6月1日発出した[工藤静香 - FU-JI-TSU]に関連して、
[黄砂に吹かれて]を、YouTubeで検索すると、とても良いものが出てきました。
最高位1位。年間9位。
[嵐の素顔]とともに、1989年の工藤静香を彩りました。
[恋一夜のほうが1989年年間チャートでは上ですが、
発売自体は、1988年12月]
さて。
この動画ですばらしいと思うのが、タイトルの通り[生演奏+フルコーラス]です。
これは、おそらく、ザ・ベストテンの動画と思われますが、
CD音源とは明らかに違う演奏音。生演奏であることを示します。
[特に、はじめのドラムの入りが驚くべきほど違います。
おそらく、CD音源はドラムは打ち込みではないでしょうか]
今、生演奏をしている番組というと、
民放では、FNS歌謡祭、ミュージックフェア。
NHKでは、うたコン、NHKのど自慢、BS日本の歌、紅白歌合戦後半。
これくらいなものでしょう。
共通として言えるのは、ほぼほぼ新作が演奏されない点です。
主に新曲が演奏されるミュージックステーションや
CDTV LIVE LIVEは、明らかにCD音源ではあり、ただの当て振りです。
バックバンドを装う姿すらないグループもいます。
私からすれば、CD音源、つまりスタジオ録音音源と変わらない音なら、
音楽ファイルで聴くよ!となります。まったく面白みがないのです。
更に酷いのが演奏時間です。
大抵の場合は、第1コーラス+大サビで、大体2分強程度。
出演者数の多さや、視聴者を飽きさせないために、
一演奏を短くしているのでしょうが、これがまた味気ないのです。
やはり、フルコーラスを常に聴いていて、魅力を見つけていくスタンスで言えば、
2分程度の演奏にされてしまうのは、面白くありません。
演奏したという事実を作ればそれでいい。
番組を作る面で言えば、フルコーラスを演奏することが、
非常に面倒なことで、得にならないのかもしれませんし、
多くの視聴者が、それで満足できているのかもしれません。
ただ、ひとつひとつの楽曲に対する姿勢としては
全く芳しいとはいえないものです。
昔の音楽番組での、生演奏+フルコーラスの姿勢に、
ああ、この時代の音楽番組は非常に魅力的だったんだな、
と思うばかりです。
[黄砂に吹かれて]の時期には、私も相応の年齢だったので、
こういう音楽番組を見ていたはずなのですが、
フルコーラスがどうこう、生演奏がどうこう、
という意識がまったくなかったので、記憶に無いです。
今の音楽番組には辟易です。
チャート番組は、もう作ることは出来ないでしょう。
ただ、こういう生演奏でフルコーラスを演奏する。
この姿勢は、どうしても取り戻してほしいものです。