「なにわの海の時空館」からの眺め | 晴耕雨読 -田野 登-

晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。

2013年3月に閉館された
「なにわの海の時空館」の
往時の写真を整理していました。

半球体ドームからの眺めです。
写真図  半球体ドームからの眺め




グーグルマップで確認しました。
時空館の真西には明石海峡大橋が位置します。
右(北)に見えるのは、和田岬から須磨、垂水で
左(南)に見えるのは、淡路島山です。
陸地が切れている所が明石海峡です。


源氏物語の澪標(みおつくし)の巻で
明石の上と光源氏のニアミスのあったのは、
どこでしょう?
あまりの光源氏の権勢に
沖合の船で
住吉詣でを控えてしまった明石の上と
住吉の浜に牛車を駐車する光源氏との想定です。


それにしましても
「なにわ」の海に出ますと
すぐのところに明石が臨めます。
船では、まさに一衣帯水の間にあります。
船を操る生業の人たちにとりましては
須磨も明石も淡路も
すぐそこの世界だったのでしょう。


「なにわの海の時空館」のドームが残っているのに
この佳景が
臨めないのは切ないですネ。


究会代表 田野 登