輝コバルト鉱(Cobaltite) 大阪府豊能郡能勢町倉垣 小和田鉱山
硫化鉱物
輝コバルト鉱(Cobaltite)
大阪府豊能郡能勢町倉垣 小和田鉱山
Locality:Kowada mine, Kurakaki, Kowada mountain, Nose town, Toyono district, Settsu old county, Ôsaka prefecture, Kinki region, Japan.
(非売品) サイズはめっちゃちっさい.顕微鏡下での撮影.
Cobaltite 輝コバルト鉱
CoAsS
直方晶系.異極半面像.
硫化鉱物.
コバルトの重要な鉱石鉱物となる硫化鉱物の一つです.通常はスカルンや熱水鉱床より産することが多いですが,この標本は変成マンガン鉱床より産しました.鉱床となるほどの量は無く,標本的に若干産するだけの量しかありませんでした.
鉱山自体はジュラ紀の付加体の丹波帯の頁岩やチャート層に挟まってるようですが,坑道のある地点より北に数十メートル進むと剣尾花崗岩(おもに黒雲母花崗岩からなる)が分布しています.この花崗岩の貫入によって著しい熱変成を受けた鉱床だろうと思っています.直接は関係無いかもしれませんが,鉱山の北の背後に聳える小和田山の山頂付近は有馬層群瑠璃渓層の流紋岩および流紋岩質凝灰岩が乗っていて,その南に接して花崗岩が谷底に露出しています.マンガン鉱体は花崗岩との境界付近にあるようです.
標本はやや黒色の酸化被膜を伴った珪岩を鉱染したようなばら輝石―石英からなる塊状の集合で,その一部に最大径4㎜の粒が挟まっていました.
トゥチェク鉱(Tučekite) 栃木県鹿沼市上粕尾発光路鷹巣 鷹の巣鉱山
硫化鉱物
トゥチェク鉱(Tučekite)
栃木県鹿沼市上粕尾発光路鷹巣 鷹の巣鉱山
Locality:Takanosu Mn mine, Takanosu, Hokkôzi, Kami-Kasuo, Kanuma city, Tochigi prefecture, Kantô region, Japan.
(非売品)
Tučekite トゥチェク鉱
[分類] 硫化鉱物.ハウチェコルネ鉱グループ.
[組成] Ni2+9Sb3+2S8
[結晶・形態] 正方晶系.完面像.自形結晶および形態
は端面のある正方角柱状・板状・針状など.
錐面に条線が発達する.聚状・繊維状集合
などになる.
[色] 銀白色・鉛灰色など.錆びると帯黄真鍮色・
暗黄銅色などに変色する.
[光沢] 金属光沢.不透明.
[モース硬度] 6
[比重] 6.15
[劈開] 無し.
[条痕] 灰黒色.
[原産地] Kanowna goldfield, Kalgoorlie Shire,
Western Australia, Australia(TL).
[名称] チェコの自然史博物館のキュレーターだっ
た,カレル・トゥチェク(Karel Tuček 1906-1990)
に因む.
当ブログ内に散らばっていた硫化鉱物の投稿を「硫化鉱物」のカテゴリーに纏めました.鉱石標本や岩石標本のカテゴリーではどうしてもそこから外れてくる標本が出てきて,紹介できないためで,今回は「硫化鉱物」のカテゴリーを増やしました.
当ブログに掲載のある鉱物標本および岩石標本はすべて非売品です.1993年ごろから石集めをして30年以上経ちました.一時は8000点近くの標本があったのですが,現在は数をやや減らして3940点の鉱物・化石・岩石標本となりました.死蔵を避けるためと思って5年くらい前から画像を撮って,公開して行っています.
トゥチェク鉱は数年前の大阪ショーの時にサンプル購入した標本です.丹波のマンガン山では普通は採集しないような低品位鉱石で,ピンク色のばら輝石系統の鉱物が鉱染したように入った,いわゆる「ガラス」と呼ばれるものに外観が酷似していました.
珪岩を染めるピンク色の石はマンガンパイロスマライトでその一部に矢印で指示してありました.それを顕微鏡で拡大し撮影しました.
セリウムモナズ石(Monazite-Ce) 福島県石川郡玉川村川辺山森田 川辺鉱山
燐酸塩鉱物
セリウムモナズ石(Monazite-Ce)
福島県石川郡玉川村川辺山森田 川辺鉱山
Locality:Kawabe mine, Kawabe, Tamakawa village, Ishikawa district, Fukushima prefecture, Tôhoku region, Japan.
(非売品)
Monazite-Ce セリウムモナズ石
[分類} 燐酸塩鉱物.モナズ石スーパーグループ.
モナズ石グループ.
[組成] Ce3+[PO4]
化学組成の少量成分はランタン(La), ネオ
ジム(Nd),サマリウム(Sm),イットリウム(Y),
トリウム(Th)などが知られている.
[結晶・形態] 単斜晶系.完面像.自形結晶は単斜板状
や板柱状・擬六角板状・角柱状など.まれ
に楔型・擬菱面体なども知られている.
柱面の伸長方向に平行に条線が発達する
ものと,柱面に直角に発達するものがある.
双晶面a{100}の接触双晶が知られる.
ほか稀に貫入双晶をして十字型やX字型の
双晶が知られている.
蝶ネクタイ状・ロゼット状(ペグマタイト)・放射
状や球状・束状(熱水鉱床)・苔状・ぶどう状・
塊状などに集合する.
結晶およびその集合は脆い.
[色] 無色・白色・灰白色・乳白色・灰色・淡黄色・
黄色・灰黄色・黄橙色・黄褐色・淡褐色・茶
褐色・赤褐色・暗褐色・黒褐色・淡橙色・橙
色・赤橙色・灰緑・濃緑色・淡紅色・灰紅色
・深紅色・桃褐色・桃色など.
[光沢] 金剛光沢・ガラス光沢および亜ガラス光沢
~樹脂光沢.ものによって脂ぎった感のあ
るものもある.透明―不透明.
[モ―ス硬度] 5~5.5
[比重] 5~5.5
トリウム含有量の増減によって比重も変化.
[劈開] {100}に良好.
{010},{110},{101},{011}5方向に不明
瞭.
{001},{111}2方向に裂開あり.
[条痕] 無色・白色など.
[原産地] Ilmen Nature Reserve, Chelyabinsk oblast,
Russia(TL).
[名称] ルーツネームはギリシャ語の「孤独」の意に
因む.接尾辞の[-Ce]はのちに追加された.
[諸性質] トリウムの含有量の増減で若干の放射能が
ある.塩酸・硝酸・硫酸で分解.
レアアースを含む鉱石として比較的普通に産する鉱物の一つ.母岩に入っていればいいのですが,こちらは砂鉱からのものとのこと.砂鉱にしてはあまり川ズレしていない.
本邦から産する稀元素鉱物は色の悪いものが多く,あまり蒐集していないのですが,この標本は単斜晶系の教養用の標本として購入しました.



