夫（妻）の不倫相手が同性だった
配偶者の不倫は青天の霹靂。まさか自分が不倫されているとは、そう思った人も少なくないはずです。さらに、多様性に寛容になった今の時代、夫（妻）の不倫相手が同性であることもあり得ます。もし配偶者の不倫が同性愛だった場合、不倫として成立するのでしょうか。そして、もしそれを理由に離婚することになった場合、慰謝料請求の事由として認められるのでしょうか。
今まで知らなかった配偶者の一面を知り、不倫の事実も知り、ダブルショックを受けたそんな時、少しでも参考になれば幸いです。
不倫とは性行為、では同性愛は不倫ではない？
一般的に不倫とは、同意の元、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを指します。今までの常識からすると肉体関係とは異性と行う行為とされています。しかし、昨今の性事情に対する多様性はすさまじいスピードで変化しています。それに伴いあらゆる問題も発生し、望まない人たちまで巻き込まれる事態も少なくありません。
そんな性の多様性が可視化しやすくなった現代では、同性愛に対して昔ほど偏見は寄せられなくなっています。バイセクシャルやトランスジェンダーを公言する人も増え同性愛がしやすい世の中になりつつあると言えます。
そうなると同性愛が関連する不倫問題も出てきそうなものですが、同性愛は性行為を行うことは基本出来ない為、不倫には値しないのではないか？という疑問が生まれます。
しかし、実は同性愛でも不倫として認められた判例があるのです。
同性不倫の賠償責任を認めた判例
令和3年2月東京地裁は、同性不倫を働いた女性らに対し損害賠償責任があると認めた判決を下しました。判決によると、物理的な肉体関係は持てないまでも、「婚姻生活を害するような性行為も不貞行為にあたる」と指摘しています。
つまり、同性不倫は不倫に該当する可能性があり、慰謝料請求の事由にすることも可能、ということになります。
もちろん、これは一つの判例に過ぎないのでケーズバイケースではありますが、同じようなことに悩まれる方にとっては重要な判例となりました。
さらに、もし同性不倫自体が認められなかった場合でも、同性者との性行為が「その他婚姻を継続し難い重大な事由」となる可能性も充分にあり得ます。
世の中が同性愛を認め始めている現代だからこそ、それに伴って法律も変化が求められるべきで、考え方も柔軟にならなければなりません。不倫問題は男女の問題と当たり前に思わず、同性不倫もあり得る、そしてその行為も普通の不倫と変わらない、そう考えることも今の時代には必要な視点だと思います。
とはいえ、配偶者が不倫してるかも、と疑った矢先に不倫相手が判明しそれが同性者だったら、何となくホッとしてしまう人もいるかもしれません。最初は同性”愛”だと気づくのにも時間がかかると思います。
それを嫌だと思うのか、放っておいてもいいと思うのかは人それぞれです。（これは異性との不倫問題にも言えますが）
ただし、配偶者として一生を共にする以上、嫌なものは嫌と伝える、必要であれば是正する権利はあります。色々な感情が入り混じる同性不倫ですが、やれることとすべきことは一般的な不倫とそう変わらないので、安心してください。
結論、同性愛でも不倫になり得、離婚や慰謝料請求の事由にもなり得る。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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