメッセージにさほど興味もなさそうに、

珠子はカードとリボンや箱をバッグの中に入れ
立ち上がった。


珠子「寒い‥」
 

冬の外で20分そのまま寝ていたのだ‥身体もすっかり冷え切っている。
急いで公園を出ると、珠子は家路に向かって歩き出した。
 


どうも(^_^)v竜馬です

 

 

去年

 

 

 

 

 

 

 

怒涛のリンクラッシュでごめんなさい_(_^_)_ですが

1週間、お送りしましたつたない文章でのクリスマスウィーク。

 

今年も少しだけお届けしたく

以前書きましたものに少しだけ手を加え

「赤鼻のトナカイ」と題した物語を

23・24・25日の3日間に分けまして

お送りいたしたいと思います。

 

名セリフ・名言というものが

まったく紡ぎだせない素人作家の僕なので

物語そのもの、お話全体で届けたいこの想い

 

そして

登場します人たちにとても手伝ってもらって

みなさんにほんの少しでも喜んでいただけたらと

編集して準備しました。

 

手違いで[1]だけ

準備中だった17日の午前

数分間だけアップしてしまったというキョロキョロびっくり

 

明日からの3日間

「赤鼻のトナカイ」

読んでいただけたならめちゃ嬉しいです爆  笑

 

ではまた、ごきげんよう(^_^)/

 

「あっぱれ! やる気音頭」

あきらめんな、あきらんめな、あきらめんな!
人生、何があっても生きていけぇぇぇ

あきらめんな、あきらんめな、あきらめんな!
デッカイ世界で、生きていけぇぇぇ

悔しいこともあるだろう
悲しいこともあるだろう

苦しいこともあるんだよ
辛いこともあるからね

だけど、そこで挫けて、へたりこんで
下ばっかり見ててもしょうがない

そうそう お金は落ちてない
でも、拾ったお金は、おまわりさんに届けてね。
お願い♪

あきらめんな、あきらんめな、あきらめんな!
あきらめんのは、あきらめることだけェイェイェイェイェイ!

あきらめんな、あきらんめな、あきらめんな!
桜があんなに綺麗なのはね
来年咲くために散るからなんだよ

そうさ、生きるために散るから
あんなに綺麗なのさぁサァサァサァサァ!

あきらめんな、あきらんめな、あきらめんな!
人生、歯を食いしばって生きてれば

あきらめんな、あきらんめな、あきらめんな!
デッカイ幸せェ、ドンドン! 掴めるさぁぁぁ おぅ☆いぇい!!!

 

 

 

プロメテウスが天界から火を盗んで、

人類に与えた事に怒ったゼウスは
人類に災いをもたらすために

「女性」というものを作るよう神々に命令したという。

へぇ‥そうなんだ。

俺はフラッと寄った図書館で、

さして興味のないギリシャ神話の本を読んでいる。

まぁ‥いわゆる夫婦喧嘩ってヤツですよ。

会社で上司にペコペコ頭を下げ、やっと家に帰ったと思ったら
家事は夫婦が互いにやるべきだとか
子育てに男も、積極的に参加しなさいよだとか
ゴチャゴチャうるさくて。

会社にいたら上司、家にいても妻‥

怒鳴られ、頭を下げっぱなしは正直ツラい。

風呂掃除も朝のゴミ出しもやってるじゃん。

子育ても、休日くらいはどこかへ連れてけって‥

家族サービスってヤツですか?
出来る限りしてるじゃないですか。

これ以上、なにが文句あるっ 

あっ‥こりゃ失敬。

思いだしたらムカムカきちゃって。

どれどれ‥

ヘシオドス『仕事と日』によれば、

ヘパイストスは泥から女性の形をつくり
神々はあらゆる贈り物を人の形=パンドラに与えた。

アテナからは機織や女のすべき仕事の能力を
アフロディーテからは男を苦悩させる魅力を
ヘルメスからは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えられた。

そして、神々は最後に

彼女に決して開けてはいけないと言い含めて箱)を持たせ
エピメテウスの元へ送り込んだ。

パンドラって‥アンドロイド?

