大黒摩季のベストのことを振り返ったので、
ZARDのベストについても、検証してみたいと思います。
以前、ZARDについて書いた時に、
ベストの事にも触れてはいますが、
本格的な検証はしていなかったと思います。
なので、改めて収録内容を確認してみましょう。
1枚目[single collection~軌跡~]
売上枚数:303.4万枚。
背景としては、
1997年[GLAY - REVIEW]の400万枚、
[B'z - Pleasure]の500万枚、と
ベストアルバムのメガヒットが連続して登場したのを受けて、
ZARDでもベストアルバムを発表しよう、
という話になったと考えられます。
1999年、ベストアルバム発表時では、
ビーイング全体にもなるのですが、
ZARDの人気は下落の一途をたどり、
かつての光はなくなっていました。
ここが、ベストアルバムを大ヒットさせる、
最後のチャンスだった、と私は見ています。
収録内容も、全てのシングルを入れない。
これは[REVIEW][Pleasure]にも言えることで、
冗長にならず、適切な時間で、
ヒット曲を聴いたという満足感を得る。
収録時間を考えた上で、
オリコン首位、及び2位を獲得した、
というコンセプトを立てたものと考えられます。
この[REVIEW][Pleasure]に沿った適切な収録時間から
ZARDのブランドが落ちていく中でも、
300万枚を売ることが出来たと分析しています。
ベストアルバムが発表された時、
ZARDは28枚のシングルを切っています。
そのうち、収録されたのは13曲です。
厳選のされ方も絶妙です。
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2枚目[ZARD BEST~Request Memorial]
売上枚数:146.7万枚
B'zにおける[Treasure]と同様の手法を取りました。
[Treasure]は[Pleasure]の500万枚超えに対して、
400万枚クラスにとどまりましたが、
[Pleasure]からこぼれ落ちたミリオンセラー、
アルバム未収録曲が多数あったため、
高い需要を誇りました。
ZARDの場合、[single collection~軌跡~]で
シングルの中でも、かなり良い札を切っていること、
アルバム未収録のシングルがほぼないことから、
B'zのような、購買意欲を引き出すことは難しかったのです。
シングルの収録は7曲にとどまり、
ヒットのレベルも、一段落ちるものになっています。
ファンが好きな楽曲と、ライトユーザーが求める曲が
上手く噛み合っていないのです。
殆どのミュージシャンに起きることではありますが、
ZARDの場合、ベストアルバム収録曲で顕著に出てしまい、
結果[single collection~軌跡~]の半分にとどまったのです。
[single collection~軌跡~]の直前に発売された[MIND GAMES]は
このアルバムを除くと、
ZARD SINGLE COLLECTION 〜20th ANNIVERSARY〜という
7枚組のボックス仕様のアルバムにしか収録されていないため、
この曲の回収においては、意味がありそうです。
ただ、首位は取っていますが、ヒット曲とは言い難いので、
放置しても問題はないか、と。
[single collection~軌跡~][Request Memorial]の
両方のアルバムから漏れているシングルが
[Good-bye My Loneliness][不思議ね…][もう探さない]
[眠れない夜を抱いて][IN MY ARMS TONIGHT][風が通り抜ける街へ]
[新しいドア 〜冬のひまわり〜][GOOD DAY][世界はきっと未来の中]
の9タイトル。
初期の曲と、衰退期の曲に真っ二つに分かれています。
ちょうどいい塩梅に、ヒット曲が収録されたと言えるでしょう。
この2枚を揃えれば、ライトユーザーならZARDについては十分です。
次は、2006年の[GOLDEN BEST]。
生前最後のベストアルバムを見ていくことにします。