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2024/07/31 15:00 / [現在値] 10,535円 [前日比] 390円 [出来高] 5,377,100株

電子部品大手で、HDD用磁気ヘッド、コンデンサーなど受動部品、2次電池のほか、センサーにも注力しております。

7/30発表の25年3月期第1四半期(24/4-6)決算で、売上高は518,809百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は57,872百万円(同120.0%増)でした。受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品の3つのセグメントで、ICT市場における部品需要の回復等により前年同期と比べ増収となった一方、エナジー応用製品セグメントは、材料価格下落に伴う売価低下の影響等により減収です。利益では、大幅な円安やICT市場向け製品の出荷増に加え、合理化や前期に行った構造改革効果等が寄与し大幅増益となりました。通期予想に対する進捗率は、売上高24.6%(前年同期比25.5%)、営業利益32.1%(同17.5%)になっております。

5月には新中期経営計画を発表しておりますが、位置づけは、長期ビジョン実現のための事業基盤強化の期間としております。主なポイントとしては、①キャッシュ・フロー経営の強化、②事業ポートフォリオマネジメントの強化(ROIC経営の強化、③フェライトツリーの進化(未財務資本の強化)です。

成長牽引事業の成長戦略では、①モビリティ関連のMLCC受動部品で、高信頼性製品の供給能力の継続向上、高付加価値製品の継続投入。TMRセンサで、パワステ等高精度モーター用角度センサ、xEV用電流センサ。モーションセンサで、設計能力を活かし、ADAS機能用高性能MU。②ICT関連のTMRセンサで、スマートフォン等ICTデバイス向け顧客基盤の拡大。小型二次電池で、最先端技術の継続的投入、コスト競争力を支える製造技術のさらなる強化。③産業機器関連の中型二次電池で、JVの本格稼働開始、パワーツール、電動バイク、ESSなど多様な要求に対応できる製品ラインナップの強化、家庭用SS市場から、産業用・商業用SSへの展開、などに取り組みます。財務目標としては、27年3月期に、売上高2,500,000百万円(25年3月期予想比18.7%増)を目標にしております。

FORTUNE BUSINESS INSIGHTSでは、世界の電子部品市場規模は、23年に3,639億3,000万米ドルと評価され、24年の3,936億3,000万米ドルから 32年までに8,478億8,000万米ドルに成長すると予測しており、予測期間(24~32年)中に10.1%のCAGRを示すとしておりますので、今後同社の商機も拡大が見込めそうです。

また、決算とあわせて9/30を基準日として10/1付で1株を5株に分割することも発表しておりますので、分割に伴う株価の低下で買いやすさから、新NISAなどを通じた個人投資家の買い需要も取り込めるとみております。

テクニカル面では、日足RCI9日線は売られすぎ水準-80%割れから反発するなか、25日線突破に差し掛かっております。週足・月足では、短期・中期・長期線が上向くパーフェクトオーダーを形成中で、中長期での上昇トレンドが継続する中、目先調整完了と判断。