陸上自衛隊 野戦特科 | 戦車のブログ

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陸上自衛隊の職種紹介する広報ビデオ「野戦特科」。

 

陸上自衛隊の職種を紹介する。

 
 
野戦特科は旧軍の兵科では「砲兵」つまり大砲を撃つ部隊だ。
 

野戦特科 (Field Artillery)

 

旧陸軍における兵種としての野砲兵・野戦重砲兵・重砲兵に相当する。

 

 

特定の方面隊には特科団もしくは方面特科隊、師団・旅団には特科連隊又は特科隊が配備される。

 

主な装備品は、155mmりゅう弾砲 FH70等。

 

 

 
 
 

職種徽章は、砲口、加農砲及びロケット弾を組み合わせたもの。

 
 
 

20世紀初頭、特に第一次世界大戦以降において砲兵が多用する間接射撃による攻撃は、目標へ正確に弾着でき、自らの位置が露呈しない限りにおいては非常に有効な方法である。

 

また、戦闘前面から数km以上離れた位置から射撃出来るため、直接射撃による攻撃を受けて部隊が損耗する危険を小さく出来る。

 

特に比較的低コストである砲弾を多量に投射出来る大口径の火砲を多数並べて一斉に射撃する攻撃では、強固な陣地構築物を除いてあらゆる目標物が広範囲に破壊できる。

 

 

陸上自衛隊の事実上の前身である日本陸軍の時代においては、おおむね第二次世界大戦頃の砲兵の兵種として野砲兵・山砲兵・騎砲兵・重砲兵・野戦重砲兵・臼砲兵・迫撃砲兵・噴進砲兵・速射砲兵・高射砲兵・機関砲兵・船舶砲兵などに分かれていたが、現代では火砲の発達やドクトリンなどの進化により自然に統廃合が行われ、基本的に対地攻撃・対艦攻撃を行う野戦砲兵と対空攻撃を行う防空砲兵に分かれ、前者を野戦特科と後者を高射特科と称している。

 

 

現在の中期防では、火砲定数の大幅削減が計画されており、野戦特科部隊は、北部方面隊隷下部隊を除き、4個方面隊の師団旅団の特科(連)隊および、2個方面特科隊が廃止・縮小・再編され、方面隊直轄の特科(連)隊に再編される予定。

 

 

また、高射特科部隊でも、方面隊直轄の高射特科群と師団旅団の高射特科部隊が再編される予定の方面隊がある。

 

 
 

特定の方面隊には方面隊直属の特科団もしくは方面特科隊が置かれている。特科団は2個特科群(それぞれ4個・2個特科大隊編成)と3個地対艦ミサイル連隊、方面特科隊は1-2個特科大隊及び1個地対艦ミサイル連隊からなる編合部隊であり、203mm自走りゅう弾砲・多連装ロケットシステムMLRS、88式地対艦誘導弾・12式地対艦誘導弾を装備する。

 

 

師団・旅団(第8師団・第14旅団・第15旅団を除く)には特科連隊もしくは特科隊が置かれ、155mmりゅう弾砲を主要装備としている。師団特科連隊は本部管理中隊及び情報中隊並びに3-5個大隊からなり、師団・旅団特科隊は本部管理中隊と3-4個中隊で編成される。師団・旅団の特性により内部編制は異なる。

 

 

 

西部方面特科連隊・中部方面特科隊は方面隊直轄部隊として編成しているが、機動性を高めるために機動師団・旅団化された第8師団・第14旅団の特科(連)隊を元に編成されたFH-70部隊である。

 

それぞれの師団旅団に平時隷属としている。編成は師団・旅団特科部隊と同等である。

 

 

普通科職種が運用する120mm迫撃砲RTを野戦特科が装備している部隊がある。

 

第1空挺団特科大隊、水陸機動団特科大隊、即応機動連隊の火力支援中隊がそれに該当する。

 

 

 

特科団および方面特科隊は特科群および直属する特科大隊、地対艦ミサイル連隊を基幹とし、後述する情報中隊を拡充した観測中隊(第303観測中隊は特科教導隊に編成)1個と本部中隊を編成し、特科群および直属の特科大隊、地対艦ミサイル連隊をもって編成している。

 

