6597 HPCシステムズ

2021/11/01 15:00 / [現在値] 3,905円 [前日比] -50円 [出来高] 72,900株

HPC事業(HPC・Deep Learning・AI製品&サービスの提供を通して多角的に顧客の研究開発や解析業務を加速支援)と、CTO事業(産業用コンピュータ・Edge IoT・Deep Learning・AI製品&サービスの提供を通して多角的に顧客の製品開発、量産を加速支援)を展開。

8/12に発表した22年6月期業績予想は、売上高が前期比10.2%増の6,425百万円、営業利益が同10.2%増の745百万円と2桁増収増益見通しです。新型コロナウイルス感染症の収束とその後の景気回復、世界的な半導体および周辺電子部品の入手性悪化等先行き不透明な状況であるものの、計算科学シミュレーション、クラウド、AI、ディープラーニング、ビッグデータ処理などに対する大学・官公庁や民間企業の研究開発、設備投資は拡大傾向にあります。

決算とあわせ同社初となる「中期経営計画Vision2024」を公表。基本方針として、スーパーコンピュータからエッジコンピュータまでのコンピュータサイエンスを駆使したソリューションを提供し、顧客の学術基礎研究から産業界の先端研究開発を加速支援する国内ニッチトップ企業としてポジションを確立することを掲げております。

重点施策の、①中核事業の進化、②持続的成長を支える人財育成・人財採用、③新規事業の創出、④経営基盤の強化、⑤海外への進出、を推進するにあたり、上限10億円の積極的な成長投資を行う方針です。③では、中核事業のシナジーを活かした機械学習・AI領域の事業創出のほか、業務提携を拡大・推進する方針ですので、M&Aなどの材料も期待できそうです。最終年度の24年6月期の売上高は今期予想比55%増の10,000百万円、営業利益は同71%増の1,280百万円を計画。

10/17の日経新聞が、「経済安保へ1000億円規模の基金 政府、AIなど育成(中略)重要分野を定め研究開発から実証実験、実用化までを推進する資金を大学や企業に拠出する。経済安保に特化した基金は初めて。」と報じたほか、岸田総理は10月の所信表明演説で、世界最高水準の研究大学を形成するため、十兆円規模の大学ファンドを年度内に設置し、デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行う方針を示しております。

同社ではバランスの取れた広範な産業分野、大学、公的研究機関、省庁の顧客基盤を構築しておりますが、大学/公的研究機関などの科学技術・基礎研究などに提供するCSS(Computer Science Solution)分野の前期売上高は全体の3割近くを占める最大セグメントとなっており、中長期で国策の追い風が期待できるとみております。

テクニカル面では、日足で節目4000円付近でのもみ合い調整が続いております。週足では10月以降、13週線が反発に転じたことで、短・中・長期線が揃って上昇基調となるパーフェクトオーダーが示現しており、中長期で上昇トレンドの継続が見込めると判断。