中国留学と中国語 | ★tankoronopuke日々の暮らし★

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夫と息子の3人暮らし。3人揃ってインドア派。
中国語検定準1級・HSK8級・新HSK6級·TECC中国語コミュニケーション能力検定883/1000点。
2023年秋から韓国語学習中。
息子弁当を小・中・高・予備校と13年作りました。
見ている人がほぼいないと思う私の備忘録。

大学3年を終えてから、1年休学して北京に留学したのはもう20年以上も前の話です。

1年留学とは行っても、学校で中国語を勉強したのはたったの9ヶ月もなかったと思います。


丁度その1年前の春休みに北京へ行き、どうしてもまた中国に行きたいと思ってしまって。

2週間留学生楼に泊まって授業を受けて、その他はあちこち観光をしていました。

天安門事件からまだ数年しか経っていず、授業最終日には先生が涙を流して国のことを語ってくれたり、本当に熱心に教えて下さって、あ~ここでまた中国語を勉強したいなと。


当時は中国文学科などの一部の大学でしか交換単位制度がなく(日本3年、中国留学1年で大学卒業)、ほとんどの日本人留学生が日本の大学を休学して行くか、卒業してから行くか、もしくは企業派遣で行った社会人や中国語専門の研究者の人達でした。


私を含めて中国に留学したくて、将来中国関係の仕事がしたくて来ている人が多かったような気がします。

(私の周りがそうだっただけかもしれませんね)


日本の高校を卒業してから、北京に留学して最初の1~2年は中国語班で中国語を学び、その後留学生向けのコースに4年通って中国の大学を卒業するという(「本科生」と呼ばれていました)人もいたのですが、やはり同じ班や同じ時に行った1、2年で日本に帰国してしまう日本人通しで仲良くなってしまいましたね。


日本で文法の基礎だけ勉強してから行ったんですが、日本人は筆記ができるので、最初のクラス分けテストで何故か中級6班という中級で一番上の班になってしまいました。


最初の何ヵ月だったかな?先生の言っていることが全然わからなくて、予習復習が大変で、毎朝授業が確か7時半からで、当時は電子辞書もPCもないから、辞書で単語を引くだけで2時間なんて普通でした。


私は真面目なので叫び、授業の後予習復習をして、それで一日が終わっちゃうという毎日。

とはいえ、よく昼寝もしたし、日本人のお友達とはよく飲んだり、遊んだりしました。

テレビも携帯もない2人部屋の学生楼、冷蔵庫も洗濯機も共有で購入、空いている時間はなんだかいつもお友達と一緒でした。


20数年たった今でも留学時代の友人とは本当に仲良くしています。衣食住を共にした同士という感じでしょうか。未だに中国で仕事をしている人も多く、中国文学の教授になっちゃった人もいて。



夏以降のクラス替えのテストで今度は高級1班になってしまい(高級は2班だけ)、テキストがいきなり難しい高級会話だったり、魯迅や巴金や朱自清を読んだりしました。これもまた私の中国語のレベルには合わないもので、予習だけで本当に大変でした。単語調べで日が暮れる…って感じでしたが、1行ずつ読み進んだ朱自清の「背影」は感動したのを覚えています。先日久し振りに読んだらまた目頭が熱くなりました。


授業が終了した12月に旧HSKを受験してまあまあの成績だと思ったので(今だったら留学してそれじゃだめじゃないと思うけど、当時はわからなかった)、私はすっかり中国語ができるのはないかと勘違いしていました。


日本に帰国してからは中国語を勉強しないまま就職し、その後念願の駐在員となりましたが、上海に行ってからあまりに中国語ができないので自分に本当にビックリでした。あの留学は何だったの?状態です・


電話がかかってきて、電話を取り、「○○さんは今電話中です。」とか「○○さんは今会議中です。」とかそんな基本的な会話すらできません。随分中国語を勉強していなかったからできないのではなく、留学時代にも言えなかったんでしょう。


タクシーに乗って道の説明だとか、郵便局で話をするとか、病院で病状の説明をしたり、レストランでメニューの注文、クリーニング屋さんでこのシミを取って欲しいとか…言いたいことが言えずとにかく困ってばかりでした。

更に、仕事で使う用語が全くわからないので、これまた使えない。中国政府の中国語の通達などは、単語も知らないし、どこで文が切れるのかもわからないので全く歯が立ちませんでした。

周りの日本人は留学したんだから私を中国語ぺらぺらだろうという目で見るし、いきなり通訳してくれとも言われるし、あまりにできなくてちょっといい気になっていた自分が恥ずかしかったです。


前の会社では海外事業部に所属していたので、英語のできる人が多く、皆英語を使って普通に仕事をしているのに、私は中国語でコミュニケーションできない。


留学は中国を見て、感じて、観光して、そして友人を作るには本当に良い環境でしたが、私の場合、中国語に関してはダメでしたね。毎日一生懸命予習復習していた(つもり)なのにです。授業以外は日本人のお友達と過ごすことが多かったし、学校や宿舎や自分の行く限られた所で通用する中国語だけ使えば良かったんですね。


今もまだまだ口からうまく中国語が出てきませんが、それでも毎年うまくなっていると(と思うので!)、いつか自分の言いたいことが言えるようになりたいなと思いながらやっています。