USBの電圧が5.0Vである理由を知っているだろうか。
今時、誰もが使うスマートホン。その充電にUSBの電源を使う。僕はAndroidも、iPhoneのLightningも使っている。電圧は同じ5.0Vだ。*1
その理由は、その前の世代のパソコンにあるのだ。
1980年代にパソコンが普及をし始めた。パソコンの代表は、日本国内だとNECのPC-8801シリーズとかPC-9801シリーズがあげられる。
これらの機種や他のメーカーの機種も、その内部はTTL-ICというもので出来ていた。
TTL-ICとは、米国テキサスインスツルメンツ社が普及させたデジタル用の論理ICで、電源電圧が5Vで動作するICだ。
そして、パソコンの拡張用として、USB規格が誕生した。今までのTTL-ICが動作できる電圧にしたのだ。USBは、Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)である。日本語の意味としては(汎用・直列伝送・みんなの乗物(経路))になる。PCが5Vで動くなら、それにつないだ機器も送受信には5Vだと作りやすい。
以前の5Vの電源の例
その後、携帯電話が普及するが、おおざっぱに言えば中の部品はパソコンと大差がない。だが新しい要素に、電源のリチウム・イオン電池がある。
リチウム電池は公称電圧が3.7Vで、USBの5Vよりちょっと低い。そこがいいのだ。
充電するには電圧を合わせる必要がある。電圧を合わせるには、高いほうから低いほうへ変換する方(降圧)がやりやすい。その逆の低い電圧から高い電圧にする昇圧はやりにくい。
USBの電圧が決まった理由と、その後のリチウム電池の電圧が、うまくかみ合って、ここまで爆発的に普及したことは間違いないだろう。
*1:今時の、Type-C型のコネクタを持つものは、さらに進化をしているのでこれよりは複雑だ。