特科大隊は師団全般支援を担う射撃大隊であり、必要に応じ、師団旅団の特科(連)隊、戦闘団を増強する予備戦力として運用する。

 

 

機動師団・旅団に改編された第8師団および第14旅団は重武装である特科火力(FH-70)を方面隊直轄運用として再編成し、西部方面特科連隊・中部方面特科隊として編成している。

 

 

地対艦ミサイル連隊は現状、特科団に3個、東北・西部方面特科隊に各1個の計5個連隊が編成され、本部管理中隊および4個射撃中隊基幹となっている。

 

 

本部管理中隊に捜索・標定レーダー装置12基とレーダー中継装置12基と指揮統制装置1基、各中隊本部に射撃統制装置が1基ずつ配備、各中隊に、6連装の発射機と装填機が4基ずつとミサイルが24発ずつ配備されている。

 

本部管理中隊が索敵標定・指揮統制を行い、各中隊本部に伝達し、中隊本部が射撃統制を行い各中隊ごとに射撃を行う。

 

 

 

地対艦ミサイル連隊は連隊の性質上、固定編成であるが、方面特科大隊のMLRSがクラスター弾からGPS誘導弾に換装したためMLRSによる対艦戦闘が可能になった。

 

そのため、地対艦ミサイル連隊にMLRS大隊を増強させた対艦戦闘部隊を編成し、地対艦攻撃を行う。

 

 

 

普通科連隊に隷属する射撃大隊及び群編成は全般支援を担う射撃大隊を基幹とし、各射撃大隊等の支援を行う情報中隊及び連隊等本部を支援する本部中隊で構成されている。

 

各射撃大隊には本部管理中隊及び2個以上の射撃中隊が編成され、大隊本部管理中隊が実際の射撃管制・諸元計算等の射撃に関する全般支援を担っている。

 

 

また、射撃大隊には普通科(戦車)戦闘団隷属指定された大隊と、師団全般支援を担う射撃大隊が存在し、前者は全ての特科連隊に存在しているが、後者は北部方面隊の一部の特科連隊に限定されている。

 

 

群隷下の射撃大隊は、方面全般の射撃支援の他に必要に応じて群若しくは大隊単位で各普通科戦闘団へ隷属する。

 

 

 

普通科連隊への射撃支援を担う射撃中隊3個及び射撃中隊の射撃管制及び隊本部の支援を担う本部管理中隊で構成されている。

 

師団特科連隊と違い各射撃中隊に対する管制・諸元計算等は中隊単位では行わずに全て隊直轄の本部管理中隊が行っている。

 

基本原則は中隊単位では各普通科連隊への射撃支援は行わず、特科隊全般が必要に応じて旅団隷下の特定の普通科連隊への射撃任務を行うが、状況に応じて普通科連隊への隷属が中隊単位で行われる事を想定し、中隊長の階級は射撃大隊隷下中隊の1尉に対し、一般には大隊長クラスとなる3佐が指定されており運用能力の向上を図っている。

 

 

 

 

対地攻撃を担っている野戦砲兵の任務の1つは、戦闘前面で直接照準射撃を行う近接戦闘部隊を、間接照準射撃によって後方から掩護攻撃することである。

 

また、これとは別に砲の長射程化とロケット・ミサイルなどの発達により、砲兵と砲兵の火力戦闘、いわゆる対砲兵戦が前線の近接戦闘部隊の援護に先だって行われる事も多い。

 

初期の対砲兵戦に勝利出来れば、以後の近接戦闘においても有利な戦闘が期待出来る。

 

 

野戦砲兵は砲兵隊員自身や他部隊の隊員による前進観測員からの射撃要請や航空機・人工衛星による攻撃目標情報の他にも、前線後方に位置する砲兵部隊自身が行う観測も実施する。

 

敵部隊を壊滅、無力化、または制圧して前線の歩兵部隊を火力支援すること。

 

壊滅とは、部隊が30%以上の人員損耗を受け、戦闘力を大幅に喪失して補充などを受けねば戦力にならない状態を指す。

 

無力化とは、部隊が10%以上の人員損耗を受け、数時間は交戦できない状態を指す。制圧とは、敵兵の攻撃を中断させ、掩蔽へ追い立てて応射の精度と威力を削ぐことである。