CWを聞くとき、CW用のナローフィルタがあると「ノイズレベルが下がり目的信号が聞きやすくなる」「近接周波数の不必要な交信信号をカットできる」「サイドトーンの音を聞きながらゼロビートによる周波数あわせの必要がなくなる」等々メリットが大きい。
最近のSDR式の無線機だと(ソフト対応で)ナローフィルタ標準装備の様ですが私の様にCWナローフィルタを内蔵していない古い無線機で聞いているとナローフィルタが欲しくなります。
今回、イヤホンからのオーディオ信号にフィルタをかけることでCWナローフィルタの代わりになるのかどうか試そうかと思います。
まずは、回路設計からです。

設計開始時点の目標値がこれ。
・-10dBまでの周波数帯域として800Hz±200Hzで400Hz幅のフィルタを目指す。
 (-10dBだと減衰するが少し聞こえる)
・-30dBまでの周波数帯域として800Hz±300Hzを目指す。
 (-30dBだとほとんど聞こえない)
・800Hzのオーディオ信号電圧減衰0dBを目指す。
 (つまり、減衰させないという事)
・動作電源は8V~15Vとする。
・試作で使うOPAMPはLM358PかTL082CPとする。
 (私の部品ケースに入っているから)

です。
LTSpiceで汎用OPAMPのLT1001を使った回路をシミュレーションしてみました。
800HzのBPF程度ならLM358PやTL082CPと結果はほぼ変わらないはずです。
周波数特性のシミュレーション結果がこれ。



中心周波数を少しずつずらした多重帰還型BPFを4つ組み合わせてます。
通過帯域のフラットさがイマイチですが目標に近い結果だと思います。
シミュレーション結果から。

・-10dBまでの周波数帯域は800Hz±130Hz程度
・-30dBまでの周波数帯域は800Hz±400Hz程度
・800Hzのオーディオ信号電圧比6~10dB程度

LTSpiceで何回も試しましたがオーディオ域のBPFではXTALフィルタほど綺麗な周波数カット特性はなかなか作れそうに無いです。
近日中にこの回路をブレッドボードで試作し評価してみようと思います。
試作評価の結果が良ければLTSpiceデータ公開しますね。