こんにちは。ご無沙汰しております。学習アドバイザーの佐藤正治です(^^)
新学期が始まり、地域によっては実力テストや模試が行われているところもあるようですね。
毎年ありがちなのが、夏休みに寸暇を惜しんで勉強したにもかかわらずに夏休み明けのテストで思ったような点数がとれずに落ち込み、志望校を下げてしまうという状況です。
しかし、これは絶対にやめてください。
定期テストと違って、実力テストや模擬試験や実力テストは非常に広い範囲から出題されます。
こういうテストに勉強の成果が現れるのには時間がかかります。2,3ヶ月おくれで結果が現れてきます。
勉強したことが成績に表れるには、しっかりと身につけるために問題練習を繰り返し、ばらばらだった知識がひとつに結びつくための時間と量が必要なのです。
そのため夏休みに勉強した成果がテストの点数として現れるのはもうしこし先のことになります。
ですから今回の実力テストや模試の点数が思ったような点数でなくてもあわてないでください。
このまま頑張って勉強を続ければ、必ず成績に結びついていきます。
すぐに成績に表れないのは不安だし、苦しいとは思いますが、やってきた問題集やノートを見て、自分の努力に自信を持てください。
さて、今回から何回かに分けて、記憶のしくみについて書いていきたいと思います。
記憶術とか勉強法というのは別に魔法とか超能力のようなものではなく、脳のしくみを利用したものに過ぎないということを知っておいてほしいからです。
そうすることで、より効率的な勉強ができるようになります。
まず、記憶の種類について書いていきます。
記憶を持続する時間から区別すると短期と長期に分けられます。
両者の間に明確な区別はありませんが、おおよそ1ヶ月以上持つかどうかが、長期と短期の違いといわれています。
勉強において「記憶した」といえるのは、長期記憶になったときです。
しかし、覚えたことすべてが長期記憶になるわけではありません。
短期記憶が長期記憶に変わるには「関所」を通らなければならないのです。
その記憶の関所が海馬です。ここで長期記憶に移行する記憶を選別するのです。
「何でそんなことをするんだろう。何でも長期記憶になれば勉強に苦労しないですむのに」
そう思う方も少なくないと思います(私もそうでした(^_^;)
しかし、何でも覚えてしまうと脳がいっぱいになってしまい、重要なことが覚えられなくなります。
記憶は脳の神経回路に保存されていますが、ひとつの回路にはひとつの記憶しか保存されません。使いやすい回路から順番に使われていき、だんだんと使いにくい回路が残されていきます。
そのため年をとると使いにくい回路しか記憶の保存場所として残されていないため、物覚えが悪くなるのだといわれています。
(ドラゴンボールの主題歌で「頭空っぽの方が夢詰め込める」という歌詞がありましたが、このしくみから考えると正しい歌詞かもしれません(笑))
ですから、何でも長期記憶に保存するのではなく「重要な記憶」のみを保存するようにしているのです。
では、海馬は何を基準に「重要な記憶」かどうかを判断するのでしょうか。
まだ、ここが明確にわかっているわけではないのですが、その基準のひとつは「感情」といわれています。
海馬の近くに扁桃核という部分があります。
この扁桃核は記憶を司る部分といわれています。
感情の大きな変動があると、この扁桃核が海馬を刺激して、長期記憶への移行を促すといわれているのです。
これまでの記事でも何かを覚えるときには感情と結びつけて覚えると記憶に残りやすくなるということを何度か書いてきましたが、それはこのような理屈があるのです。
さて、次回は長期記憶についてもう少し細かく分類していきたいと思います。