2160 ジーエヌアイグループ

2021/07/09 15:46 / [現在値] 2,030円 [前日比] 35円 [出来高] 677,100株

ゲノム解析に強みを持つバイオ創薬ベンチャー。5/17発表の第1四半期決算で売上収益は前期比82.2%増の3,872百万円、営業利益は同85.7%増の773百万円と大幅な増収増益です。

医薬品事業では、主力製品アイス-リュイの中国でのマーケティングキャンペーン効果により売上収益が大幅増となったほか、医療機器事業では、米国における事業環境の改善などが寄与。

通期予想(売上収益11,803百万円、営業利益1,220百万円)に対する進捗率はそれぞれ32%、63%と、前期(売上収益21%、営業利益27%)と比較して営業利益は高進捗で、上方修正期待も潜在です。

今後は肝線維症等治療薬F351(一般名:ヒドロニドン)の成長に注目。F351は中国国家薬品監督管理局(NMPA)から画期的治療薬に指定されております。これにより中国医薬品評価センター(CDE)からのサポートを優先的に受けられ、臨床試験の効率を改善するとともに、CDEから十分な開発プロセスアドバイザリーを享受できます。第3相臨床試験もまもなく開始予定です。

F351は、同社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な創薬候補化合物で、他の世界の主要医薬品市場へ臨床開発活動を拡大する戦略の重要な部分を占めていますが、中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国での特許権を保有しておりますので、今後の同社の成長を牽引するとみております。

また、事業のさらなる成長とグループ全体のシナジー効果を促進するため、第1四半期にBerkeley Advanced Biomaterials LLCの残存30%の株式を取得し、完全子会化したほか、革新的なタンパク質分解技術(Protac)分野の重要な創薬子会社Cullgen Incへの継続的な投資活動の一環として、がんなどの疾患に対する医薬品開発活動を拡大するための5,000万米ドルの資金調達にも参加。

さらに中国では傘下の北京コンチネント薬業有限公司が、21年後半に中国深圳証券取引所へ上場申請をすることを目指しておりますので、上場となれば含み益を評価する動きも期待できるとみております。

テクニカル面では、日足でRSIは売られすぎ水準とされる20%台まで低下しております。月足では、昨年末からサポートラインとなっている24月線付近に差し掛かっており、値幅調整完了は近いと判断。