「機内通訳って?」
「客室乗務員とは違うの?」
そんな質問をよく受けていました。
そうなんです。航空会社により、
日本人を客室乗務員として
採用しいる会社と
そうでない会社とあります。
オランダの会社なら、
オランダ人クル-の中に
数名日本人乗務員が
参加してクル-メンバ-を構成して
日本路線に飛ばせます。
もしくは、今の働いている会社では、
中国の路線には
中国人機内通訳が存在します。
アナウンスをしたり、
本当に通訳業務の
ためだけに乗務してもらっています。
いわゆる、食事のカ-トを引いて
お客様に食事や
ドリンクサ-ビスをしないのです。
あくまでも、通訳業務のみ。
私が働いていたアメリカの会社では、
労働組合が日本人乗務員を
採用するのを許さなかったようです。
それで、機内通訳として
日本人を乗務させていました。
日本からも、バンコク、フィリピン、台湾、
中国、シンガポ-ル、韓国の路線がありました。
その国々の乗務員と、
日本人客室乗務員、
アメリカ人2名ほどの
クル-メンバ-構成です。
アメリカから直接の離発着便でなければ、
日本人乗務員を採用できたようです。
それでも、私達の場合は、
ただ機内通訳、通訳業務だけさせておくのは、
勿体ない!
アナウンス業務、通訳業務の他に、
ビジネスクラスのお客様
(機種によりますが、40-60人)
全員にご挨拶をして、
搭乗して間もない間に、
お客様の名前を呼びながら
食事の希望を聞いていくのです。
会社は、なるべく損失を少なくしたいので、
食事が余分に搭載されていなかったのです。
和食は、松花堂弁当があり
美味しかったのですが、
ミネアボリスやデトロイトは
日本人のビジネスクラスの
お客様が少ないため
どうしても、和食が余ってしまいます。
また、ハワイ便だと
日本人のお客様が多いので、
洋食が余ったり・・
そうかと思えば、
行きと帰りでお客様の希望も片寄ったり。
完全に全てのお客様の
ご要望に応えるのは至難の業です。
和食に慣れていないアメリカ人のお客様、
それもビジネスクラスのお客様に、
搭乗して間もなく
私が、
M. Smith, スミス様、ご搭乗ありがとうございます。
Thank you for flying with us.
I am afraid that I run out of choice for main course today.
I have only Japanese meal……
お食事のチョイスが、
ビ-フもお魚、チキンもなく、和食だけ!!
ということもありました。
これを、アメリカ人のお客様を前に・・
お詫びしながら状況を説明しなければいけません。
毎回のフライトで、
このオ-ダ-を取り終わるまでが
緊張の連続。
胃が痛かったです。
不機嫌でも、
「じゃあ、しかたがないわ。」と
召し上がってくださる方もいらっしゃいますが。
ご立腹されて、
「じゃあ、何もいらない!」と
そうおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
「どうして、僕だけチョイスがないんだ?」
本当に、困ってしまいます。
この仕事を、パ-サ-でもない、私たちが、
していたのです。新人にとっては、尚更です。
時には、オ-ダ-シ-トに、チキンはC、
ビ-フはB、和食はJと
書いてキッチン担当に渡しても、
搭載数を最初から間違えて
私に伝えていたり。
ただ単に、キャビン担当の人が、
違うお客様にお渡ししてしまったり・・
そして、最後に必要な食事がなくなり、
yachi! と呼ばれるのです。
* 意外とお客様は、そのまま渡されたものを
食べ始めるのです。なんのために、オ-ダ-
取ったかわかりません。
本当に、初歩的なミスで間違えないで!!
叫びたくなりますが..
もちろん、アメリカ人に
そんなことは言えません。
じっと...忍耐、我慢。
勿論、余分の搭載はありませんから、
説明して謝りにいくしかありません。
他にもミ-ルサ-ビス中は、
入国書類を配り、
記入のお手伝いもしないといけません。
*お客様の書類に不備が多かったりすると、
アメリカ移民局より会社に罰金がくるそうです。
通路で、お客様のお手伝いをしていると、
アメリカ人乗務員に、
あからさまに、嫌な顔されたり。
* やはり、当時はまだ日本人対して
心よく思わず、嫌な言い方、
意地悪をする乗務員もいました。
300名からいるお客様、
一人ひとりにお声かけしないといけません。
そして、そうしていると、
「ヘッドセットが壊れています。」
「毛布下さい!」
「何も言われずに、魚を渡されたんだけど、
ビ-フはないの?」
などなど・・・
本当に、搭乗から最初のサ-ビスが終わり、
自分たちのクル-ミ-ルを食べる時間までは、
ホットする暇はありません。
怒ったお客様の対応は、
なかなか一筋縄ではいきません。
また、アメリカ人のサ-ビス、
対応が悪くて怒られることも
しばしばです。
新人の時は、涙目になりながら・・
お客様の話を聞き、
ひたすら謝るしかありませんでした。
毎回フライトの前夜は、緊張して眠れないものでした
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