ダブルバズーカアンテナにバランは不要との話なんですが、ホントかどうか考えてみました。
結論は、米国オリジナルのダブルバズーカ・ストレート結線にバランは不要。
ダブルバズーカ・クロス結線にはバランの効果は無さそうです。
以下に説明を書きます。
バランの効果は不平衡な同軸から流れ込んだ同相電流(コモンモード電流)がアンテナエレメントに流れ込まない様になる事です。
いわゆる、コモンモードノイズフィルタ(又はキャンセラー)の効果があるかどうかです。
下記、ダブルバズーカ・ストレート結線の説明図を見てください。



給電点から同軸芯線と網線から同相のノイズが入ったときにⒸ点までノイズが届くならバランの効果は無いという事になります。
まず、直接上方向に流れる電流ⒶがⒸ点に届くまでには1/4λの位相遅れがあります。
次に直接下方向に流れる電流ⒷがⒸ点に届くまでには一旦下まで下がってからエレメントの芯線を上に通ってⒸ点まで3/4λの位相遅れがあります。
この2つの経路の信号がⒸ点で重なる時位相差は2/4λ=1/2λとちょうど反転で電流は打ち消されます。
この効果によりバランは不要となります。
ほんと、いい仕事してますよね。


次に下記ダブルバズーカ・クロス結線の説明図を見てください。



先の説明と同様に電流ⒶがC点に届くまでには1/4λの位相遅れで電流ⒷがⒸ点に届くまで同じく1/4λの位相遅れとなりコモンモード電流は相殺されずにそのままⒸ点に伝わります。
ですのでダブルバズーカ・クロス結線の場合にはコモンモードフィルタの機能は無いのでバランが必要とお考えなら別途バランを付けてあげる必要があると思います。
まあ、ダイポールアンテナの様な平衡アンテナであってもにバランは必ず必要という訳ではありません。
無しでもSWRは下がるし電波はしっかり飛びます。
必要だとお考えならという事になりますね。