戦車&機動戦闘車射撃総集編 | 戦車のブログ

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戦車の射撃は奥深い。

 

私の師匠は戦車射撃の権威ともいえるくらい名砲手であったし、車長になってからも砲手の教育をしていたことから同じ乗員として射撃の後などは各車の砲手が天幕にやってきて戦車射撃の理論や経験談を聞きに来ていたため私も若い頃からよく勉強させてもらった。

 

 

戦車砲の照準もいまやコンピューター制御が当たり前の時代だが、それでも陸上自衛隊では、競技会などを通して隊員の射撃技量向上に努めている。

 

どんなにハイテクになっても戦車を動かし戦うのは戦車乗員であり戦車兵である。

 

 

 1990(平成2)年に制式化された90式戦車は、北海道以外では静岡県御殿場市の駒門駐屯地に所在する機甲教導連隊と、茨城県の陸上自衛隊武器学校にしか配備されておらず、本州では見ることもまれな戦車ですが、陸上自衛隊の現役戦車全体では最も配備数の多い戦車である。

 

 

90式戦車以前の74式戦車は装填手が居た。

 

 90式戦車は、自動装填装置の採用により装填手が不要となったため、乗員数が従来の4名から3名へと省人化されたほか、高度な射撃管制装置とコンピューターなどを搭載したことにより、移動しながらでも目標に正確に砲弾を叩き込める性能を有している。

 

その性能を活かして、例年8月に富士山のふもとで開催される「富士総合火力演習(総火演)」では毎回、見事な射撃を披露してる。

 

 

毎年北海道では北部方面戦車射撃競技会か第七師団戦車射撃競技会の戦車射撃競技会が行われる。

 

的にわずかな差で命中しない、あるいは大きく標的を外してしまうという光景はよくあることで、ハイテクになっても戦車に乗って居る乗員の技量で大きく違うのは当然のことである。

 

 

総火演と違って射撃競技会は戦車と標的との距離が非常に離れており、当然、「距離」は射撃にとって大きな障害となる。

 

距離があれば、戦車が射撃する位置と着弾地点とのあいだで、風向きや気温がそして湿度が当然変わります。

 

もちろん、90式戦車には風向きなどを計測する風向センサーが装備されていますが、これはあくまで搭載車両周辺の計測を行うもので、遠く離れた目標周辺の風向きなどは計測できないので車長と砲手の勘が大きく左右する。

 

私の師匠が射撃の理論でよく語っていたから間違いない。

 

そのため、遠距離の的に対して射撃すること自体が非常に難しいことでもある。

 

 

例えば、ある小隊は小隊長の号令と共に射撃する瞬間、操縦手が窪地を前に車両を少々減速させ、一瞬、砲身が安定した瞬間に砲手が射撃、見事的に命中させたりする。

 

戦車は個々に単独で動いているわけではなく、小隊長の指揮のもとにチームとして動いている。

 

そして、車内でも車長、砲手、操縦手が連携して戦車を操るのだ。

 

こうした小隊内、そして車内でのチームワークこそが、戦車の性能をフル活用して初めて戦車の全能力性能を遺憾なく発揮できるのだ。

 

戦車の号令は早口で聞き取れなかったり戦車用語を知らない者にはとうてい理解できないだろう。

 

「同軸機銃」「主砲」なんて言葉は金輪際戦車乗りは使わないし存在しないのだから・・・。