映画 空の兵員輸送 シーン集 | 戦車のブログ

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敵地へ潜入する方法には空路潜入というやり方がある。

 

ヘリや航空機から空挺降下する方法だが、映画では当たり前のように描かれる。

 

そんなシーンを集めた動画からエアボーンとヘリボーンを観る。

 

 

 

エアボーンは、兵員を高速で長距離移動させたり、敵の背後に部隊を展開させることを目的として、飛行中の輸送機から兵員が落下傘降下すること。

 

グライダーを利用することもある。

 

英語一般での airborne は本項の空挺や後述のヘリボーンも含め、落下傘を使わずに空輸することや、ウイルスなどの病原体、花粉や種などが空気媒介伝播する事など、空中を移動する事全てを含む。

 

 

日本語では日本陸軍の造語である「空中挺進」または「空輸挺進」を略した「空挺」と称され、陸上自衛隊では「空挺」と言う語をそのまま用いている。

 

「挺進」を「挺」と書く場合があるが、挺身には「身を捨てる」という意味があり、危険を顧みず自身の身を捨てて敵陣中に降下する姿を形容した語である。

 

 

空挺では、輸送機に兵員が分乗し、戦闘機や攻撃機、COIN機の護衛を受けながら戦線の後方へと侵攻し、パラシュート降下またはグライダーの強行着陸によって部隊を展開することができる。

 

ヘリコプターで展開地に降りるヘリボーンとは区別される。

 

地上に降りた後は通常の陸上部隊と同じように行動する。

 

敵陣地や障害となる地形の影響を受けずに高速で戦略機動し、戦闘展開が可能であるところに特徴がある。

 

 

第二次世界大戦中、輸送機の発達と共に大きく発展した。第二次大戦のほか、朝鮮戦争や第一次インドシナ戦争、第二次中東戦争でも用いられた。

 

エアボーンの一般的な利点は。

  1. 目的地に航空機を着陸させる必要が無いのでそれよりは場所の制約が少ない。


ヘリボーンと比較して、以下のような利点を持つ。

 

ヘリコプターよりも固定翼輸送機のほうが航続距離が圧倒的に長く、また、搭載量も多いため長距離および重量物を用いた作戦を行うことができる。

 

 

ヘリコプターのような爆音を出さずに大部隊を迅速に展開できる。

 

敵軍の後方や防衛の空白地、空港や橋など戦略上重要な拠点に奇襲降下することができ、あるいは各種破壊工作を実施できる。

 

HALOやHAHOといった技術を使えば、目標地点から離れた空域から兵員を降下させることができ、敵から察知されにくい。

 

 

欠点としては、以下が挙げられる。

 

天候や地勢の制約を受けることが上げられる。雨天や濃霧、強風下で降下作戦は実施できない。

 

礫地や湿性地、森林地帯、あるいは集落など建造物密集地への直接降下は大変危険であり、大規模なエアボーンを実施する際には啓開し地勢の比較的安定した降下地点が必要である。

 

こういった場所の防衛は困難であり、降下地点が格好の攻撃対象となりやすい。

 

 

輸送機が対空攻撃に弱く、敵が対空兵器を多数準備した場合には、輸送機が撃墜されて作戦が失敗することもある。

 

ただし、このことはヘリボーンと共通であり、実際、敵軍の防空網が健在な状態で大規模なエアボーンやヘリボーンが行われることは稀である。

 

 

降下する兵員はパラシュート降下操作を習得した者である必要があるため、養成に時間がかかる。

 

また、落下傘の性質上、兵員・物資の降下範囲が散らばり、風や地形のために兵員や物資が失われやすい。

 

 

パラシュートや輸送機などの機材を必要とするため、ヘリコプターと兵員があれば実施できるヘリボーンと違って、準備に時間がかかるため即応性がやや低い。

 

降下中の落下傘兵や物資は無防備で、敵からの一方的な迎撃にさらされやすく、反撃も困難である。

 

降下後の落下傘兵は、火力、装甲防御力、機動力の全ての面で装備が貧弱な軽歩兵に過ぎず、重装備の地上部隊と正面から戦闘するには不利である。

 

このためしかるのち友軍地上部隊の増援と合流することが原則となる。

 

増援部隊との合流に失敗するとマーケット・ガーデン作戦やクレタ島強襲のように敵地上部隊の反撃で大損害を受けてしまうことが多い。

 

また地上連絡線を無視して降下した場合は撤退も困難であり、義号作戦のように初めから増援を行わない作戦は(落下傘兵の玉砕を前提とした)特別攻撃隊の一種とみなされる。

 

 

 

近年ではアメリカのアフガニスタン侵攻において、アメリカのレンジャー部隊が半ば広報目的で夜間降下作戦を行っている。

 

イラク戦争ではアメリカ第173空挺旅団がイラク北部のバシュール飛行場に対する空挺降下(ノーザン・ディレイ作戦)を実施している。

 

 

ヘリボーンは、ヘリコプターにより部隊を機動・展開させる戦術。

 

固定翼機によるエアボーンと対比される概念であり、空中機動作戦や水陸両用作戦、特殊作戦など様々に活用され、今やヘリボーンを含まない陸上作戦はありえないと評される。

 

 

ヘリボーンを戦術的に考慮するべき事項は下記の6点である。

  • 攻撃目標の情報収集
  • 搭載計画
  • 搭載地点から着陸地帯への移動ルート
  • 降下前の火力支援
  • 降下展開
  • 展開後に任務を完遂するため行う部隊の調整

 

 

