プライミング記憶と手続き記憶 | 楽しく勉強をしよう!

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 こんにちは。学習アドバイザーの佐藤正治です(^^)
 
 
 さて、かなり間が空いてしまいましたが(^_^;今回は前回に引き続き、記憶の話の二回目、長期記憶についてです。
 
 長期記憶はさらに大きく二つに分けることができます。
 
 無意識に思い出す記憶意識的に思い出す記憶です。
 
 無意識に思い出す記憶にはプライミング記憶手続き記憶があります。
 
 プライミング記憶というのは、前に入力された情報が、そのあとの情報に影響を与えるような記憶のことを指します。
 
 例えば
 
「東京ディズニーランドではポップコーンに人気があります。ここのポップコーンは非常にたくさんの種類の味があるのです。普通は塩味のポップコーンしかありませんが、キャラメル味やイチゴ味など、ほかにはない味のポップーコソがあるのです。だからとても珍しく来場者にとても好評なのだそうです」
 
 この文章を読んで変なところはありませんでしたか?
 
 この文には「ポップコーン」という言葉が何度も出てきます。
 
 しかし、最後のものだけ「ポップーコソ」になっていることに気が付かれたでしょうか?
 
 初めに何度も「ポップコーン」という言葉が出てきたことで、似たような単語も同じ「ポップコーン」だと勘違いしてしまうのです。
 
 昔、「シカって10回言ってみて」(シカと10回言ってから)「サンタさんの乗っているのは?」と聞かれるとつい「トナカイ」と言ってしまう「10回クイズ」というのも同じしくみです。
 
 このように書くと余りよいことではないように思われるかもしれません。
 けれども、きちんと記憶に残るわけではありませんが、何度も同じ本を眺めていると、いきなり読み始めたときと比べて、しっかりと勉強した時に、理解や記憶がしやすくなると言う効果があります。
 
 もう一つの手続き記憶というのは、いわゆる「身体で覚える」と言われる記憶になります。
 
 例えば水泳や自転車の乗り方、楽器の弾き方などがこの手続き記憶になります。
 
 これらは初めのうちは意識的に身体を動かす必要がありますが、何度も練習を重ねていくうちに無意識に身体を動かせるようになるものです。
 
 通常の記憶は大脳に保存されていると考えられていますが、この記憶は小脳に保存されていると言われています。
 
 昔テレビで事故のため脳に障害を負って、新しく記憶することのできない男性についての番組がありました。
 彼は長期記憶に関係すると思われている部分の脳に障害を負ったため、長期の記憶を残すことができなくなったのです。そのため、今日何を食べたとか、誰に会ったというようなことは翌日になるとまたくわすれてしまうのです。
 
 しかし彼はこの事故に遭った後に、家具職人として働き始めました。長期の記憶を残すことができないにもかかわらず、新しく家具職人としての技能を身につけていったのです。

 職人の仕事は実際に身体を動かし、何度も繰り返して技術を高めていくものです。
 これはこのような手続き記憶の保存場所が長期記憶とことなる小脳にあるためこのようなことが起きるのだと考えられます。

 少し長くなってしまいましたので(^_^;もう一つの長期記憶、意識的に思い出す記憶についてはまた次回に続かせていただきます。