"読む前の自分には戻れない"

という

衝撃的なフレーズに


あ、ガチで❓って感じで

興味を持ち

購入してみました


結論から言いますと

確かに戻れないですね

"多様性"について考え直す

良いキッカケになるから

一度は 読んだ方がいい本だと思います


僅かにですが、ずっと気になってました

特殊性愛の人たちって

本人の意思に関係なく

そのように生まれた

ってだけで

社会から疎まれる存在になるから

なかなかに大変だろうと


もう犯人の名前も忘れてしまいましたが

実際に起きた

小児性愛者が 少女への暴行殺人で

死刑になった事件で

その犯人の父親が

以前からそういう性癖であることに

気づいていたが

だからといって 息子を殺すこともできず

と話していたことが

印象的でした


罪のない幼い命を奪った犯行は

身の毛がよだつほどに

自己中心的で許されることではないですが

犯人の親が言わんとしていたことは

理解できる

罪を犯せば 法により裁かれますが

それ以前の生活の中では

いくら親でも 息子の性愛を矯正することは

不可能に近いし

それだけの理由で

息子を殺すことはできないだろうと

そして 社会は

そんな特殊な人たちを

どこかに隔離したいと願い 存在を遠ざけます


本の中の

"日本で、男で、五体満足な

異性愛者に生まれる。

これで、社会にはびこる理不尽から

九割は免れることができる。"

という言葉が

刺さる理由です


圧倒的多数に支持される性愛を持ち

生まれてくることの

安堵感、幸福感に

多数派の人間は気づかずに生涯を過ごし

一方で マイノリティの人たちは

ますます孤立します


この本の主人公も

"どう頑張っても今から

性的対象が異性の人間になるなんて

奇跡は起きない"と

誰にも理解されることはないと

人生を諦めて生きています


"水フェチ"が題材になっていますが

そういえば

エッフェル塔と結婚した

無生物にしか性的魅力を感じない

"対物性愛"の女性がいたし

二次元だと思っていた

初音ミクさんと

結婚した男性もいる


もっと言えば 相手が苦しむ姿を見て

興奮する人だっています


要するに多様性で

もちろん犯罪はダメですが

人に迷惑をかけない範囲なら

 性的指向への

寛容性も社会には必要なのかも


いや、どこまでなら許されるのか

線引きが難しいよねって

考えてる時点で

結局、私は多数派の人間

本来ならそこに

境界線なんて存在しないはずなので

マイノリティを完全に理解することは

困難なようです