G1ホースが出ないトライアルだからこそ…なレース-ローズS-

ユーバーレーベンは秋華賞へ直行。

ソダシは札幌記念から秋華賞。

春の実力馬が不在のG2なので、
そのスキを狙って、
クラシックに間に合わなかった馬
大挙して出走してくる。


さながら
「一番強いのは誰だ?
夏の上がり馬女王決定戦!」

みたいな状況だ。


しかもヴィルシーナを筆頭に、
ノーザンファーム系の重賞馬の仔
いたりするなかなかハイレベルな1戦。

例年のように
春の有力馬が出てこない代わりに、
この夏頑張ってきた馬が集まっている。

正直言って、
難しいレースだと思う。



JRAもそんなファンの心境を察してか、
3日開催の中日に
ローズSを持ってきているので、
「外れても月曜のセントライト記念で
取り返してね(はぁと)」
と、
言われているような気がしてならないのだが…。


ちなみに、
1番人気に支持されそうなのは、
オークスで5着に入った
アールドヴィーヴル。

他の馬が横一線で
比較がしづらいのなら、
春の実績馬から馬券を組み立てるのは
正攻法と言えるだろう。


実際1勝馬なので、
勝ち星では他馬に
遅れを取っているケースもあるが、
桜花賞・オークスで5着は
ここでは十分胸を張れるもの。

人気を集めない訳はないと思う。


ただ・・・この馬を
軸に据える前提で話を進めるのは、
現状キケンな気がしているのもまた事実で、
驚くべきことにアールドヴィーヴル、
実はデビューの段階から、
オークスまで体重が増えるどころか、
どんどん減っている。


デビュー戦は446キロだったが、
数字が減っていき、

オークスでは422キロ。

人間で言えば「成長期」とも
言える段階に入っているにも関わらず、
馬体重が増えないのは
正直言って、懸念材料。


もちろん、ひと夏越えて
大きくなっているのなら問題はないけれど、
レース直前に馬体重を見て
頭を抱える事態は避けたいところ。

3歳秋の段階で成長力が無い
馬を本命視するのは、
自殺行為に近い
ので、
江戸川さんとしては
別の馬を軸に物事を考えている。


個人的にアールドヴィーヴルより
狙いやすいのは、
オークスで4着に入った
タガノパッション。


当時は10番人気。

最後の直線だけ
全力疾走したような印象
で、
今回1番人気になりきれていないが、
これまでの全4戦で3回
上がり最速をマークしているだけでなく、
デビュー自体が今年の3月と遅めだった。


3月20日に既走馬相手に
デビューして3着、
そこから5月23日の
オークス出走までこぎ着けたのだから、
「非凡さ」を持っていることは明らか。

ゲートがあまり上手くないので、
末脚勝負になっている面も
否定できないけれど、
直線の長い中京ならカバーできるし、
スタートが改善されているなら、
直線の短い秋華賞でも
期待できる素材だと思う。



「タガノ」の冠名が付いているが、
牝系にダイナサッシュを
抱えていることからもわかるように、
ステイゴールドや
サッカーボーイ(古いか?)を生んだ
「社台ファーム」の名門血統出身の馬でもある。

キャリアは浅いが、
地道に未勝利、1勝クラスを
勝ち上がってきた馬とは、
元値というか
ポテンシャルが違う可能性がある。


軸に据えるなら
タガノパッションにするつもりだ。


また穴馬として期待したいのは、
手前味噌で申し訳ないが、
元POG指名馬のエンスージアズム。

そもそもフラワーカップでは
オークス馬のユーバーレーベンに
先着した実績もあり、
重賞でも十分やれるはずの馬。


揉まれ弱い面があるのは否定しないが、
外目の枠に入ればチャンスはあると見ている。


実際、大半の出走馬は、
ここで権利を得ないと秋華賞に進めない。


多少の無茶をしても…
という陣営がいくつあるかで、
レースの流れは大きく変わると思う。

荒れる原因がそこにあるなら、
左右のウイングを大きく広げて、
ローズSに挑んでいきたい。