ハワイのラストフライトを終え、
気持ちも整理がつかな日々の
ある夜、
２００１年9月11日
アメリカ同時多発テロが起こりました。
ちょうど家でテレビを見ている時でした。
飛行機がビルにつっこむ瞬間を
テレビを通して見て、
何ともおぞましい気持ちに
なっていました。
テロリストが機内の
乗っ取り、ハイジャック
をした時の対処、
すべき行動の研修を受けたことを
思い出しました。
テロリストにばれないように
機長に電話して、
メッセージを送る方法、、など。
機内のパニック状態、恐怖感、
自分がその飛行機に乗っていたら、
どのように対処していたか、
そんな恐怖の中、
お客様に対応できたか・・
全く身動きが取れなかったかも。
同じ職業をしていた人、
同じ飛行機で
働いていた人たちが、
恐怖とともに散ってしまいました。
一緒に研修期間、部屋をシェアしていた
Aちゃんから電話がかかってきました。
彼女は、結婚を機に既に退職していました。
「やち、いいタイミングで辞めたと思う。。」
「とても、こんな映像見た後に、フライトなんて出来ないよ！」
などど言われて、
私自身も、やはり潮時だった。
いいタイミングで決心したと
改めて思いました。
そして、慌てて
ニュ－ヨ－クに滞在しているのが
同期だとわかると
ホテルに電話してみるが、
もちろん、電話は繋がりませんでした。
上司からの早期退職か、リストラか
を通達されてからの3週間ほどの間
悩みに、悩み・・
これを機に
以前から考えていたフランス行き、
フランス生活をそのまま、
タイミングよく実現したい！！
しかし、
突然の早期退職という名の
人員削減の解雇。
1か月を切ってからの退職。
渡仏するには、もう少し熟考する
時間が必要でした。
まだ、気持ちの上でも、
現実的な渡仏の準備自体もまだで、
時期尚早でした。
「渡仏後、日本に帰国してからどうするか？」
「仕事はどうする？」
「客室乗務員の仕事は無理、
サ－ビス業の経験が主で、
私にオフィスワ－ク、OLとして仕事があるか？」
そんな質問が頭を駆け巡ります。
航空会社で機内通訳するまでに
オフィスの仕事の
経験はありました。
客室乗務員しか経験がない
人たちは、常に転職の
不安も漏らしていました。
そんな先輩、同期と違い、
私は経験もある！
大丈夫、何とかなる
とも思いましたが、
時代の大きな変化がありました。
乗務している3年間の間で
世の中はネット、メ－ルが普及して
仕事の仕方が大幅に変わっていました。
貿易事務で海外のやりとりをしている
95年ころは、コンピュ－タ－は
存在していましたが、
私達レベルでは、ワ－プロの使用のみ。
タイプしたものをプリントアウトして
ファックスで海外とのやりとりでした。
90年代後半は、
96年にやっとヤフ－ジャパンが開始
日本のネット人口はわずか3.3パ－セントです。
99年に初めて携帯電話のインタ－ネッ接続開始、
ネット人口が21.4パ－セント
オフィス業務は、WORD, EXCEL,
POWERPOINTが使用されはじめ、
このスキルがないと
オフィスワ－クは厳しい。
マイクロソフトオフィシャルソフト(MOS)と
呼ばれる、ワ－ド、エクセルのスキルを
表す資格試験が出始めたのもこの頃です。
そんな時代でした。
ノ－トパソコンが20万円もする時代でしたが
遅れを取らないようにと思って
購入してはみましたが、
実際使うのは、メ－ルや、ネットくらい。
学生時代には、英文タイプで
タイピングのスキルを学び、スピ－ドも
悪くはありませでした。
それでも、ワ－ド、エクセルとは
無縁の世界に3年もいたので
OLするには、かなりスキル、能力不足でした。
そこで渡仏してからの就職、もしくは、
日本に帰国してからも就職活動を
有利に運ぶには....
スキルアップが必要と考え、
ＰＣ、プログラミング、
アカウンティング（簿記 ）を
学ぶために半年間、
フルタイム学生となること
を決めました。
そこでは、
基本のワ－ド、エクセル、
パワ－ポイント
アクセス、簿記
基本のワ－ドを使ての
ホ－ムペ－ジ作り、
そして、その学校が終わると、
ワンランクアップと思い
プログラミング
C言語など学ために
別の学校にも同時に通いました。
そして、その間に、
履歴書に記入できるようにと、
TOEICや、
マイクロソフトオフィシャルソフト(MOS)、
簿記3級など資格試験の取得にも
励みました。
勉強で忙しく充実した生活ではありましたが、
この年齢、28歳で学生という身分、
先の分からない...
不安定な状態でした。
勉強に励んではいましたが、
半年間はあっという間に過ぎます。
「その後はどうしよう？」
本当に、渡仏していいのか？
半年後には29歳になっている。
結婚する気配のない、独身29歳の乙女？!？!、
30歳を目前に年を重ねる不安が
押し寄せてきます。
40代の現在の私から見ると、
30歳なんて、まだまだ若い、
夢と希望とチャンスが
溢れてる...
そんなメッセ－ジを送りたくなります。
テロのせいで、
ニュ－ヨ－クの成功したビジネスマンたち、
消防士や、他の多くの人たちの
散っていった希望と夢。
命の儚さを感じ、
人生何が起こるか分からない！
やりたいことは、やらないと
後悔するし、もったいない。
そして同時に、
見に見えない不安、、
何か落ち着かない気もち、
訳の分からない恐怖感。
そんな入り混じった気持ちを感じ....
それに加えて
退職して、この年齢で何も属さない不安、
色んな思いが混雑する、
気持ちのすっきりしない
整理がつかないまま．．．
テロの2週間後には、
フルタイムの学生として、
朝から晩まで、
学校での生活を始めたのでした。
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