4974 タカラバイオ

2021/09/06 16:21 / [現在値] 3,235円 [前日比] -30円 [出来高] 224,900株

遺伝子・再生医療研究用試薬や理化学機器販売などを展開。8/3に発表した第1四半期決算で売上高は前期比220.1%増の15,272百万円、営業利益は同12倍の8,504百万円です。

試薬、機器および受託が増加したほか、売上構成の変化や生産稼働率の向上等により原価率が低下したことも寄与。あわせて通期業績予想を上方修正。売上高は50,500百万円から54,200百万円に、営業利益は14,000百万円から17,000百万円に、それぞれ7.3%、21.4%の上振れです。

売上高は、新型コロナの影響を受け低迷していた一般研究用試薬市場の回復に加え、新型コロナのPCR検査関連製品も増加。さらに遺伝子解析・検査関連受託などのCDMO事業が増加することが予想され、全体で計画を上回る見込みです。

昨年5月に「長期経営構想 2025」を策定。①事業領域の拡大(アカデミアなどの研究支援領域から、産業応用、臨床関連分野、さらに創薬へと事業領域を拡大させる)、②新技術の開発(研究用試薬などの新製品開発やCDMO事業の新メニューの開発を通じ、創薬基盤技術開発を進める)に取り組んでおります。

レポートオーシャンでは、世界の医薬品CDMO市場は、生物学的療法と特殊医薬品の需要の増加、医薬品開発におけるコスト管理の需要の増加、および医療費の増加により、2020年から2030年にかけて毎年6.9%成長し、2030年までに2,892億ドルに達すると試算しており、市場拡大の恩恵享受が見込めそうです。

CDMOを巡っては、経済産業省は2月にバイオ小委員会報告書「バイオテクノロジーが拓く『第五次産業革命』」を公表。医薬品産業におけるCDMO/CMOの競争力強化に取り組む方針を示しており、国策の追い風も期待できます。

また、総裁選に立候補を表明している岸田文雄前政調会長は2日にコロナ対策を公表し、「健康危機管理庁(仮称)」の設置や、予約不要の無料PCR検査所の拡大と在宅検査手段の普及などに取り組む方針を示しており、岸田関連のテーマ性からも注目が集まることになりそうです。

テクニカル面では、日足で5日線をサポートラインに上昇トレンドを形成しており、年初来高値3340円が目前です。月足ではMACDがゴールデンクロスを形成しており、中長期でトレンド転換機運が高まってきたと判断。