ジロと向かい合って

二人きりで夕飯を食べていた時。

 

 

大いに喋りながら、

豚肉を食べていたジロが、

口の中のものを

吐きだそうとしていました。

 

 

 

え。

どうしたの?

 

 

 

途端に目の前で、

苦しそうにし始めました。

 

 

 

豚肉がのどに詰まったんだ!!

 

 

 

ジロは、

かみ切る力が弱いし、

そもそもよくかまずに

飲み込もうとする人です。

 

 

 

今回は、

特売の厚切り豚肉。

 

 

 

 

そういう厚切りのお肉なんて

めったに買わないのですが、

いつも行かないスーパーで

ものすごく安かったので買ったのでした。

 

 

それを生姜焼きにしていました。

 

 

ジロはあんなに厚手の肉を

食べたのは初めてかもしれません。

それにものすごくよくしゃべっていましたので、

全くかまなかったかもしれない。

 

 

 

ともかくとっさに、

ヤバイと思った私は、

背後からジロの口の中に手を突っ込み、

必死に中の食べ物をつまみ出そうとしました。

 

 

なんとか、

2個くらいとれました。

 

 

 

ジロはまだ、

苦しそうにしていて、

キッチンの方にふらふら歩いていくので、

ついていって

うつぶせにして、

後ろから背中をバシバシたたきました。

 

 

 

宙吊りにして勢い良くたたく・・・

(ハイムリック法)

と知識はありましたが、

 

 

私より8cmくらい高い中3男子を

宙吊りにするのは不可能です。

 

 

 

マズイ。

死んじゃうかも。

 

 

 

・・・と思ったところで、

ジロが

「もう叩かなくていい」と言いました。

 

 

ほっ!!!!

 

 

先ほど掻きだしたお肉2きれが原因で、

私が無理やりとったのと、

のどに指を突っ込まれた違和感、

それに自分でも死にそうになった恐怖感で、

たぶん心配でキッチンまで行ったのかもしれません。

 

 

 

とりあえずお水飲んで!!

 

と言ったら飲みました。

 

 

 

僕、死ぬのかな?

 

 

というので、

喋れたら死なないよ。

呼吸できなくて死ぬんだから、

そういう人は喋れないから。

と言いました。

 

 

 

前、アナフィラキシーショックになったとき、

だんだん具合が悪くなってきて

2時間後くらいに血圧低下=意識喪失になったので、

 

これから徐々に具合悪くなったら

どうしよう?滝汗滝汗と思ったようです。

 

 

 

私は、

自分がとっさに、

一秒を争うと思ったからなのですが、

全く洗っていない手を

子どもののどに突っ込んだショック

(注:潔癖症なので)

 

その後数時間、ブルーな気持ちでした。

 

 

 

でも手袋をする余裕はなかった・・・・滝汗

 

 

 

ジロと一緒にいて、

これまでも数々のピンチを救ってきましたが、

今回は中3だし

本人もかなり自覚していたので

 

「お母さん、命の恩人だね」

と言われました。