河守鉱山 京都府福知山市大江町佛性寺
露頭めぐり
河守鉱山
京都府福知山市大江町佛性寺
Locality:Kômori Cu mine, Senzyôgahara, Busshôzi, Ôye-chô, Kyôto prefecture, Kinki region, Japan.
2発の台風と梅雨前線で老ノ坂が土砂崩れで一時通行止になりました.イレギュラーなことでどれだけ時間を要するのか判断できなかったため,遠出は避けて丹後方面に行きました.
いくつか露頭と河原に寄ったのですが,行く先々で土砂崩れを起こしていたり,入口からわからないくらいヤブになっていたりして頓挫しました.9号線で北上せずに途中から本郷―栗柄峠経由で春日方面に抜けました.
途中の奥山(これは山名)の南方にある栗迫橋旧坑の前を通ったところ,坑口の前にあったヤブが大水の影響か無くなっていました.坑口は県道に面する大岩と尾根との境界付近から開鑿されているのが見え,県道脇の普段はゴミが詰められている坑道も目視で確認できました.
もともと通りすがりに坑口を見つけたのですが,鉱山名が判らず,脇にある橋の名前を採って栗迫橋旧坑としていました.かつては緑マンガン鉱やパイロクロアイト,菱マンガン鉱,パイロクスマンガン石などを産した旧坑ですが,ズリの量が県道脇のため少なく,産出鉱物もすべては調べられていません.
次に大江山近辺ならと行ったのですが,辛皮上流の露頭は林道が大水で流出していて,川が渡れませんでした.曹長岩の露頭もヤブで分からなくなっていた.輝岩の露頭は道すがらに露出しているのですが,何度か通り過ぎて結局判らず終いでした.
中の茶屋の砕石跡も少し見ましたが,一抱えほどある蛇紋岩が北の露頭から大きく落石していました.砕石跡の府道沿いに池があって,その背後の谷に坑道らしきものがありました.半分以上崩土によって埋もれているのですが,坑道がどこかに突き抜けているらしく,わずかな隙間にライターの炎を近づけたところ,大きく揺らぎましたので,坑道らしい.
このあたりに千歳鉱山という鉱山が河守鉱山が開発される以前にあったそうで,何度か探しているのですがはっきりしません.北にある普甲峠はもともと「千歳嶺」と呼ばれていた.千歳嶺に至る少し手前を登り,二股の先に坑口があるというのが古い文献に記載があって,地形的には当地はかなり近い.当時の千歳嶺がどこを通っていたのかという問題があって,普甲道を通ったのか,現在の道を通ったのかがはっきりしません.産出鉱物は含銀黄銅鉱とあって,どういう産状なのか不明でした.
ここからついでに河守鉱山に寄りました.
唯一,稼業当時から存在していた河守会館は取り壊されて,現在は空き地になっていました.少し上に事務所跡があって,石垣だけが残る感じでした.この裏手を登っていくと飯場のあった脇にクロムを産したクロム鉱床があって,ちょっと見に行きましたが,ヤブになってて止めました.
通洞坑.
通洞坑からインクラインのあった斜面の脇を通って白石堆積場のほうへ行きました.筆者が初めて訪問したころにはこのインクラインの横から軌道の延長の脇でたくさんの鉱石鉱物が拾えましたが,現在はヤブ化しています.
蛇紋岩の露頭で少し停まって,ほかの岩石を伴っていないか探しました.
蛇紋岩の露頭.
先週の大水で露頭が崩れていないかと思っていましたが,ここは変わりありませんでした.
蛇紋岩の露頭.一部を拡大.
ここの蛇紋岩は青色や緑色系統のものが多いようで,黄色系統は余りありませんでした.
一部に角閃岩があるらしくそこだけ少し飛び出していました.ほかに珪長岩の脈があるらしく,木っ端でしたが,青っぽい蛇紋岩にちらほら混じっていました.
ズリの上部まで移動して6号竪坑跡を見に行きました.
6号竪坑跡.
石段と石垣に囲まれたところにある.ヤブに覆われている感じでした.
横から撮影したところ.
コンクリの土台が少し残っている程度でした.
道沿いに大江山連峰方面に至る道へ向かいました.途中に3号坑があって,ここにも少し寄りました.
3号坑跡.
3号坑跡は画像中央よりやや右手のコーンがあった背後あたりにありました.以前までは,ここが坑道の跡だろうな~と思うくらいはっきりした凹地になっていたのですが,現在は完全に山に帰っていました.
当初通り過ぎてしまったくらいで,ズリの位置を確認して戻ったところ,坑道跡を見つけました.ズリは斜め前の林道の脇に少し残っています.
樹々の奥に少し見える禿げた斜面が3号坑のズリ.足元に注意して分け入ると下に千丈の滝が見えていました.
急なズリの下に千丈の滝が見える.
滝の手前のズリの突端は石垣でズリがそれ以上流れこまないようにしてあった.滝を見に行ったときにズリの突端を見たことがあるのですが,鉱石らしいものはほとんどありませんでした.
この滝の少し下流の右岸に社宅の跡があって,その北詰めに2号坑があった.こちらは滝めぐりのときに,坑口を確認しましたが,鉱石らしいものは皆無でした.
このあと,大江山連峰へ至る林道にでた.少し登ると大聖不動明王のタテカンがあって,お堂の横に直瀑が一つある.水量は多そうなのですが,お堂の前の急な階段があるのを思い出して,次回にしました.
