こんばんは。学習アドバイザーの佐藤正治です(^^)
ルームの方に書いたのですが、私がこの仕事をしているのは勉強を通じて子ども達に自信を持ってもらいたいからです。
ただ、今日「日本の子供の自尊感情はなぜ低いのか」という本を読んで、「バランスの取れた自尊感情を持つ」という奉加よりしっくり来るような気がしました。
この自尊感情という言葉はセルフ・エスティーム(self esteem)の訳語で、心理学の論文でよく使われる用語だそうです。
この自尊感情とは外見・正確・特技・長所短所・自分の持っている病気やハンディキャップなどすべての要素を包括した意味での自分を自分自身で考えると言うことです。
つまり、自分の良いところだけでなく、欠点も含めて自分を見るということです。
自分を高く見過ぎて調子に乗ったり我がままになるでもなく、欠点ばかりに意識を集中させて過剰に自分を低く見ることもなく、自分の良いところ悪いところをどちらも受けいれられる状況、私は子ども達にそういう状況になって欲しいと思っているのです。
しかし、そうはいってもこういう状況になるのは中々難しいのも事実です。
色々な調査によると日本の子供の自尊感情というのは低い傾向が強いそうです。
実際、私の経験でも、生徒に将来の夢を聞いても「普通でいい」とか「とくにない」と言う子が多かった記憶があります。
もちろん、私と子ども達の関係でうまく聞き出すことが出来なかったのかもしれません。
それでも、どこか「やってもムダ」とか「どうせ無理」という投げやりな雰囲気があるのが気になりました。
では、どうして日本の子供の自尊感情は低いのでしょうか?
この本では以下のような理由を挙げています。
1.親の自尊感情が低いこと、
親の自尊感情が低いと、子どもの短所に意識が向きやすくなり、その結果、子どもの自尊感情が低くなってしまうのではないかという考えです。
また、親の自尊感情が低いと自分に出来ないことを子どもに投影し、子どもに過剰に期待を掛けることに繋がりやすいのです。そのことが子どもにとってはプレッシャーとなり 被害者意識を持つようになってしまうこともあります。
2.学校の影響
子どもの発達速度にはどうしても差があります。そのため、一斉授業をしているとどうしてもついて行けない子が出てきます。
その時、フォローが出来ればよいのですが、出来ないでいると、そのことは関係なく授業が進んで言ってしまうことになります。いわゆるお客さん状態です。
こういう状態が続くと自尊感情が低くなってしまいます。
他にも原因となるものはありますが、不安感、恐怖感、孤独感、無力感と言ったマイナス感情がつづくと自尊感情が下がっていきます。
それでは、どうしたら下がってしまった自尊感情を高めることが出来るのでしょうか。
一つは子どもの話を聞くということです。
先日、話の聴き方のセミナーに行ってきました。ほんの2,3の注意点を受けて実際に参加者同士で話を聞く練習をしました。
それでも驚いたことに、参加者みなが普段とは違った話しやすさを感じて、とても気持ちが良くなったのです。
大人でさえそうなのですから、ましてや子どもが相手ならきちんと話を聞いたか聞いていないかで結果はまるで異なってくるでしょう。
きちんと話を聞いてポジティブな感情を持つようになれば、自尊感情も高まっていきます。
もう一つは自身の自尊感情を高めるいうことです。
もちろん、バランスが重要ですから高すぎるのもよくありませんが、低すぎるのもよくありません。
多くの人は低いことが多いので高める必要があるのです。
バランスの取れた自尊感情を持つことで、健全なコミュニケーションを取りやすくなります。
家族の仲が悪いと居場所がなくなることに繋がり、孤独感を高め、自尊心を下げます。
それが逆になれば自尊心を高めることに繋がります。
また、過剰な期待を子どもに掛けることもなくなり、プレッシャーを受けてしまうことにより、子どもが自尊心を下げることもありません。
さらに生活を規則正しくすることも自尊感情を高めます。
本を読んで、それらを全部実行すること、また今起きている問題を解決するためには社会そのもののあり方も変えていかねばならないところもあり、中々難しいとは思いました。
しかし、同時に子どもの話をしっかりと聞くと言った出来ることだけでも、少しずつ変わっていくのではないかとも思いました。
私自身、まだまだできていない部分が非常に多いのですが、少しずつでも出来るところを増やしていきたいと思いました。