スラングというのは、会話で使われることばです。
当たり前なことを書きましたが、そんな気軽に使えることばなんですから、スラングはそんなに長いものにはならないのが普通です。
そんなスラングのなかには、たった1ワード、つまり1単語だけですんでしまうものがいっぱいあります。
これまでこのブログでもスラングを紹介してきましたが、1ワードだけのものもけっこうありましたよね
日本語でも、「了解!」のことを「り!」とLINEで書くというようなことがありますが、できるだけ短いことばでというのは、日本でも世界でも同じなようです。
今回は、今まで取り上げていなかったスラングで、たった1ワードのものを書いていきたいと思います
いつものとおり、ちょっとした説明も添えて紹介します。
・Amen
「アーメン」と読みますが、「アーメン」というのはキリスト教の祈りの締めくくりで使われることばですよね?
キリスト教とはあまりなじみがない日本でも、このことばだけは聞いたことがある人は多いことでしょう。
自分も結婚式会場となった教会で、神父さんがこれを言ったのを聞いたことがあります
このことばが転じてスラングになったわけなんですが、相手の言ったことに対して「それはいいね」「それに賛成!」というポジティブな反応をするときに使われます。
「明日、●●に行こうよ」と言われたときや、「昨日のテスト、合格したんや」と言われたときなどにAmen!と言うと、相手の人も喜ぶというわけですね
キリスト教のことばをスラングにするなんて、なんとも英語圏らしい発想ですね。
・Bummer
これは相手が話した内容について「お気の毒ですね」と同情するときに使うスラングです。
学校で習うものとしてThat's too bad.というのがありますが、まさにこれと同じように使えるというわけです。
bummerという単語自体に「がっかりさせるようなこと」という意味があるそうです。
そこから考えると、こういう意味になるのも納得ですよね
ちなみに、What a bummer!とかThat's a bummer.という言いかたもあるみたいですよ。
・Check
スラングとしては、これは「了解!」という意味で使われます(まさにさっき出てきた「り!」と同じですね)。
もともとはパイロットの専門用語だったようで、機器の「チェック」OKというものから転じたようです。
そこから、相手の依頼に対してOKの返事をするときに使われるようになったみたいです
ちなみに、これと同じ意味として使われるスラングにGotcha.というのもあります。
I've got you.が短くなってできたスラングで、これも相手が頼んだことについて「わかったよ」という返事として使われるわけです。
このスラングもけっこう有名になってきているような気がします
・Damn
「ちくしょう!」という意味で使われるスラングで、これはなんとなく知ってるという人も多い気がします。
God damn it!という表現があり、そこからできたんじゃないかと勝手に予想しているんですが、どうですかね?
プロレスラーの蝶野正洋さんなどが「ガッデム!」って言ったのを聞いたことがある人も多いかと思いますが、まさにこれがGod damn it!のことです。
god(神)という単語もあり、とくに信仰にあつい人もいるかもしれないのでタブー表現となっているような気もするんですが、Damnはふつうに使われていることもあるみたいです(日本人はあまりむやみに使わないほうがいい気もしますが)
これも、似た意味のスラングがあって、crapというのがあります。
「クソ」という意味で、英和辞典によっては本当にこの意味として紹介しているものもあります。
日本語でも、ちょっとしくったときに「クソ!」というときがありますが、まさにその感覚で使われるわけですね。
決して上品な表現ではないですけども
・Ditto
横書きの文章を読んでいるときに、「〃」という記号を見かけたことはあるかと思います。
上の行に書かれていることとまったく同じ内容を書くときに、この記号で済ませてラクをすることができますよね
カタカナの「ノ」が2つ並んでいるように見えることから、日本語ではこれを「ノノ字点」というそうなんですが、英語ではこの記号のことをdittoといいます。
これが会話で使われるということは、相手が「私は●●だと思う」などと話したことについて、自分もそれとまったく同じ内容のことを言うということになりますよね?
というわけで、このdittoは、スラングとして使われるときは「大賛成!」という意味で使われます。
「私もあなたとまったく同じ内容のことを思ってたんです」ということになるわけですからね
・Freeze
freezeとは、もともとは「凍結」という意味の単語です。
スラングでは、命令文としてこれが使われることが多い気がするんですが、相手に対して「凍結した状態になれ!」と命令しているということは、どういうことかわかりますか
そうです、「動くな!」という意味になるわけですね。
海外ドラマとか洋画で、警察が銃を犯人に向けながらFreeze!と言っているシーンもあるほど、けっこう定着しているスラングなようです。
どこかで読んだことがあるんですが、日本人留学生が銃を向けられてFreeze!と言われていたのに、その意味がわからなかったのか聞き取れなかったのかは忘れましたが、それが原因で本当に撃たれてしまったというエピソードがあったそうです
(事実かどうかまでは確認していませんが)
・Kudos
これは「賞賛、名誉」をあらわすギリシア語のkydosからできたスラングなんだそうです。
ギリシア語から借りてというのがなんとも意外ですね
「おめでとう」という意味で使われます。
Kudos to you!なんて言いかたもあるみたいです。
ちなみに、祝うときに「おめでとう」という表現として、日本の学校で習う表現としてはCongratulations!が思いつきますよね?
Congratulations!もKudos!も、どっちも複数形のsが必要になるということには注意してください
・Nope
なんかこのスラングは、過去のこのブログでも取り上げたことがあったような気もするんですが、どうでしょうかね?
これは「いいえ」という返事に使われるスラングです
Noとまったく同じということになりますが、「Noのほうが短くて言いやすいと思うんだけどなあ」と思うのは自分だけでしょうか?(笑)
では、ちょっとクイズですが、「はい」という返事に使われるスラング(つまりYesとまったく同じもの)は何かわかりますか?
(絶対みなさんも知っているものです)
答えはYeahです。
・Nada
これはスペイン語からできたスラングです。
アメリカはメキシコと国境を接していますが、メキシコの国語はスペイン語なんで、スペイン語からできたスラングはけっこうあるみたいです。
nadaはスペイン語で「無い」という意味をあらわす単語なんだそうです。
なので、この1ワードで「なんでもないよ」ということが示せるわけです。
自分がボソボソっと何かつぶやいて、友だちなどから「え、何か言った?」なんて言われたときに「いや、なんでもない」って返事すること、ありますよね?
そのときに使えるわけです。
ちなみに、これとほぼ同じ意味として使えるスラングにZlich.とかZip.というものもあるそうです。
さらに豆知識みたいな感じで付け加えると、zipにはスポーツでの「0点」という意味で使われることもあるそうですよ。