今回、
「都会の地蔵さんのフォークロア」目録を作成しました。
明後日6月11日(水)に
いよいよ毎日文化センターでの
地蔵シリーズ「大阪のお地蔵さんの世界」が
スタートします。
今、目録を作成しましたのは、
3回シリーズの講義内容を見直すためです。
話の味付けの具材を求めてであります。
ボクは、今から25年程前、
名著出版『月刊歴史手帖』に
都市の民俗を調査・研究した成果を
1年12回の連載記事を書いていました。
毎回、400字詰め原稿用紙20枚ぐらいのを
毎月、締め切りに遅れることもなく、
名著出版に郵送していました。
タイトルは
「都会の地蔵さんのフォークロア」でした。
以下、目録を示します。
名著出版『月刊歴史手帖』1988年、16巻1号~12号
○囲みの数字は号数番号です。
①地蔵の数-調査の対象と方法
②地蔵さんのいます場所-地蔵堂立地の地理的条件
③地蔵マップ今昔-「西高東低」分布を遡る
④井戸端のお地蔵さん-裏長屋の民俗誌
⑤火除地蔵異聞-地蔵の異名に見る歴史風土
⑥北向地蔵考-異名に見る北向信仰
⑦子安の地蔵-賽の河原物語とそれ以前のこと
⑧霊異なる石-願懸作法の構造分析
⑨石の意思-石占の原理にみる神意との関連
⑩人名を冠する地蔵尊-人神を求めて
⑪祟り神考-神仏諸霊の示現の展開過程
⑫拾い地蔵考-神仏を拾うことの意味
副題を読みますと内容が少しは見えるでしょうか?
今回の連続講座では「調査カード」見本を配布します。
たった3回、受講されたみなさんに
30年を要した地蔵信仰調査の方法を伝えるのが
ボクの任務です。
写真図 地蔵信仰調査カード(大阪都市文化研究会調査時使用)
そこで調査カードに挙げる項目を
列挙します。
1 番号/2 異名/3 尊像の数/4 所在地 5 地蔵堂場所
6 外観調査 7 祭祀組織/8 地蔵盆/9 地蔵盆以外の年中行事
10 信仰内容 ①祈願 ②願掛け作法 ③霊験(利生ほか)
11 由来 ①造立 ②命名 ③移し祀り ④霊験 ⑤現在の祭祀
《3 尊像の数》は①地蔵の数で解説しましょう。
お地蔵さんでないお地蔵さんが祀られています。
オンカカカビサンマエイソワカを唱えて
お地蔵さんの赤いよだれかけをめくってみますと
現れましたのは、大日如来像であったり、五輪塔であったりするのが
お地蔵さん調査のおもしろいところです。
なぜ、地蔵化するのでしょう?
《2 異名》など⑩人名を冠する地蔵尊
このあたりを材料にお話ししましょう。
異名はお地蔵さんのニックネームのようなものです。
死後、お地蔵さんとして祀られた方がいます。
生前、いかなる生き方をされたのでしょう?
人名を冠する地蔵尊の正体は何なのでしょう?
《10 信仰内容 ④霊験》など
⑧霊異なる石、⑨石の意思によりますと、
石の地蔵さんは
石に託された不思議なパワーの宿るモノで、
地蔵堂はパワースポットでもあります。
いったい、どのようにして占うのでしょう?
もしかしたら通天閣展望台のビリケンさんに
会いに行けばわかるかも知れません。
民俗学では、神も仏も区別しません。
試すことは祈ることに通じます。
《11 由来》を聞き書きしていますと
時々、凶事に見舞われる話を聞きます。
それは「祟り」なんです。
正しくは示現です。
お地蔵さんから「祀ってくれ」というサインです。
はたしてお地蔵さんからからのサインは
いかなる出来事を発生させるのでしょうか?
もちろん、多くの場合、子供に生じます。
お地蔵さんを媒体にして
人間社会における共同の幻想を話します。
いくらでもお話しする材料はございます。
気楽にお申し込み下さい。
「大阪のお地蔵さんの世界」は、
3回セットでの講座です。
受講料 3回 7130円です。
お申し込み・お問い合わせは
毎日文化センターまで。
電話:06-6346-8700
FAX:06-6346-8703
来週水曜日11日スタートです。
お急ぎ下さい。
大阪民俗学研究会代表 田野 登