こんばんは。学習アドバイザーの佐藤正治です(^^)
先日、書籍「ブレインルール」に載っていた記憶についてのお話しをしました。
今回も引き続き記憶について話していきたいと思います。
この本によると何かを思い出そうとした時、その記憶を探し出すのに二つのモデルが考えられています。
記憶を思い出すのは図書館型と警察型
一つは再生検索と言われる、図書館で本を選び出すように、特定の場所に保管された記憶を引き出すモデル。
もう一つは、警察が現場にのこされた様々な証拠をもとに犯人を推測するように、部分的な記憶をもとに元の記憶を組み立て直すというモデル。
この二つのモデルのどちらを用いて思い出すのかは、記憶してからの時期によるのではないかと考えられています。
記憶してからあまり時間が経っていない時期(せいぜい数日以内)の場合、前者の再生検索のモデルによって思い出されます。
それを過ぎて、段々と記憶が薄れてくると、後者の組み立て直して思い出すモデルに変わっていきます。
しかし、この後者の場合は「推理」[推測]といったプロセスを経るので必ずしも正確に思い出せるとは限りません。
では、どうしたら前者の再生検索を時間経ても出来るようになるのでしょうか?
記憶強化の王道は「間を空けて」繰り返すこと
それは繰り返し覚え直すことです。それも意図的に間隔を空けて繰り返すことが重要です。
例えば、宿題によく出るように英単語や漢字を一度に何十個も書くのではなく、一度記憶したら、間を空けてもう一度繰り返すのです。
どうして一度に何度も繰り返すよりも間隔を空けた方が効率がよいのでしょうか?
それは脳の性質のためです。
何かを覚えると脳神経の道(シナプス)が形成されます。しかし、すぐにまた覚えようとすると非常に変化しやすい記憶は上書きや混乱を起こしてしまい、記憶を妨げてしまうのです。
たとえて言えば、人一人やっと通れるような細い道に大勢の人が押し寄せた結果、道が踏み荒らされてしまうようなものです。
しかし、時間を空けて繰り返すことで、記憶する内容を再モデル化し、シナプスの繋がりを強固にするのだそうです。
同様に例えれば、少しずつ道幅を広げ、整備することで立派な広い道を作るようなものだと言うことです。
では、どのくらいの間隔を空ければよいかが問題となります。
個人差はあるようですが、最初の復習は直後、5~10分以内にした方が良いと言うことです。
その後は3~4日の間隔を置いて復習を繰り返すと良いと言うことです。
可能ならば自分で色々間隔を空けて実験してみると良いでしょう。
ただ、非常に手間がかかるので、面倒だというならばこの一般的な間隔で試してみるのも一つの方法です。
まずは一度、お子さんに試させてみてください。
少なくともこのような工夫をしない時より結果は良くなるはずです(^^)