ホンダ 1300 クーペは、ホンダが過去に販売した車だが、僕もほとんど記憶にない。

茂木で開催された"水戸道楽YouTuber旧車サミット2026"を見に行って、ついでにホンダのミュージアムで写真を撮ってきた。
それでも微かな記憶を寄せ集めると、この車の最大の特徴は、空冷エンジンだということ。空冷であることが失敗作、と言われていること。"偉大なる失敗作"なんて称号もあるようだ。

(放熱フィンがすごいね)


この車の開発に於いて、本田宗一郎はこう命じたらしい。(僕の解釈)
「エンジンの余分な熱は、最後は空気に逃がす。だったら、はじめから空冷式のエンジンがベストだ」(水冷式ではなくて)」
だから空冷式を作れ。という指示で作られたらしい。
宗一郎の言い分は正しくて一理ある。最後は空気に逃がす。筋が通っている。総論としては正しい。
でも、それは放熱の途中の過程も上手くいけばの話だ。(実際には、小排気量(発熱が少ない)ではうまくいく)

宗一郎は理解をしていない。最後に熱を逃がす先が空気であることは正しいが、シリンダーとピストンに発生した熱が、空気までは移動しづらいことを。
「シリンダーとピストンの間の熱」この廃熱を、熱伝導で冷却フィンまで移動するのは無理なのだ。つまり、発生する熱の量に対して、伝達する量が追い付かないという問題があるのだ。

開発を担当したエンジニアは、それを何度も宗一郎に説明したのだという。
もしも水冷エンジンならば、一番熱い所の近くに水がやってきて熱を奪ってすぐに遠ざかる、続いてまた水がやってきて、熱を奪う。だからエンジンは熱平衡を保てるので壊れない。エンジニアの言い分は正しい。

でも宗一郎は聞き入れなかったようだ。直接空冷方式にこだわった。これは、僕には馬鹿げたこだわりに見える。

エンジニアは困った。宗一郎には従いつつも、面白い逃げ道を考えていた。下記の動画に説明(僕の発見)がある。

「水冷がダメなら、油冷でやろう」と。オイルを潤沢に使いそれで冷やすようには作ったようだ。

 

終わりに、少し見方を変えた。
本田宗一郎は、基本的に技術屋だ。だから、ビジネスよりも技術にこだわったのだと思える。

1300を作るにあたっては、「実用性(商品)の最高」では無くて、「空冷エンジン」という「カテゴリの最高」を実現したかったのではないか。

そう考えたら、ただの頑固爺じゃなくて、「経営よりも、メカのロマンを追い求めた人」と言えると思った。

HONDA・1300】1300ccで115馬力の狂気。幻の空冷エンジン「H1300E」の壮絶な開発ドラマ