自衛隊が「重要影響事態」訓練開始 中台衝突など想定 | 戦車のブログ

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    図上演習とは古くは「兵棋演習」とも呼ばれ、欧米では「WAR GAME」と呼ばれているものです。

 

  WAR GAMEとは、作戦に実際の軍隊の行動を含まず、その一連のイベントが相対するプレイヤーの行う意思決定に影響を与え、その意思決定によって影響を受ける戦闘のモデルまたはシミュレーションです。

 

陸上自衛隊でもよくやる。

 

レンジャーでも戦車小隊の訓練でも現地で隊員を集め現状や作戦を「砂盤」で頭上演習する。

 

各自の任務や役割を地面や雪面に描いて指示し、役割や任務を徹底させるのだ。

 

それが上級へ行くほど地図や立体模型、モニターなどを使って情報を共有しながら各部隊や部署、自治体などを交えて総合的な訓練をやる。

 

実際に戦闘機や護衛艦、戦車や部隊は動かないシミュレーションでの演習を「図上演習」というのだ。

 

以下産経ニュースより転載
 
 
 

 自衛隊は23日から、中国と台湾の軍事衝突など、安全保障関連法で定められた日本の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」を想定した大規模な図上演習を開始した。

 

図上演習自体は隔年で実施されてきたが、今回は安保関連法施行後から初めて。

 

 

 

 図上演習は河野克俊統合幕僚長を統裁官とし、全国の陸海空部隊に所属する約8700人が参加して5日間にわたって行う。

 

海洋進出を続ける中国を念頭に、安保関連法に基づいた自衛隊の統合運用を確実にして備えを固める狙いがある。

 

 

 統合幕僚監部などによると、今回の想定では平時の状態から徐々に危機のレベルを高め、重要影響事態に至ったと認定。

 

 

安保関連法で認められた「米軍等の部隊の武器等の防護」について初めて訓練するほか、「在外邦人等の保護措置」の実施も盛り込んだ。米軍は訓練に参加しない。

 

 

 重要影響事態の適用に地理的制約はないが、図上演習について統幕は「特定の国や地域を想定したものではない」と強調する。

 

 
 

 ただ、中台関係は台湾の蔡英文総統が就任後は冷え込んでおり、昨年末から今年初めにかけては、中国空母「遼寧」の艦隊が台湾周辺海域を航行。

 

 

今後、情勢が急変する懸念は払拭されておらず、中国が軍事拠点化を進めている南シナ海についても同様の懸念が拭えない。

 

 

 自衛隊は昨秋にも、沖縄本島の周辺海域で、重要影響事態を想定した米軍との合同訓練を行っている。

 
 
(産経ニュース)
 
 

  図上演習(以下、「図演」といいます。)は、演習者の意思決定とその意思決定が引き起こす事象の相互作用を模擬します。

 

その連続的な情勢変化の中での意思決定の演練が実施可能です。

 

 

   図演は、平時に作為することが困難、若しくは不可能な状況下における指揮官や指揮官を補佐する幕僚の意思決定を演練するのに有用なものです。

 


   図演は、人間の意思決定の役割及びその潜在的な能力を開発するものであり、人間を教育・訓練し、新しいアイディア、コンセプト、計画を開発するものといえます。

 

 

   また、図演は参加者に対し、共通認識を醸成するとともに、共通認識を共有する場を提供します。

 

 

   米海軍のニミッツ提督は、「日本との戦争は、かつて海軍大学のウォー・ゲーム講堂において、多くの学生によって実施されてきたウォーゲームの再演であった。戦争を通じて、我々の予期しなかった事象が生起したことは、戦争末期における神風攻撃を除き、皆無であった。」 と言ってます。

 

 

   またアーレ- A.バーク海軍大将は、「戦闘中に決断を下さなければならない状況下にある指揮官の重圧を実際に再現することは誰にもできない。」と云っています。

 


   この言葉は、図演の人為性の核心に触れています。

 

図演では、部隊は実際に展開せず、武器は実際に火を噴かず、人は実際に死にません。

 

 

図演は、実際の戦争を不完全に具現したものであることを忘れてはいけません。

 

図上演習の分類

シナリオドライブによる分類

 


    対抗型図演:プレイヤーが二手に分かれ相互に対抗して、自由に図演を進行させます。

 


    指導型図演:目的に応じたシナリオ及びイベントに沿って、統制部が大幅に介入して図演を進行 させます。

 

 

 

 

 


    戦術レベル:個別または機能的な問題について検証・演練を行います。


    作戦レベル:戦域における特定の問題について検証・演練を行います。


    戦略レベル:国家の意思決定に関わるような問題について議論します。

 

 ◆ 演習者のレベルによる分類

 

 


    計画検証:計画に従い部隊を展開させ、計画に潜む問題点等の抽出を行います。

 


    計画立案:部隊を展開せずに、問題について議論し計画等を作成します。