まさかぁ。

でも‥機織や女のすべき仕事の能力と
男を苦悩させるほどの魅力をもらった

アンドロイドの女の子かぁ‥

はっ、イカンイカン。

学生のころにハマったアニメのことを思いだした。

けどなぁ、犬のように恥知らずで狡猾な心‥か。

こんなの、今の時代に書いたとしたら
すぐにブログ炎上で、総叩きだよな。

女性差別だ、男尊女卑だって。

確かに酷いよコレ。

神話の時代でよかったよ。

で、なになに‥

ヘシオドスは『神統記』においてもパンドラについて触れ
神々からつかわされた女というものが、

いかに男たちの災いとなっているか熱弁している。

美しいパンドラを見たエピメテウスは
兄であるプロメテウスの

「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告にもかかわらず
彼女と結婚した。

そして、ある日パンドラは好奇心に負けて箱を開いてしまう。

すると、そこから様々な災い‥

疫病、悲嘆、欠乏、犯罪など‥多く飛び出した。

己の行動を悔いたパンドラが、空っぽになった箱を覗き込むと
たったひとつ‥そこに「希望」が残されていた。

あーあ、コレだよ。
神話の時代から、女ってヤツはこうだ。
人が忠告すればするほど、逆らいたくなるものなのかね?
好奇心を抑えられないとかなんとかイイワケして
流行の服だカバンだ、美味しいスイーツだのランチだのって
自分に使うお金は『たまのご褒美』
 

だったら、俺の釣竿やフィギュアも
買うのを認めてくれよ。
新しいのが、たくさん出てるんだよっ。

はぁ‥神話と我が家のケンカをゴッチャにしちゃったよ。

俺の小遣いで買うんだから、何を買ったっていいだろ。

なんで俺ばっかりが文句を言われなきゃならないんだよ。

気が付けば、もう夕暮れ。

俺は図書館を出て、街をぷらぷら歩く。

箱を開けた娘のせいで、

様々な災いが‥疫病、悲嘆、欠乏、犯罪などが
この世界に蔓延したってことは、

夫婦喧嘩もその中に含まれてたんだろうか?

そんな災いを広げてしまって、あのパンドラって娘(こ)
ずいぶん後悔して、苦しんだんだろうな。
ま、そのせいで俺が今こうしてるんだから
いい迷惑だけど。

なるべくお腹いっぱいに いいものを食べれて
なるべく流行のカッコイイ、綺麗な洋服を着れて
小さな一戸建てだけど、去年やっと建てれて
子供も幼稚園に行きだして
これ以上、何がほしいってんだよ。

お前が欲しがるように、俺だって欲しい時もあるんだよ。

ブツクサ文句を言いながら、俺はコンビニに入る。

酒もタバコもやらない俺はの楽しみといえば、

アニメのフィギュアと釣りだ。

喉が渇いたから、ジュースでも買うか。
おっ、なんだよ‥

こんな時にいつも売り切れのロールケーキがあるじゃないか。

そういえばアイツも、食べたいのに
いつも無いのって言ってたな‥

カゴの中にロールケーキ3個入れて、

炭酸ジュースにミルクティーに、こどもの好きな飲むヨーグルト。

店を出た俺の足は、小さな家へと向いていた。

疫病、悲嘆、欠乏、犯罪‥そして、夫婦喧嘩。

たくさんの災いが蔓延するこの世界で、アイツや子供を守るのは俺の役目だからな。

まぁ‥夫として、父としての責任ってやつだ。

仕方がない、帰ってやるか。

家の前まで来たら、長男がテケテケ走って出迎えてくれた。

『おかえりなさい』舌っ足らずではあるけど
可愛い声は、元気をくれる。

子供に手をひかれ、

部屋に入るとアイツは背中を向けてキッチンに立っていた。

んなろぅ 帰ってきたのに『お帰りなさい』も無しか。

そっちがその気なら、意地でも『ただいま』なんか言わねえぞ。

『おかーさん、おとーさん帰ってきたよー』

するとアイツは『はーい』なんて返事をして
出来上がったばかりの麻婆豆腐を机に置いた。

あれ‥今日は焼きそばだって、朝は言ってたのに。

『さぁ食べましょうね、あっくん』

子供のために作ったオムレツを食べさせている。

そうか‥わざわざ、俺の好物を作ってくれたんだ。

「な‥なぁ、コレ‥コンビニのロールケーキ」

『わーい』と喜ぶ息子に
『あとで、パパとママといっしょに食べようね』

子供に微笑んだアイツの顔と息子の顔は‥うん‥

疫病、悲嘆、欠乏、犯罪‥世に蔓延する多くの災いの中で
俺の希望なんだ。

「オマエ、ミルクティーでよかったよな」

「うん」

これが俺たちの『ごめんなさい』かな。

ホント‥ごめん。

パンドラ。

キミはあのあと、どうしたんだろうか。

でも、心配すんな。

希望は、ちゃんと今もこうして残っている。

愛情って名前の希望は、今を生きている俺たちに残ってるからさ。

だからもう心配しなくていいよ、パンドラ。