翌朝ー
ハニ:“あ~んどうしよ~?大変なことになっちゃったよ~(半泣き)”
“どうしよ~”
“ こんなに探してるのに見つからないなんて”
“スンジョくんも探してよぉ。なくなったのはスンジョくんのせいなんだからね!(怒)”
ハニは床にはいつくばり、必死にあるものを探していた。
スンジョ:“そんなに必死に探さなくても、そのうち見つかるだろ。”
ハニ:“そのうちって、あれは大切なものでしょ?”
スンジョ:“そんなに大切ならとっとと修理しておけば良かったんだ。”
ハニ:“何よ!あたしが悪いって言うの?”
スンジョ:“そうじゃない。”
ハニ:“そう言ってるじゃない!”
スンジョ:“どうせ合わなくなってたんだ。買い換えればいいだろ。新しいのを買ってや”
ハニ:“ひどい!あれは‘結婚指輪’なんだよ!あたしたちの愛の証でしょ?どうして簡単に買い換えればいいなんて言えるの?
スンジョ:“はぁ~。(ため息)”
ハニ:“もぅいい!!見つかるまでスンジョくんとは口をきかない!”
そう言って怒ったハニは部屋を出ていった。
スンジョ:“ったく、…人の気も知らないで”
ハニにとって‘大変なこと’
それは体中に残された昨夜の痕跡ではなく、結婚指輪をなくした事だった。
結婚した時よりもかなり痩せたために、緩くなっていたハニの指輪。
修理をしなければと言いつつも、日々の忙しさを理由に、つい後回しにしていた。
そこに昨日の俺の行動が原因で、気づかないうちに外れてしまったのだとハニは言う。
いつもの俺なら確実に言い負かしてやるところだが、体中痣だらけのハニを見れば、そんなこと言えるはずもなかった。
いくら酔っていたとはいえ、昨日の俺はどうかしていた。
あいつのことになると、俺は、自分がわからなくなる時がある。それは自分でもわかってる。
考えるより先に体が動いて、
そんな自分に自分でも驚いてしまうんだ。
だが、昨日はさすがにやりすぎた
ハニにつけた俺の烙印…
それは俺の中に潜む狂気の証…白い肌に咲く無数の赤い花達は、昨夜の愚かな俺を責め立てているようで、ハニをまともに見ることができない。
なのに、そのせいでなくした指輪を一緒に探すことなんて、できるわけがないだろう。
だからこそ新しいものを買ってやると言おうとしたのに…
それすらも裏目にでてしまった。
まったく、女って生き物は…
たかが指輪ひとつなくしたくらいで、そこまで怒ることなのか?
結婚指輪になんてしがみつかなくとも、俺たちが離れる事なんて絶対にあり得ないのに。
まだ形にこだわらなければならないなんて…
IQ200のこの俺も、女心ってやつだけは永久に理解出来そうにない。
《1階 》
スンジョ:“おい”
ハニ:“…”
スンジョ:“ハニ”
ハニ:“…”
一言もしゃべらず事務作業のようにテーブルに俺の朝食を並べていく
スンジョ:“スンハは?”
その問いにスッとメモを差し出すハニ
おふくろの字で『スンハとウンジョのところに遊びに行きます♡今日は帰らないからね♡』と書かれている
スンハの事も話さないなんて… 今は何を言っても聞き入れそうにないな。
スンジョ:“今日はAの結婚式で遅くなる。”
俺も、最低限の報告しかしない。
そうして、朝食を済ませた俺は、居心地の悪さに耐えかねて、予定よりも早く家を出て、結婚式場へと向かった。
《Aの結婚式》
偶然にも、Aの結婚式は俺達の時と同じ会場で行われた。
昨日は酔っ払って俺に絡んでいたAだが、酔いも醒め、堂々とした様子で式に臨んでいる。
両親の挨拶、誓いの言葉、指輪の交換…、
Aの式を見ながら、俺は、俺たちの結婚式を思い出していた。
あの日、ウェディングドレス姿のハニは美しく、俺は一瞬にして目を奪われた。
お義父さんと2人で歩くバージンロード。
一歩、また一歩とお前が俺のもとへ歩みを進める度に、俺の鼓動は高鳴った。
そんな懐かしさに思いを馳せながら、俺は、もう一つ別の想いも抱いていた。
あの短い距離を、お義父さんはいったいどんな想いで歩いたのだろう?
フッ(笑い)そんなことを考えるのも、俺が娘を持つ父親になったからかもしれない。
バージンロードを渡り終え、ハニの手を取ったあの時から、俺たちは夫婦になった
あのときあいつ、緊張し過ぎて指輪を落としたんだよな。
そのくせ、俺が注意すると、二度目のキスのことを持ち出して。
あげく、女のくせに目上の方達のいる前で、自分からキスをするなんて。
まったく、今考えてもとんでもない女だな。
おかげでかなり恥ずかしい思いをさせられたが、ハニからの初めてのキスに、不思議と気分が良かったのを覚えてる。
あれからもう7年…俺はいい夫、いい父親になれているのだろうか?
数時間後ー
披露宴も終わり、俺は友人達に二次会に誘われていた。
♪ヴー ン ヴー ン ヴー ン(携帯のバイブ)
俺の携帯が鳴る。
それはハニからの電話だった。
“もしもし?”
「…うぅ…ペクスンジョのばかぁ…」
(いきなり電話してきてバカ呼ばわりかよ)
“おい、ハニ。”
「…○☆◆△……」
返事はないが、電話の向こうからなにやら話し声が聞こえる。
to be continue…