滝の前を横切って藪の中を少し西進すると杣道に出会い,それを辿ると向山鉱床群の旧坑に至る.過去2回探索して,坑口から2m位のところに石垣が積まれて奥に入れないようになった坑口が一つと,その上に崩土で崩れた坑口一つがあった.それ以上に坑口がありそうでしたが,鉱石自体があまりなく,あってもほとんどが磁硫鉄鉱だったうえ,ダニが多くそれ以上探索しなかった.
陽が傾いてきたので,ここで切り上げた.
ランベルグ鉱(Rambergite) 埼玉県秩父市広河原鉱山
マンガン鉱物
ランベルグ鉱(Rambergite)
埼玉県秩父市浦山 広河原鉱山
Locality:Hirogawara mine, Urayama, Chichibu city, Saitama prefecture, Kanto region, Japan.
(非売品)
Rambergite ランベルグ鉱
[分類] 硫化鉱物.ウルツ鉱グループ.
[組成] γ-MnS
[結晶・形態] 六方晶系.異極半面像晶族.自形結晶お
よび形態は六角柱状・六角板状・六角錐台
など.ロゼット状集合などになる.
[色] 黄色・灰黄色・黄褐色・橙色・暗黄褐色・黒
褐色・暗赤褐色・黒色など.
[光沢] 亜金属光沢~ガラス光沢.透明―半透明.
[モ―ス硬度] 4
[比重] 3.28
[劈開] {1120},{0001}, 3方向に完全.
[条痕] 褐色.
[原産地] Garpenberg Norra mine, Garpenberg,
Hedemora, Dalarna county, Sweden(TL).
[名称] スウェーデンの地質学者で遠心分離機によ
る地殻モデリングに貢献した
ハンス・ランベルク(Hans Ramberg1917-1998)
に因む.
[同質異像鉱物] 閃マンガン鉱・ブロウン鉱.
塩酸で硫化水素を発し分解.
閃マンガン鉱・ブロウン鉱とともに同質異像の関係にある鉱物です.しばらく前に本邦でも確認され,その時に出回ったころに購入した標本です.
乳白色―灰白色の炭マンを切るやや結晶質の菱マンガン鉱の脈の裂罅に鮮やかな黄色―橙色を呈する微細な粒状をなしていました.結晶背後の灰緑色部は粉状の閃マンガン鉱のようで,黒色部も閃マンガン鉱でした.生成時の圧力あるいは温度で,同じ組成の多形の鉱物ができるのか不思議です.
産地は秩父帯の堆積岩中に胚胎する層状マンガン鉱床だそうです.筆者は行ったことがありませんので,ほかのマンガン鉱物がどういう産状で出てくるかは知りません.
燐銅鉱(Libethenite) Bugalho mine, Evora, Portugal.
燐酸塩鉱物
燐銅鉱(Libethenite)
Locality:Bugalho mine, São Bras dos Matos, Evora, Portugal.
(非売品)
標本のサイズ.母岩約48㎜×28㎜×23㎜.重量:約31g.
Libethenite 燐銅鉱
[分類] 燐酸塩鉱物.オリーブ銅鉱グループ.
[組成] Cu2+2[OH|PO4]
化学組成の少量成分は砒素(As)が知
られている.
[結晶・形態] 直方晶系.完面像.自形結晶および形
態は擬八面体・くさび型の両端を持った
角柱状,または僅かに細長い角柱状・
先細りの角柱状など.柱面に直角に条線
あり.双晶は知られていない.
結晶およびその集合は脆い.ザラメ状・
葉片状・火焔状・ロゼット状・半球状・球
状・皮膜状集合などになる.
[色] 淡緑色・鮮緑色・灰緑色・濃緑色・黒緑
色など.
[光沢] 結晶質のものはガラス光沢~亜ガラス
光沢.皮膜状や脈状の集合になったも
のは樹脂光沢~油脂光沢.透明―半
透明.
[モース硬度] 4
[比重] 3.97~3.972
[劈開] {100},{010}に乏しい.あるいは不明瞭.
[条痕] 淡緑色.
[原産地] Podlipa deposit, Ĺubietová,
Banská Bystrica district,
Banská Bystrica region, Slovakia(TL).
[名称] 名称は1823年に発見され原産地,
スロバキアの Ĺubietováの
ドイツ語名のLibethenに因む.
塩酸・硝酸・硫酸およびアンモニアに溶けやすい.
燐酸塩鉱物シリーズです.
銅(Cu)と燐酸(PO4)と水酸基(OH)という簡単な組成の燐酸塩鉱物です.おもに銅(Cu)や鉛(Pb),亜鉛(Zn)などを産する金属鉱床の酸化帯に産します.
標本は昨年の京都ショーで購入しました.最近わりと出回っている産地のもので,母岩は凝灰岩か何かを交代した粒の粗い石英脈で少量の方解石を伴っています.燐銅鉱はこのやや粗い石英脈中の空隙中に八面体に近い結晶が集合しています.
殆どの結晶が八面体に近い自形結晶で,茶褐色―黄褐色不定形塊状の褐鉄鉱を伴っていました.
産地はポルトガルの首都リスボンの東.スペインとの国境に流れるRio Guadiana川の西岸にSão Brás dos Matos村がある.鉱山は村の南西にあるSameiras山(標高310m)の北東直距離約2910mの村に近いところに位置する.
古い金銀銅鉱床だそうで,1866年~1900年の間に稼業されていたそうだ.










