怪談 短編です | 戦車のブログ

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怪談のリクエストがありましたので短編を・・・・。

 

 

これはカラオケで昔バイトしていた人から聞いた話。

 

 

あるカラオケ店ではバイトがよく辞めるらしい。

 

そこでは誰もいない部屋から注文の電話が来る。

 

静かな部屋から静かな女の声で・・・・、でもバイトはみんな知っている。

 

誰もいない部屋だということを・・・。

 

 

それを聞いた私は「それで何を注文してきたの?いつも注文するんでしょう?」と。

 

 

「・・・・怖くて聞けませんよ・・・・」

 

「なんだー」と私は笑った「注文くらいは聞いてやってよ」。

 

 

もう25年くらい前の話、北海道の札幌のマンションに引っ越してきた当時20代前半の男性O君。

 

「格安だったんだよね、街中に近くで2LDKで月3万円だよ」

 

かなり便利のいい立地条件であったらしい。

 

でも・・・・「夜中に和楽器の音がするのよ」どこからと思ったらどうやら自分の部屋の中らしい・・・。

 

三味線とか琴とかなんかいろいろな音がするらしい。

 

でも見たことはなかったらしい。

 

何にしても格安な家賃には理由があるもので・・・・

 

 

そんなある日、帰宅すると男が浴室の開いたドアの隙間の所に立っていた。

 

「泥棒!?」と見構えたが消えた。

 

薄気味悪さはあったものの格安だし・・・・・。

 

しかし友人から痩せたねといわれるようになった。

 

家で起きていることを当時仲の良かった友人に相談すると、「そこ出たほうがいいんじゃない」と忠告された。

 

友人に取りあえず来て貰って部屋で飲んでいたら、和楽器の音が聞こえてきた。

 

「な!?聞こえるだろう?」と友人に言うと「本当に聞こえるね・・・・・・ねぇ・・・なんかさ・・・和楽器にも聞こえるけどさ・・・「死ね、死ね、出て行け」って聞こえないか?」と言ったという。

 

じっと聞き耳を立てて聞いていると・・・そう聞こえる。

 

 

「やばいぞ・・ここ」と友人は「出よ!引っ越そう、今日は俺ん家に泊まれ」と引っ張り出してくれた。

 

 

引っ越し屋さんも決め実家に一旦戻ることにした。

 

引越し日、マンションに友人5人と共に来るとマンションの前に大型トラックが停車している。

 

約束の時間よりちょっと早い、「ご苦労様です、502号室のOと言います引越し屋さんですか?」と挨拶すると「あっ!Oさんですか?今、お部屋の方へご挨拶に伺ったんですよ」と言う。

 

「ああ、すみません留守にしてました」と答えると「Oさんの部屋に50代くらいの男性が居て物凄く怒った様子で引越しなんてしないと怒鳴られたんですよ、どうしようかと悩んでいたとこです」と言う。

 

「え!?部屋間違えたんじゃないですか?私は一人暮らしですし誰もいないですよ」とO君は引越し屋さんに答えた。

 

 

エレベーターで5階に到着すると男がドアの前に立ち502号室の中に入り勢いよくドアを閉めるのを見た。

 

「あれお前の部屋じゃない?」と友人に言われ、おそるおそる部屋の鍵を・・・、鍵は開いてる・・・・。

 

「おい!無用心だな!」と無理して友人は笑って言った。

 

部屋の中でダンボールに荷物を黙々と急いで詰め込み作業を進めていたが・・・・、浴室で掃除していたO君がギャーと叫び声を上げた。

 

見知らぬ男が立っていたのを見たという。

 

みんな、驚いてドアに殺到したらドアが開かない・・・・そこで「お前ら怖いのか」という声が聞こえてパニックになった。

 

そこで友人の一人が「落ち着け!騒いだってしょうがない」と叫んだ、その声でみんな落ち着いた。

 

落ち着いてドアノブを回したら難なくドアは開いた。

 

引越しを終えた時にはみんなヘトヘトになっていたという。

 

「あんな怖い思いしたのは後にも先にもないですよ」そうO君は語る。

 

 

ちなみにカラオケのバイトの話とマンションの話をしてくれたのはO君です。