レンジャーの基礎教育ではロープでの訓練が行われる。
渓谷や川を通過するための、ロープ橋の総合訓練などである。
学生のみのチームで、戦闘環境下で警戒しつつロープ橋構成から、渡河、ロープ回収までの一連の任務を完遂するための訓練。
まずレンジャーのロープ訓練は高所でのロープ橋を渡る訓練から始まる。
レンジャーは自分の技術とロープを信頼することが大切である。
最初に自らの結びを信頼し、完全に命を預けるための「胆力テスト」を行う。
自分で結んだ命綱一つで高所から身を投げ出しのだ。
助教にレンジャーでの抱負や好きな色は?とかいろんな質問に答えた後・・・「ホール」で両手を離すのだ。
結構勇気が入る。
そこからロープ橋の訓練で様々な技術を習得する。
モンキーとかセーラーとかね。
モンキー渡りとは、係留点から係留点に張ったロープにぶら下がり両手でロープを掴み、ヒザから下を曲げてロープに引っ掛けて、両手
両足を交互に動かし、前進して行く。
ロープにぶら下がる姿がサルが綱を渡る姿に見えるのでモンキー渡りと呼ばれる。
ロープにぶら下がった時に、ヒザの裏とロープの接触面に物凄ーい激痛が走ったりする。
なので途中で落ちることはよくある。
ロープ橋の訓練にも検定試験があって、これを修了できなければレンジャーの次の訓練へは進めない。
レンジャーは誰でもなれる訳ではなく、出来なければそこで終わりにするか、自ら辞めるかなのである。
落ちると同期から「ホール」と叫ばれてやり直し・・・・。
でもね、これが出来なければ人を担いでロープで降下したり、いろんな状況に対処できないんだよ。
まだまだ序の口の訓練なんだよね。
落ちても何度でも這い上がって任務を完遂するのがレンジャー。
最近はレンジャーへ行きたがらない自衛官が多いと聞く。
レンジャーは技術を習得するだけの教育じゃないからね。
精神面が強くなければならない。
体力だけあってもダメなのだ。