天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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針銀鉱(Acanthite) 鳥取県岩美郡岩美町荒金 岩美鉱山

硫化鉱物

 

 

 

 

 

 

 

針銀鉱(Acanthite)

鳥取県岩美郡岩美町荒金 岩美鉱山

Locality:Iwami mine, Arakane, Iwami town, Iwami district, Tottori prefecture, San-in region, Japan.

 

Acanthite

(非売品)

 

Acanthite 針銀鉱

Ag2S

単斜晶系

硫化鉱物

 

 産地が珍しいので16年くらい前に購入した標本です.まだ店を始める前でサラリーマンをしていた頃で,給金から結構な割合で支出していました.

 そのころ出会って,購入しました.売り手からは,「もともと鉱山の分析官が持っていたという標本で,産地名くらいしか判らない」とのことでした.

 その後にいろいろ古い文献で調べたところ,鳥取地震で坑内が落盤し多数の犠牲者が出たことと,その後は沈殿銅採取をしていたことなどが判った.

 その後に古い鉱床関係の本で,岩美鉱山から金銀鉱が発見された旨が記されていた.どういう鉱石なのかははっきりしませんでしたが,その文献の金銀鉱がこれに当るのだろうか.パラフィン紙が母岩にニカワで張り付けてあって,「岩美鉱山荒金山金鉱」とありました.おそらくこれがそうなのだろう.

 

 母岩は安山岩が熱水変質で腐ったような外観で,著しく珪化しているうえ,斑晶が融け落ちて細かい抜け殻状になっていました.銀黒様の一部に黄鉄鉱と閃亜鉛鉱があって,抜け殻状になった突起の一部に非常に細かい針銀鉱が付いていました.自然金もどこかにありそうで,硫化物が抜け落ち外壁にこびりついた褐鉄鉱中を顕微鏡で探しましたが,粒が小さいのか見つけられませんでした.

 裏面に鉄黒色亜金属光沢のレンズ状物質が飛び出したようについていたので,ハンマーで成形をかけた上,木っ端を紙やすりに擦りつけて条痕を見たところ,赤鉄鉱でした.

 

 

 

 

 

 

ウィゼル石(Wiserite) 岐阜県岐阜市奥(字)掛洞 網代鉱山カケガ洞鉱床

マンガン鉱物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィゼル石(Wiserite)

岐阜県岐阜市奥(字)掛洞 網代鉱山カケガ洞鉱床

Locality:Kakegahora deposit, Amishiro Mn mine, Kakegahora, Oku, Gifu city, Gifu prefecture, Tokai region, Japan.

 

Wiserite

Wiserite

非売品.

 

 


Wiserite ウィゼル石

[分類]       硼酸塩鉱物.

[組成]       (Mn2+,Mg)14[Cl|(OH)8|(B2O5)4]・(Si,Mg)(O,OH)2

                      化学組成の少量成分は鉄(Fe),カルシウム(Ca),

                      水(H2O)などが知られている.

[結晶・形態]   正方晶系.偏形半面像.結晶およびその形態は

           微細な角柱状・長柱状・針状など.繊維状・簾状

           ・毛状・脈状・着色した石綿状集合などになる.

           結晶およびその集合は脆い.

[色]         淡黄色・黄白色・灰黄色・暗黄橙色・黄褐色・茶

           褐色・暗褐色・桃褐色・淡赤色など.

           酸化すると暗褐色を経て黒変する.

[光沢]       絹糸光沢~土状光沢.半透明―不透明.

[モ―ス硬度]   2.5

[比重]       3.54~3.57

[劈開]       無し.

[条痕]       白色.

[原産地]      Gonzen mine, Sargans, Sarganserland, St.Gallen,

            Switzerland(TL).

[名称]       1842年にこの鉱物を発見したスイスの鉄商人およ

           び鉱物化学者だった

           デヴィット・フリードリッヒ・ワイザー

           (David Friedrich Wiser1802-1878)に因む.

 


 

 

 やや複雑な組成のマンガンの硼酸塩鉱物です.マンガンを含有する硼酸塩鉱物はいくつかあって,見慣れないとなかなか判別が難しいですが,慣れれば弱い熱変成を受けたマンガン鉱床なら,よく見かける鉱物です.

 

 上の石は10年くらい前に有志で訪問した時にサンプリングしました.祐向山の麓にクリーンセンターがあって,その南側の山道を登ったところにズリがありました.マムシを3匹も見た現場で長居できなかった.

 

 帰ってから整理を兼ねて小割していると,黒っぽい苔のような部分があって,一部を欠かして分析にかけたところウィゼル石でした.上の標本は少ししかついていませんが,大部分を試料に使用したためで,繊維状のはっきりわかる部分だけ残しました.

 

 肉眼で角柱状の細かい針状に見えていた部分は,顕微鏡で拡大すると板状でした.ウィゼル石を含む集合は茶褐色―赤褐色無光沢でいわゆるチョコレート鉱と呼ばれるハウスマン鉱からなる集合の裂罅より産しました.茶褐色のハウスマン鉱を切るピンク色の菱マンガン鉱脈に伴っていて,別の部位に黒色亜金属光沢で粒状のハウスマン鉱も含んでいました.そのほかに灰桃色―赤紫色のアレガニー石を伴っています.ばら輝石やテフロ橄欖石はいまのところこの比較的高品位の集合からは見ていません.

 また,別の石で帯紫桃色で断面が菱型に近い板状を呈するアレガニー石の結晶が集合したものを見ています.

 

 

コランダム(Corundum) 広島県庄原市川北町勝光山

石の話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コランダム(Corundum)

広島県庄原市川北町勝光山

Locality:Shôkôzan deposits, Kawakita-chô, Shôbara city, Hiroshima prefecture, San-yô region, Japan.

 

Corundum

(非売品)

 

Corundum

コランダム(鋼玉)

Al3+2O3

三方晶系.

酸化鉱物.

 

 美しいものは宝飾用に利用される鉱物の一つです.蝋石鉱床から出たコランダムで,粒間はディカイトからなっています.本邦のほかの蝋石鉱床から出るものは輪郭がはっきりしていないものが多いですが,この標本ははっきりしています.

 購入品で,中途半端な大きさなため,購入後に75㎜×60㎜×20㎜の箱にピタリと入るように成形しました.

 

 青い部分がコランダムです.黄白色―灰黄色緻密な部分が前出通りディカイトです.電顕の画像が何かの文献の文末に纏めて掲載があって,そこに自形のディカイトの結晶が掲載されていました.単斜角柱状に近い結晶で六角板状の部分もあるらしい.

 

 当地で一時期に灰紅色のコランダムというものが出回っていて,入手したのですが,半分くらいが紅柱石でした.あまりキレイな紅色ではなく,くすんでいたうえに光沢が若干弱いような気がして,研磨できそうな裏面を一面研磨かけたところ紅柱石でした.

 

 

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