中華イヤフォン界隈では当たり前のようにケーブルの交換、リケーブルが行われていますが、私は電気の流れる値が変わることによって音量の差は出ることはあっても音質が変わることはないだろうとかなり懐疑的な見方をしていました。

シールドの厚さや種類によって周りのノイズから守るその効果は実感していたのですが音の振動を電気の強弱に変化させ、それを復元することで音を出すシンプルな仕組みの中に音質を変化させる要素があるとは思っていなかったんです。

 

「思っていなかった」と過去形で書いたので考えが変わる何かがあったということは想像つくと思うのですが、その話をするに、今回注文していたケーブルが届いたのでその紹介をします。

 

 

 

1000円切っていたのでつい買ってしまったのですが、私が交換用ケーブルを使う理由は音質向上なんか全然考えていなくて、ただただコレが嫌だったからなんです。

 

 

L字ケーブル大嫌いっ!

 

ジャックからストレートに伸びて欲しいのにそれを邪魔するこのタイプは嫌い。イヤフォンに付属してくるケーブルが全部これなので交換せざるを得なかった、単にそういうことなのでした。逆に電源アダプターは端子に力がかかりにくくなるのでL字タイプのを好みます。

あと、我慢すればいいだけのことなのですが付属ケーブルが臭すぎるという理由もありました。しばらくおいておけばだいぶましになるのですが6月に買ったものでもまだ若干の匂いが・・・

つまり、今回買ったTRN T2 PROは音質向上云々抜きに匂いがしないものを求め、ただただ安さにつられて買ってみたものなのでした。

 

 

そんな理由で買ったT2 Proは黒色の太めのケーブル。Redチェーンでは省略されたスライドボールが存在していて「ヨシッ」ってなりました。

他のケーブルより全体的に重めでずっしりしている感じがします。ケーブルの取り回しはちょっと悪そうですね。心配していた悪臭はほぼ無し。コレなら我慢できます。

 

 

せっかくなので今まで買ってきたケーブルを比べてみようということで並べてみました。上からT2 Pro、TN、RedChain、RedChain(Conch付属)です。それぞれ使っている芯?の数が違って、T2 Proは16芯、TNは8芯、RedChainは4芯。仕上がりの太さといえば通じるでしょうか、ケーブルの全体の太さはほぼ一緒なんですが、線の数と密度が全然違うので面白いです。材質もT2 Pro、TNが銀メッキ銅線、Redが銀メッキ銅線とメッキしてない銅線のハイブリッドと違うのも比べて楽しいところ。

 

というわけで、グレード的には一番高い、高そうなT2 Proを今のところ一番のお気に入りのPR3に取り付けたところ事件は起きました。ちゃんと音が出ることを試す為にPR3を装着音楽を流したところ微妙な違和感。

 

あれ、こんな音だったっけか・・・

 

ボーカルが妙につやつやして前に出過ぎなくらい存在感出してくるし全体的に解像感が濁ったというか靄がかかった感じ。高音も若干減った感じに聞こえて本当にわずかの差なんですがこれじゃない感の音が出てしまって困惑。

直前に入手したZAXが超ドンシャリなのでそのイヤフォンを聴きすぎたのかと思ってConchを聴いてみるもののこちらは変わらずでますます大困惑。

 

もしかして?!と取り付けたばかりのT2 Proを外し、元々つけていたRedチェーンに戻してみたところ音復活。

 

ま・じ・か!!

 

こんなことあんの?と大混乱に陥りました。ケーブルによる音質の変化なんて信じてなかったのにここまであからさまに変わってしまうと信じざるを得ないじゃないですか。

改めてケーブルの効果?を調べてみたところ銀メッキ線は高音をスッキリくっきりにする効果があるとのこと。

 

ん?

 

いや、高音減ってるんですけどっ!逆に中音が盛られてるんですけどっ!

なんだか疑問に思ったので同じ銀メッキケーブルのTNに替えてみたところこちらはわずかですがRedチェーンより高音がクリアな「気がする」そう、気がする程度でそこまで音質は変わらなかったんですよね。T2 Proの音変化が顕著すぎて正直びびりました。こんなことあるのかと。材質だけでなく線の縒り方でも音が変わるのかと色々考えさせられました。

 

ヤバいなぁ、失敗ケーブル選んでしまったかなぁと思ったところでひらめきました。

中音に元気がなくて高音がちょっと刺さるアレにつけたらよくね?

 

 

ZAXにつけてみたところドンピシャ!

中音が足りない感じに聞こえて物足りなかったボーカル曲も聴けるようになりました。シンバルが刺さってうるさく感じたところが抑えられてより上質で広大な空間を楽しめるようになりました。慣れてきてだいぶ評価が上がってきたZAXが神機により近付いた、そんな感じがします。そう、ZAX、ファーストインプレッションから全く印象が変わって現在手もちの中で一番のお気に入りになりつつあります。ピアノの音、女性ボーカルの艶っぽさが素晴らしいのでまだPR3が頂上にいますが危ういところ。

 

中華イヤフォンというかオーディオ界、奥深すぎてこええよ。ケーブルで音質が変わることは信じていなかったのにこうなると音質も考えてリケーブルを考えないといけないじゃん。相性がいいケーブル探しの旅に出る?いや、もうやめてくれ、助けて(笑)

 

何の考えも無しに購入したケーブルによってリケーブルの有用性に気がついた、いや、気がつかされてしまった、そんなお話でした。

 

やばいオーディオ界怖い。