タイトルに「否定・倒置など」と書いているのですが、高校英語の「サクッと演習」シリーズで取り上げるテーマは、タイトルに書かれていない「話法」です(笑)
話法で取り上げるような項目はそんなに多くないので、一応「否定・倒置など」とあるように、「など」に含めています
話法の転換について今回はやっていくわけなのですが、問題のパターンとしては、「同じ意味になるように書き換えなさい」というので見かけることが多いかなと思います。
今回はそのなかでも、まず基本的なもの、初歩のものを取り上げますのでやってみましょう
チェック問題
それぞれの(a)(b)が同じ意味になるように( )内に適切な語句を入れてください。
1.(四天王寺大学)
(a)He said to me, "You will be sorry for it."
(b)He ( ) me that ( ) ( ) be sorry for it.
2.(関西大学)
(a)He said to me, "Don't call me after ten."
(b)He told me ( ) ( ) call ( ) after ten.
3.(岡山理科大学)
(a)He said to me, "Close the window, please."
(b)He ( ) me ( ) ( ) the window.
解説・日本語訳
1.人の発言内容を" "を使って、そのまま述べる書き方を直接話法、そうせずに「~という内容のことを言っていました」と述べる書き方を間接話法といいます。
チェック問題にある3問はすべて(a)は直接話法で書かれていますが、直接話法から間接話法に書き換えるときに注意すべきところは4つあります。
1、述語動詞(「彼は~と言ってました」の「言ってました」の部分)をsay(言う)から書き換える
2、せりふ内にある代名詞はだれのことを指しているのか考え、適切な代名詞に変える
3、せりふ内にある動詞や助動詞について、現在形なら過去形に、過去形なら過去完了形に変える
4、tomorrow(明日)はthe next day(その次の日)、yesterday(昨日)はthe previous day(その前日)のように、せりふ内の時をあらわす語句については適切なものに変える
おおまかにまとめるとこのようになります。
それにそって解いていきましょう。
まず1、ですが、話法を書き換えるときにふつう使われる動詞はtellですので、ここでは過去形のtoldにして使います((a)の文では「言った」と過去形になってるので)。
そして、2、についてですが、せりふ内にはYou(あなた)というのがありますが、「あなた」とは誰のことでしょうか?
「彼」にあたる人が「あなた」と話し相手に向かって言ってるわけですが、その話し相手になっていたのは、問題文になっているその文を書いた本人のはずです。
ということは、「私」のことを言っていることになるので、YouはIに変えなければなりません。
3、についてはせりふ内にはwillというのが使われています。
「言った」と過去形になっているということで、tellは過去形にしてtoldにして使うとさっきありましたが、ここでもそれにあわせてwillをその過去形のwouldにして使います。
そして、せりふ内には時をあらわす語句はありませんから、4、については気にしないでいいでしょう。
よって、空所には前から順にtold、I、wouldが入ります。
日本語訳は
「彼は私に、私がそれのことで後悔するだろうということを言いました」
です。
ポイント
話法の書き換えでは、述語動詞、せりふ内の時制と代名詞と時をあらわす語句が変えるポイント
2.これも直接話法から書き換えるパターンですが、今回は" "内のせりふは命令文になっています。
さっきの1、に書いた述語動詞の書き換えですが、これは" "内のせりふによって使う動詞が変わりますから、そこに注意していきましょう。
ふつうの命令文の場合でもtellという動詞を使うのですが、tell A to不定詞 ~、つまり「Aに~するよう言う」という構文を使います。
せりふ内ではcall me after tenとあるので、to不定詞になるのはto callだと考えることができるでしょう。
しかし、よく見ると、せりふはDon'tで始まっており、「~するな」と言っています。
よって、to不定詞の前にnotをおいて、not to callとする必要がありますね(これで「callしないように言う」という意味になり、(a)の文と同じ意味にすることができます)。
そして、2、についてになりますが、せりふ内にはme(私)というのがあります。
「彼」にあたる人が「私」と言っているわけですから、これが指しているのは「彼」本人のことです。
よって、meはhimにしないといけません。
to不定詞を使った形にしたので、さっきの3、で書いた時制を変えるということはしなくて大丈夫です(不定詞に過去形や過去完了形はありませんので)。
そして、4、についても気にする必要はここではないでしょう。
以上より、空所には前から順にnot、to、himが入ります。
日本語訳は
「彼は、10時以降に電話しないよう私に言いました」
です。
ポイント
命令文のせりふがある書き換えでは、tell A to不定詞 ~を使う
3.これも直接話法から書き換えるパターンで、今回は" "内のせりふは命令文にはなっているのですが、pleaseが使われていることが2.とちがっています。
さっきの2.では、命令文のせりふの場合はtell A to不定詞 ~を使って書き換えると説明しましたが、pleaseが使われている場合は、これと少しちがう構文を使って書き換えます。
ask A to不定詞 ~(Aに~するよう頼む)という構文を使います。
この問題なら、to不定詞のところはto close the windowとなりますね。
そして、この問題では、せりふ内には代名詞がありませんし、to不定詞を使った形に書き換えるわけなので、時制を変える必要もありません。
よって、空所には前から順にasked、to、closeが入るとわかります。
日本語訳は
「彼は私に窓を閉めるよう頼みました」
です。
ポイント
pleaseがある文のせりふがある書き換えでは、ask A to不定詞 ~を使う