次は、大衆の音楽の認識について、
[紅白歌合戦出場者]を使ってみてみましょう。
まず、私が紅白歌合戦の意味合いとして
[今年のヒット曲を聴いて、一年を締め括る]
があると思っています。
現に、かつてはヒット曲を出した歌手が出場し、
大衆が紅白歌合戦を見て大晦日を過ごすが当たり前だったのです。
しかし、この[ヒット曲を聴いて締め括る]が
現在では全く出来ません。
なぜなら[ヒット曲が若者のものでしかない]からです。
私は、オリコンやビルボードチャートで、
今の音楽の流行り、ヒット曲を把握しています。
本来[ヒットチャートにいるものがヒット曲]であり、
紅白歌合戦のもともとの定義を考えた時、
[オリコンやビルボードの上位にいる曲が選ばれる]のが、
至極当然のこととなります。
しかし、このヒット曲を選ぶ当たり前をするとどうなるか
[若者に媚びている]と言う非難が生まれます。
私から見て、ヒットチャート上位にいるミュージシャンが
かなり選ばれている印象があるので、
選出自体には間違いはないと思っています。
間違ったことをしていないのに非難されるのは
NHKにとっては理不尽でしょう。
現在のヒットチャートが若者のものでしかないからこそ、
今年のヒットで締め括るをしてしまうと、
[若者にしか意識が行っていない]となってしまうのです。
韓国やジャニーズばっかりと言う非難があっても、
人気があったり、ブームを起こしており、
音楽業界に大きな力を持っている以上、
[現在のヒット曲]と言う枠で考えた場合には、
[韓国][ジャニーズ]が選ばれるのは不当だ、
と言う意見は成り立たなくなるなります。
ビルボードチャートには、韓国勢が数多ランクインしているのです。
それだけ、一年をヒット曲で締め括るという
従来の[紅白歌合戦]のテーマには沿っています。
もし、[韓国][ジャニーズ]ばかりという非難をするのなら、
他の不甲斐ないミュージシャンに対して向けるべきでしょう。
★★★★★★★★★★★★★★★★
登録お願いします!
★★★★★★★★★★★★★★★★
とは言え、上記の声が上がるのも理解は出来ます。
私も、オリコンやビルボードをチェックしているからこそ、
現在のヒットを把握できるのであって、
そのチェックをしなくなれば、訳が分らない奴らばっかだ、
と言う感想になることはまず間違いありません。
仮にヒットチャートの上位にいたとしても、
ヒットチャートの上位にいるだけに過ぎず、
大衆への広がりは皆無と言っていいでしょう。
それこそ、中高年には全く情報が回らないほど、
閉鎖的であると言わざるを得ません。
ビルボードチャートの得点の多くは
[ストリーミング再生数]です。
[サブスクリプション]を利用している年層は、
恐らく若年層が中心になっていて、
年層が上がるごとに、急速に利用者が減ります。
[ストリーミング再生数]に関係しているのは若年層なら、
ヒットチャートを作っているのは若年層であり、
中高年層はほぼ関与していないことになります。
そして、ヒットしているという感覚を持っているのは、
若年層のみになっていきます。
ヒットを作っているのが若年層であり、
ヒットが広がっていくのもまた若年層のみで、
中高年層が触れる余地は一切ありません。
それが故に、出場者に対して[お前ら誰だ?]となります。
現在のヒットチャートにいるかどうかなど、
もはや問題ではないのです。
なにやら、「なぜこの人が選ばれたのか」と
「どういう基準で選んだのか」
「なぜこの人は選ばれなかったのか」と
「何が問題で選ばれなかったのか」「誰にオファーしたのか」と
「誰にOKをもらえて、誰に断られたのか」
「追加出場はあるのか」と「現在、誰に交渉中なのか」
これらを求める声があがっているようですが、
このような裏事情を話せるわけもなく、話す必要もないでしょう。
例えば、[交渉したら断られた人]を挙げた場合、
断った側が[傲慢だ]と言う非難を浴びかねません。
[なぜこの人が選ばれたのか]についても、
データや情報、背景を見れば説明がつく人も多いです。
これについては、正直無知な方が悪いのです。
これは、選ばれなかった理由についても同じでしょう。
そして、これは[断られた]と言うところにも繋がります。
上位の人に断られたから、下位の人へお鉢が回った。
それだけの話しだったりもします。
それに仮に説明した所で[その理由は不当だ]
と言う声はまず間違いなく上がるでしょうから、
説明するだけ無駄でしょう。
もはや、誰を選んでも文句が出る。説明しても無駄。
紅白歌合戦は八方塞がりでしょう。
紅白歌合戦の八方塞がりは、
今の音楽業界の在り方、流行の形、
音楽に求められるものは何なのか。
今の日本の音楽が持つ問題そのものです。
ひとまず、今のヒット曲と呼ばれるものが
[ごく極めて範囲の狭い若年層のみが作り出している]
そして、[若年層の中で閉鎖されている]事実は、
紅白歌合戦の根本の意味を壊しています。
もはや紅白歌合戦を続けることに意味があるのか、
紅白歌合戦は不要なのではないか。
毎年毎年この意見の噴出は加速していくでしょう。
もはや、時代が紅白歌合戦を壊しているのです。
それ故に、私は紅白歌合戦を非難する気は
今は、そこまでありません。