ふと、キッチンスケールを使おうと思ったら、故障していた。液晶の表示不良だ。文字が半分くらいしか表示されない。電源を入れると「HELLO」と表示されるのが正しいのだが、今は文字が崩れて読めない。

この後に0gらしい表示に変わるし、計測はできているようではある。だが、物を乗せても数字としては読めなかった。

 

このような症状では、割と修理できる見込みがある。一般に電卓などの内部では回路基板と液晶表示器が、FPC(Flexible printed circuits)という薄いシート状の配線でつながれている事が多い。シートの端は端子になっていて、基板と合わせてゴム状のもので押さえてあることが多い。ここのコネクタ部が接触不良になり易いのだ。
この場合は、コネクタの当たり具合(押さえ具合)を戻してやると直ることが多い。

とにかく、開けてみる。

裏のシールをはがす。上と下のねじを外すと台皿を分離できる。(真ん中はいじらない)

↑台皿の下の部分に2本のねじ(青矢印)があった。ここで表裏のケースが合わさっている。ねじを外すとケースを表と裏に分解できる。
ただし樹脂ケースでよくあるパターンで、爪でかみ合う形状になっているので、引っかかってかみ合っている部分を工夫して外す。

出てきた基板は、FPCは無かった。(予想が外れた)↓

基板のハンダ面の様子。↓

FPCは無いので、液晶の足をよく観察する。半田は良好だ。強いて言えばいまいちなのがひとつあったので↓、ここだけを付け直してみる。

結果は、「直らなかった」。
他に思いつかなかったので、とりあえず、液晶のハンダ(↑の一列に並んでいる部分)を左から右まで全部付け直してみることにした。組み直すと、

直った。

手元にあったネジザウルスを量ってみた。

 

外ケースが汚れていたので、ケースはきれいに清掃した。FPCの接触不良ではなく、ハンダの不良だった。ネットの修理の記事で「ハンダの当て直し」で直る事があるというのは知っていたが、自分が「不良に見えないハンダをつけなおして」直ったのは初めてだった。