部隊は、ヘリコプターに搭乗した状態では本来の火力を発揮できず、また特に着陸の瞬間にはヘリコプターが回避機動をとる余地が乏しくなるため、ヘリボーン戦術で最大の弱点となる。

 

このことから、事前の情報収集では任務地域にいる敵部隊の能力・位置に主眼が置かれる。

 

ベトナム戦争でのアメリカ軍は、歩兵部隊を輸送する強襲チームに先行して、まず観測ヘリコプターと攻撃ヘリコプターによる偵察チームによって捜索活動を行っていた。

 

 

またヘリコプターは対空兵器に対して脆弱であるため、搭載地点から着陸地帯への移動ルートを選定する際には、敵の対空兵器や電子戦兵器で攻撃されないことが重要となる。

 

このためには地形の活用が有効で、渓谷のような回廊地形は直接照準射撃から機体を守るためには有効だが、逆にヘリコプターの機動性を制限してしまうという欠点もある。

 

理想的には、山のような大きな地形を遮蔽物として使うことができ、しかも常に広々とした空域を通過して、狭い地形を通ることがないほうがよい。

 

 

着陸地帯の選定には厳しい基準がある。

 

まずヘリコプターが着陸するために、平らで見通しがよい地形でなければならない。

 

機体の規模にもよるが、概して、機体そのもののために約35メートル、ローターのために50メートルの空間が必要になる。

 

また垂直に降下することもできるが、数百メートルの着陸帯があれば、更に正確に接近することができ、特に強風時には着陸帯の設定が望ましい。

 

その一方で、航空機から降りた部隊が警戒陣地を設営できるよう、周辺には遮蔽物がある場所が望ましい。

 

また降下した部隊が兵站業務などを行えるだけの広さも必要である。

 

 

搭載計画は、作戦の兵站面に関わる問題であり、地上に展開する部隊が戦闘力を十二分に発揮できるように作成しなければならない。

 

分隊や射撃チームは、降下したらすぐに一体となって戦えるように、必要な装備を全て携行して同じ機体に搭乗する必要がある。

 

一方、部隊指揮官たちは、別々の機体に分乗して、冗長性を確保するほうが望ましい。

 

また着陸順序としては、最重要部隊・装備が先頭を切って、着陸地帯を確保することになる。

 

 

固定翼機によるエアボーンと比べると、ヘリボーンは以下のような利点を持つ。

特殊訓練・装備不要
 
アメリカ陸軍では、1日程度の基礎講習だけで、普通の歩兵部隊でもヘリボーンに投入可能であるとみなしていた。
 
また落下傘の用意などといった、降下に必要な出撃前の諸準備も不要である。
 
着陸地帯の選択肢の増大
落下傘降下に適さない山岳地帯や森林地帯、市街地といった地勢においても、わずかな降下適地があれば実施可能となる。
 
 
指揮系統の統一化
多くの国では降下部隊と落下傘降下に用いる戦術輸送機の所属は別軍種(陸軍と空軍等)となっているため、エアボーン作戦実施のためには双方で綿密な調整が必要だが、ヘリボーンでは降下部隊とヘリコプターの双方を有する陸軍・海兵隊単独で実施できる。
 
実施に際しての安全性と柔軟性
エアボーンの場合、パラシュート降下中に兵員や物資が風に流され、分散・損失するリスクがある。
 
輸送グライダーを使用すれば集中して目的地に到着できるが、着陸地帯の選択肢が大きく狭まる上に、使い捨てであるため不経済である。ヘリコプターであれば、グライダーと同様に部隊がまとまって降下できるうえに、再利用可能であるため経済性に優れ、しかも部隊の撤収にも使用できる。
 
重装備の携行
エアボーンの場合、重装備の投下に困難が伴うため、軽装備で戦わねばならない傾向がある。これに対し、ヘリボーンであれば、輸送車両・装甲車・火砲を特別な装備なしに搭載または吊下することができるため、部隊の火力を強化しやすい。
 
 

一方、以下のような欠点もある。

長距離進出の困難さ
航続距離と速度による制限により、長距離に進出することが困難である。
 
投入可能な兵力の少なさ
ヘリコプターは搭乗可能な人数が少なく、固定翼輸送機に比べて大型装備を運搬することが困難で、大量の物資・重量物を運搬することもできない。

 

ヘリボーン作戦が大々的に行われるようになったのはベトナム戦争からであろう。

 

熱帯雨林での森林戦という、機動力が大きく制約される作戦環境に対して、ヘリボーンは極めて有効であり、特に対ゲリラ作戦として展開されていた索敵撃滅作戦で重要な役割を担った。

 

これは神出鬼没の共産軍部隊を捕捉するための戦法で、各地に小兵力のパトロール隊を多数展開して、共産軍部隊と接触した場合にはただちに主力部隊をヘリボーンで展開させ、これを撃滅するというものであった。

 

この作戦によってゲリラの優位性は大きく減殺され、1967年は「南ベトナム側がベトナム戦争に勝利を収めるチャンスがあった最初で最後の年」と称された。

 

 

その後、1968年のテト攻勢を転機としてベトナミゼーションが進むなかで、1971年2月には、ホーチミン・ルートを遮断して南ベトナム独力での戦争継続を支援するため、700機以上のヘリコプターを動員してラオス領内に50キロも侵攻するというラムソン719作戦が決行された。

 

これはベトナム戦争で最大のヘリボーン作戦であったが、北ベトナム軍の反撃、特に1,000基もの対空兵器に直面して、100機以上のヘリコプターを喪失し、失敗した。