毎朝、祖母にお参りする。
仏壇に手を合わせる。
今年亡くなった祖母をおもう。
毎朝僕がお参りするときには開いている
仏壇の扉が、今日は閉まっていた。
一日、祖母にも起きていてほしいので、
家族が朝一番に起きた人が
お参りをして、仏壇の扉を開けておく。
でも、今日は閉まっている。
母曰く、無意識で閉めてしまったらしい。
祖母が一日外に出られなくて窮屈するので、
僕がお参りしてから開けておいた。
これで、今日も祖母も自由に出歩ける。
祖母も僕も、一日楽しみにぶつかるように。
祖母のお参りを済ます。
仏壇の部屋を出ようとすると、
母が一言。
「今日はスリッパ、履き忘れないかな。」
最近、もふもふの温かいスリッパをもらった。
履き心地も良く、いいものをもらったと喜んでいる。
ただ。
スリッパを履く習慣がないので、
仏壇の部屋を出るときに
必ずというほど履き忘れてしまう。
なれてない、というよりも
ボケが始まっているのかも。
そんな年ではないはずなのだが。
「履くよ！バカにしやがって。」
スリッパを履いて自室に戻る。
何気ないやり取りが起こっている。
今日もいい日だ。