ばら輝石(Rhodonite)Broken Hill mines, NSW, Australia
マンガン鉱物
ばら輝石(Rhodonite)
Locality: Broken Hill mines, Broken Hill district, Yancowinna county, New South Wales, Australia.
(非売品)
Rhodonite
ばら輝石
(Mn2+,Ca)Mn2+4[Si5O15]
三斜晶系.
イノ珪酸塩鉱物.
結晶モノが多い中で,海外産の塊状のばら輝石の標本を探していたところ,上の標本があって,購入しました.全体がばら輝石からなっていてほかの鉱物はほとんど含まれていないように見えました.
ばら輝石の類はばら輝石のほかに鉄ばら輝石・ヴィッティキ石・パイロクスマンガン石があって,肉眼ではほぼ見分けがつかない.それでも丹波帯のものは経験則でパイロクスマンガン石が多く,ばら輝石が少ないというのがあった.
上の標本は本邦で見る典型的なばら輝石の色から少し褐色味が強いので,鉄ばら輝石かもしれません.
パイロクスマンガン石 Morro da mina mine, MG, Brazil
マンガン鉱物
パイロクスマンガン石(Pyroxmangite)
Locality:Morro da mina mine, Conselheiro Lafaiete, Minas Gerais, Brazil.
(非売品)
Pyroxmangite
パイロクスマンガン石
(Mn2+,Fe2+)7[Si7O21]
三斜晶系.
イノ珪酸塩鉱物.
ブラジル産のパイロクスマンガン石.海外産ですが色彩が生えるので多少高価なのを無理して購入した標本です.小さいものが市場によく出回っていましたが,この標本は75㎜×60㎜×20㎜の黒箱にピタリサイズで,見ごたえがありました.
当初は結晶質で立派なので花崗岩質ペグマタイトから産したものとばかり思っていましたが,プレカンブリアンの結晶片岩に伴われる変成緑色岩中に胚胎する変成マンガン鉱床だそうで,鉱体や周辺部を花崗閃緑岩質岩やペグマタイト質岩,アプライト質岩の岩脈で切られているそうです.
標本はほぼ全体がパイロクスマンガン石からなる集合で,結晶面は確認していませんが,劈開がはっきりと観察できます.似た鉱物にヴィッティンキ石があって,これは分析しないと何とも言えないそうで,名称は元ラベルの表記通りにしています.
マイザー石(Miserite) Mont St-Hilaire, Quebec, Canada.
石の話
マイザー石(Miserite)
Locality:Poudrette quarry, Mont Saint-Hilaire, La Vallée-du-Richelieu RCM, Montérégie, Québec, Canada.
(非売品)
サイズ:31㎜×33㎜×15㎜.母岩全体の重量約16g.
Miserite マイザー石
[分類] イノ珪酸塩鉱物.
[組成] K1+1.5-X(Ca2+,Y3+,REE)5[(OH,F)2|Si2O7|Si6O15]・yH2O
化学組成の少量成分はアルミニウム(Al),イットリウム
(Y),ランタン(La),プラセオジム(Pr),ネオジウム(Nd),ユー
ロピウム(Eu),ジスプロシウム(Dy),エルビウム(Er),ツリ
ウム(Tu),ルテチウム(Lu),イッテルビウム(Yb),鉄(Fe),
マンガン(Mn)などが知られている.
[結晶・形態] 三斜晶系.自形結晶および形態は先細りの板状・板
柱状・長板状・角柱状・針状など.繊維の一部は湾曲
することがある.束状・繊維状・放射状・脈状・塊状集
合などになる.
[色] 帯紅白色・淡紅色・淡黄色・紅色・帯紫赤色・桃褐色・
桃色・赤褐色など.
[光沢] 単結晶はガラス光沢~亜ガラス光沢.繊維状集合は
絹糸光沢.透明―半透明.
[モ―ス硬度] 5.5~6
[比重] 2.84~2.93
[劈開] {100}に完全.{010}に不完全.
[条痕] 白色.
[原産地] North Wilson pit, Union Carbide mine, Wilson Springs
(Potash Sulfur Springs), Garland county, Arkansas,
USA(TL).
[名称] アメリカ地質調査所の地質学者だった
ヒュー・ディンスモア・マイザー
(Hugh Dinsmore Miser1884-1969)
に因む.
随分前に購入はしていたのですが,保存が悪くラベルと現物がばらばらになっていて,それを合わすのに時間を要してしまいました.ラベルの産地は有名な霞石閃長岩質ペグマタイトを産する現場ですが,当地ではこの鉱物は珍しい鉱物らしく,標本として残すことにしました.
標本の裏面に登録番号を振って貼り付けていたのがあとで役に立ちました.改めて登録番号を貼り付けて掃除した上で画像を撮影したので掲載します.
画像上部の灰緑色が大理石らしく,酸に発泡して可溶したのを確認しました.石灰岩と霞石閃長岩との接触部に白色~灰白色ガラス光沢の繊維状をなす珪灰石を伴う,灰紅色~桃褐色を呈する繊維状がマイザー石です.以前はコラ半島のものを持っていたのですが,母岩が小さいので手放しました.
顕微鏡下での拡大画像.ピンク色部がマイザー石です.拡大するともっと鮮やかに結晶や集合が出てくれると思って期待して撮影しましたが,この程度にしか映ってくれませんでした.
灰緑色の石灰質岩が霞石閃長岩に切られたのか,捕獲されたのかはこの標本だけでははっきりしませんが,暗緑色―暗灰緑色の柱状のエジリン輝石を境に霞石閃長岩が接しているのがよくわかる標本です.
接する霞石閃長岩は暗緑色―灰緑色ガラス光沢角柱状および針状のエジリン輝石(Aegirine)と白色―灰白色でやや粗い劈開を有する曹長石(Albite).無色~白色繊維状および針状でやや脂ぎったガラス光沢を呈するペクトライト(Pectolite),灰色でやや光沢の強い油脂光沢で不定形をなす霞石(Nepherine)に帯赤茶褐色ガラス光沢の粒状のユーディアル石系鉱物を伴っていました.
この鉱物,ほかのWed上のページで紫外線で蛍光するようなことがありました.盲点で未だ試していません.



