※このお話は5年後のスンジョの日記の一部を原作の一部とリンクさせて書いたお話になります
〈 eternity 〉 ~5年後の日記より~
パタパタと階段を上がってくる足音。
扉を開けて俺の名を呼ぶちょっと鼻にかかった声。
抱きつくと、俺の懐にすっぽり収まる小さな体。
俺を見上げる明るい笑顔。
俺の妻。オ・ハニ。
眠りにつくときも、目覚めた時も隣にいるお前に安らぎを感じ、その寝顔に癒やされる。お前の愛を感じながら生活し、笑いあって、ケンカして、愛し合って、そうやってお前と過ごす俺たちの日常。
当たり前だと思っていた時間が、ある一通の手紙により、俺の手からこぼれ落ちていった。
-ハニ-
最近のスンジョくんは何かに悩んでるみたい。
普段はいつも通りだから、誰も気づかないかもしれないけど、時折外を眺めては、何かつらそうな顔をしている。
何かあったのかと聞いても、何もないと答えるばかりで、理由を教えてくれない。
夫婦なのに…あたしが頼りないから?
夜、
いつも通りベッドで本を読んでいるスンジョくん。
心なしか、いつもより疲れているように見える。
何か飲み物でも持ってきてあげようと部屋を出ようとしたとき、スンジョくんが本を閉じてあたしを呼んだ。
“ハニ、おいで。”
優しい声に吸い寄せられるようにスンジョくんのもとに向かい、スンジョくんの懐に収まるあたし。
あたしを抱きしめながら、深いため息をつくスンジョくん。あたしは無力で抱きしめ返してあげることしか出来ないけど、スンジョくんが心配でたまらなかった。
スンジョくん、あなたのためにあたしがしてあげられることはないの?
-スンジョ-
家族にはまだ伝えてないが、とうとう兵役の通知がきた。
俺は医者だから、軍隊でなく公衆衛生医師として地方の軍や保健所、離島で3年ほど働く。
だけど、やるからには本当に自分を必要としてくれるところで自分を試してみたい
でも……それを選んだら……。
何度もお前に話さなければと思った。
でもその度にお前が悲しむ顔が浮かんで、言えなくなった。
自分で選んだことだけど、お前と離れなくてはならない現実を俺自身がまだ受け入れられてないんだ
《次の日曜日》
久しぶりに皆が揃っての夕食。楽しい雰囲気が広がる。
ただひとりを除いて。
ハニ:“スンジョくん。どうしたの?みんなでご飯食べるなんて久々なのに。”
スンジョ:“…ハニ、俺、離島に行く。”
ハニ:“え?!”
“あぁ、出張ね。急に言うからびっくりするじゃない。何日行くの?”
スンジョ:“3年”。
ハニ:“へ?”
スンジョ:“兵役の通知がきたんだ。”
ハニ:“もぉ、スンジョくんったらそんな冗談じゃ笑えないよ”
スンジョ:“冗談じゃない”
ハニ:“へ?だって、お医者さんの兵役 って医療活動でしょ?近場でだって出来るじゃない?
あぁ、書き間違えたのね?あたし、変更できないか聞いてみる。”
席を立とうとするハニを止めるスンジョ。
スンジョ:“間違いじゃない。俺が自分で決めたんだ。変更はできない。”
ハニ:“どうして離島なんか…”
驚くハニ
スンジョ:“……。”
ハニ:“離島ってどのくらい遠いの?休みに会いに行ける?”
スンジョ:“ソウルから5時間はかかる。それから船で1時間。船も1日2本しかないから長期の休みでもないと会いにはこれないだろう。”
ハニ:“なら、あたしもついてく!”
スンジョ:“お前は看護師の資格を取ったばかりだろ。1年ほど経験を積んで、それからくればいい。”
ハニ:“嫌よ!!離れるなんて絶対に嫌!!1日だって耐えられない!
もしあたしが1年で実務覚えられなかったら?
スンジョくんがいないのに、仕事なんて”
スンジョ:“おい、オ・ハニ。お前は何のために看護師になったんだ?
そんな軽い気持ちなら今すぐやめちまえ!病院にも患者にも迷惑だ!途中で投げ出すお前なんか何の魅力も無い!!”
(どうしてあたしが怒られるの?
勝手に決めたのはスンジョくんなのに。)
ハニ:“スンジョくんにはわからないのよ。あたしの気持ちなんて…。スンジョくんはあたしのこと愛してないのよ。だから離島に行くなんて勝手に決めちゃえるのよ…。
あたしの方が、何百倍もあなたのこと愛してるから…
別れの辛さだってスンジョくんの何百倍も大きいんだから。”
虚ろな目をして涙を貯めているハニ
スンジョ:“男に生まれたからには兵役は当然だ。軍隊に入ったと思えばいい。”
ハニ:“だってスンジョくんはお医者さまじゃない。普通の兵役とは違うでしょ!”
スンジョ:“フーっ(ため息)
今のお前に何を言っても無駄だ。いい機会だ。俺と離れてひとりでよく考えろ。”
2階に上がるスンジョ
(どうして?どうして勝手に決めちゃうの?夫婦なんだから相談くらいしてくれたっていいじゃない。あたしが反対するってわかってたから?
あたし、何にも聞いてない…)
泣き崩れるハニ 。
戸惑う家族。
-スンジョ-
やっぱりこうなってしまった。あんなキツイ言い方するつもり無かったのに。
あいつが看護師の夢を放り出そうとするから。
あんなに頑張ったのに。
俺のためにあいつの夢を潰すわけにはいかない。
ハニが一人前の看護師になることは、俺の夢でもあるんだから。
それにしても、あいつ、まだ俺が愛してないなんて思ってるのか?
俺のほうがお前の何万倍も愛してるのに…。
その平らなおでこも、眠そうな目も、俺の懐にぴったり収まる小さな体も、俺を呼ぶその唇もその声も。お前の明るい笑顔も、天使のような寝顔も。数え上げたらきりがない。
こんなに俺をオ・ハニ中毒にしておいて、離れるのが辛くないわけ無いだろう?
お前がそばにいない生活なんて、もう想像も出来ないのに…。
to be continue…