残留確定して思う。 | 名前をつけてやる。

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本当はそれで本当はそのままで何もかも素晴らしいのに。

大変なシーズンでしたが、J2残留を決めてくれました。

 

本当にアンフェアな状況だった。

 

日本中のサッカーファミリーの温かい後押しは本当にありがたかったですが、

結局Jリーグ側は「熊本という局所で起きた災害だから、しばらく待ってやる

し今期の赤字は不問にしてやるけど、出来なかった日程はどこかで消化し

なきゃならんしそれで負け続けるんだったら黙ってJ3に落ちていけ」という

回答をしてきたのであって、色々なエクスキューズはあるとしても本質は

変わらないと思う。

 

一か月ろくに練習もできずに実家が全壊した選手もいて、東日本大震災とは

異なりその間にほかのチームは日程を進めていて。

震災後に消化できなかったゲームは、最も不得手としている夏場のミッドウイーク

に組み込まざるを得なくて。

 

それだけではなく、昨年は毎週テストマッチを組んで控え組の底上げや試合勘の

維持を図っていたところ、今期の過密日程でそれも出来ず。

天皇杯での周平や鈴木の出来を見るにつけ、そこも相当大きな損失だったと思う。

 

正直なところ、よく残留してくれたというのが本音だし、開幕ダッシュがなければその

まま降格の淵まで落ちていた可能性は相当高かったろう。

それぐらいのハンディキャップを、熊本は負うていた。

 

熊本一チームだけが、ハンディキャップを負い続けてシーズンを進めていた。

 

Jリーグは、本気で考えたほうがいいのではないか。

 

あの後、震度六弱の地震が鳥取県でも起きた。

過去には大火や水害なども日本では起きており、局所的に甚大な被害が出て、ある

一チームが今期のロアッソのように、一方的に不利益を被る可能性はある。

 

うちは残れたからいい。

ほかの土地で同じことが起きたら、また同じハンディキャップマッチを強いるのか。

 

震災直後に山本昌邦氏が「今期の熊本が残留できれば、優勝ぐらいの価値がある」

「Jリーグは、現時点で熊本を残留させる措置を考えてもいいのでは」と書いていた。

 

例えば「J1昇格を断念すれば、今期のJ3降格はないこととする」みたいに、当該クラブ

に選択肢を与えてもいいと思うんだけど、何か考えないといずれ悲劇が起きると思う。

 

 

ともあれ。

今年の熊本は、降格してはいけなかった。

 

まだまだ小さなクラブだし、今後そういう危機はあるかもしれないし、ぶっちゃけ落ちる

可能性だってあると思う。

 

でも今年だけは、絶対に降格してはいけなかった。

そこをしっかり守ってくれた。

 

つい最近、「確かに今年はちょっとしたイレギュラーがあったけど」みたいなことを

某所に書いてあるのを見たけど。

 

全然ちょっとしたイレギュラーなんかではなかったと思うし。

先述したように、震災後一か月にとどまらず、夏場もそのあとの選手層の底上げと

いう意味でもダメージを与え続ける、本当に致命的に近いハンデだった。

 

おそらく被災民であろう、サポーターにも一部そういう物言いをする人がいる状況。

これは今の熊本で感じてる温度差ではあるので、仕方ないとは思うんだけど。

 

それでも、そもそも監督も選手たちも、そのことを言い訳にはせず。

ひたすら被災地を背負って戦い続けてくれたのであって。

 

本当に今期を走り切ってくれた選手たちに感謝したいと思います。

 

今期の復帰直後の千葉戦や町田戦。

過密日程解消後も熊本ゴールに刺さり続けた相手のスーパーゴール。

 

その都度、サッカーに神様なんていないと思ったけど。

 

最後、ホームでカモンロッソできたのは、頑張った選手やサポーターへのささやかな

ご褒美だったのかも知れませんね。