6363 酉島製作所

2021/06/02 15:47 / [現在値] 917円 [前日比] 25円 [出来高] 75,100株

発電用高効率ポンプでは国内首位の大手ポンプメーカー。5/14発表の21年3月期決算で、売上高は前期比7.8%増の50,787百万円、営業利益は同194.3%増の3,591百万円と増収増益で、営業利益は過去最高を更新です。

インフラ整備などの公共事業が増加したことなどにより売上高が増加したほか、コロナ禍の影響で旅費交通費など固定費が大きく減少したことなどが寄与。

22年3月期予想は、売上高が前期比2.4%増の52,000百万円、営業利益が同0.2%増の 3,600百万円です。決算とあわせ2050長期ビジョンと2024中期経営計画(Beyond110)を発表。

長期ビジョンとして、2050年カーボンニュートラル社会への貢献と事業成長を両立させて、「社会に欠かせない企業」を目指すことを掲げております。

中期経営計画(Beyond110)では、短期ベースの社会貢献事業(既存技術のダントツ化)として、①スーパーエコポンプによる省エネ推進、②気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進、③TR-COMによるデータに基づくスマートメンテナンスの提供、④アンモニアを取扱うポンプの高機能化に、中・長期ベースの社会貢献事業(新技術開発の推進)として、⑤水素・CO2を取扱うポンプの研究開発(→市場への実機投入)、⑥風力発電事業への人・モノ・カネの投入(→洋上風力発電を含めたサービス事業の充実)に取り組む方針です。

2050年の脱炭素(カーボンニュートラル)社会を実現するために世界が取り組むCO2削減の具体策に照らし合わせると、「エネルギー効率改善」については①が、「再生可能エネルギー(水素・バイオマス以外)」については⑥が、「水素」については④、⑤が成長戦略となりそうです。

さらに「バイオマス」ではすでに受注実績があるほか、「CCUS(CO2回収・利用・貯蔵)」については、大量の取扱いのためには液化が必須で大型高圧のポンプのニーズが高まることになりそうですので、グローバルでの脱炭素化需要を取り込んだ成長が見込めるとみております。

予想PERは8.81倍、PBRは0.62倍と、東証1部の予想PER16.15倍、PBR1.31倍(ともに6/1時点) と比較して割安で水準訂正余地は十分です。

テクニカル面では、日足で一目均衡表の雲をサポートラインに反発局面です。週足では節目900円を上値抵抗線、52週線をサポートラインに三角持ち合いチャートも煮詰まってきており、中長期でトレンド転換機運が高まってきたと判断。